特許ウォッチ

公開番号2025159479
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-21
出願番号2024062066
出願日2024-04-08
発明の名称炉壁及びガス化炉並びに炉壁の製造方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C10J 3/46 20060101AFI20251014BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】炉内ガスに含まれる成分が耐火材を通って浸透したとしても水冷壁に腐食が発生しにくい炉壁を提供する。
【解決手段】ガス化炉の炉壁111であって、複数の伝熱管112aを有する水冷壁112と、水冷壁112の表面に設けられ、水冷壁112よりも耐腐食性が高い保護膜113と、保護膜113の表面に設けられた保護材114と、を備えている。また、保護材114は、ガス化炉で生成されたスラグを含んでいてもよい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
炭素含有燃料をガス化するガス化炉の炉壁であって、
複数の伝熱管を有する水冷壁と、
前記水冷壁の表面に設けられ、前記水冷壁よりも耐腐食性が高い保護膜と、
前記保護膜の表面に設けられた保護材と、
を備えている
炉壁。
続きを表示（約 360 文字）【請求項２】
前記保護材は、前記ガス化炉で生成されたスラグを含んでいる
請求項１に記載の炉壁。
【請求項３】
前記保護膜の材料は、ニッケル系金属とされている
請求項１に記載の炉壁。
【請求項４】
前記保護膜は、炭素含有燃料の燃焼若しくはガス化反応が行われる領域又は生成ガスに触れる領域に設けられている
請求項１に記載の炉壁。
【請求項５】
請求項１に記載の炉壁を備えている
ガス化炉。
【請求項６】
炭素含有燃料をガス化するガス化炉の炉壁の製造方法であって、
複数の伝熱管を有する水冷壁の表面に炉内ガスの浸透を防ぐ保護膜を形成し、
形成された前記保護膜の表面に保護材を設置する
炉壁の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、炉壁及びガス化炉並びに炉壁の製造方法に関するものである。
続きを表示（約 1,100 文字）【背景技術】
【０００２】
ガス化炉として、石炭等の炭素含有燃料をガス化炉内に供給し炭素含有燃料を部分燃焼させてガス化することで可燃性ガスを生成するガス化設備が知られている。
【０００３】
ガス化炉の炉壁が備えている水冷壁には耐火材が設けられているが、ガス化炉の運転中、炉内ガスに含まれる硫化水素（Ｈ２Ｓ）や塩化水素（ＨＣｌ）が多孔質である耐火材の空隙やき裂を通って浸透して水冷壁まで到達することがある。この場合、水冷壁にガス腐食が発生することがある。また、塩化水素が水冷壁の金属と反応することで塩化鉄（ＦｅＣｌ２）が生成され、水冷壁に溶解塩腐食が発生することがある。更に、ガス化炉の停止中、塩化鉄が潮解することで水冷壁が濡れ、高濃度の塩素を含んだ水が水冷壁と耐火材との隙間（境界面）を流下してすきま腐食が発生することがある。
【０００４】
ガス化炉の炉壁に採用されるものではないが、特許文献１には、金属材料に設けた耐火物の表面に被膜を形成することで、耐火材へのガスの浸透を抑制して金属材料の腐食を防ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開昭６０－１５５５８８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、ガス化炉の炉壁の場合、耐火材の表面に被膜を形成したとしても被膜が高温のスラグによって溶融してしまい、耐火材へのガスの浸透を許し、金属材料に腐食が発生する可能性がある。
【０００７】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、炉内ガスに含まれる成分が耐火材を浸透したとしても水冷壁に腐食が発生しにくい炉壁及びガス化炉並びに炉壁の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本開示の炉壁及びガス化炉並びに炉壁の製造方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る炉壁は、炭素含有燃料をガス化するガス化炉の炉壁であって、複数の伝熱管を有する水冷壁と、前記水冷壁の表面に設けられ、前記水冷壁よりも耐腐食性が高い保護膜と、前記保護膜の表面に設けられた保護材と、を備えている。
【０００９】
本開示の一態様に係るガス化炉は、炉壁を備えている。
【００１０】
本開示の一態様に係る炉壁の製造方法は、炭素含有燃料をガス化するガス化炉の炉壁の製造方法であって、複数の伝熱管を有する水冷壁の表面に炉内ガスの浸透を防ぐ保護膜を形成し、形成された前記保護膜の表面に保護材を設置する。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許