特許ウォッチ

公開番号2025177622
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024084636
出願日2024-05-24
発明の名称支持金物の溶接装置および方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B23K 37/02 20060101AFI20251128BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】支持金物の溶接装置および方法において、支持柱に対する支持金物の溶接作業における作業性の向上を図る。
【解決手段】円筒形状をなして上端部の内側に熱電対引出管を支持する止め金が装着された支持柱の上端部に対して、円筒形状をなす支持金物の下端部を溶接する支持金物の溶接装置において、支持柱の周囲に配置される架台と、架台に配置されて支持柱を保持可能な保持装置と、架台に対して支持柱の軸心を中心にして回転可能に支持される回転台と、回転台に装着される溶接機と、回転台に装着されて支持柱に対する支持金物の水平面の水平度を計測する計測器と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
円筒形状をなして上端部の内側に熱電対引出管を支持する止め金が装着された支持柱の上端部に対して、円筒形状をなす支持金物の下端部を溶接する支持金物の溶接装置において、
前記支持柱の周囲に配置される架台と、
前記架台に配置されて前記支持柱を保持可能な保持装置と、
前記架台に対して前記支持柱の軸心を中心にして回転可能に支持される回転台と、
前記回転台に装着される溶接機と、
前記回転台に装着されて前記支持柱に対する前記支持金物の水平面の水平度を計測する計測器と、
を備える支持金物の溶接装置。
続きを表示（約 630 文字）【請求項２】
前記溶接機と前記計測器は、周方向にずれた位置に配置される、
請求項１に記載の支持金物の溶接装置。
【請求項３】
前記支持金物は、外周部に水平面を有し、前記計測器は、前記水平面までの距離を計測するレーザ変位計を有する、
請求項１または請求項２に記載の支持金物の溶接装置。
【請求項４】
前記回転台の上方に支持部材により支持台が支持され、前記溶接機は、前記支持台の下面部側に支持され、前記計測器は、前記支持台の上面部側に支持される、
請求項１に記載の支持金物の溶接装置。
【請求項５】
円筒形状をなして上端部の内側に熱電対引出管を支持する止め金が装着された支持柱の上端部に対して、円筒形状をなす支持金物の下端部を溶接する支持金物の溶接方法において、
前記支持柱と前記支持金物との接合部に対して周方向に間隔を空けた位置に複数の仮溶接を行うステップと、
前記仮溶接を行うごとに前記支持柱に対する前記支持金物の水平面の水平度を計測した計測結果に基づいて次の仮溶接位置を設定するステップと、
前記仮溶接の完了後に前記仮溶接位置を中心とした複数の周方向領域に本溶接を行うステップと、
前記本溶接を行うごとに前記支持柱に対する前記支持金物の水平面の水平度を計測した計測結果に基づいて次の本溶接位置を設定するステップと、
を有する支持金物の溶接方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、支持柱に対して支持金物を溶接する支持金物の溶接装置および方法に関するものである。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
原子力発電プラントにて、原子炉格納容器は、岩盤等の堅固な地盤上に立設され、内部に原子炉が配置される。原子炉は、原子炉容器の内部に燃料などの炉内構造物が配置されて構成される。炉内構造物として、上部炉心支持板と上部炉心板との間に管状をなす複数の熱電対引出管支持柱が配置される。熱電対引出管支持柱は、上端部に管状をなす支持金物が連結される。熱電対引出管支持柱および支持金物は、内部に熱電対引出管が配置される。支持金物は、下端部が熱電対引出管支持柱の上端部に溶接により連結される。このような炉内構造物を溶接する技術としては、例えば、特許文献１に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００３－５３５５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
熱電対引出管支持柱は、上端部の内側に熱電対引出管を支持する止め金が装着されており、止め金が装着された熱電対引出管支持柱の上端部に支持金物の下端部を溶接により連結する。まず、止め金が装着された熱電対引出管支持柱の上端部に対して、支持金物を溶接する位置に位置決めする。このとき、支持金物は、下端面が熱電対引出管支持柱の上端面に接触し、下端部が止め金の上端部に嵌合する。この状態で、熱電対引出管支持柱と支持金物との接合部を溶接する。ところが、溶接時に、接合部が熱歪みを生じて熱電対引出管支持柱に対して支持金物が傾いてしまう。そのため、熱電対引出管支持柱と支持金物との溶接作業と、ダイヤルゲージによる支持金物の傾斜度の計測作業を繰り返し行うこととなり、溶接作業に長時間を要してしまうという課題がある。
【０００５】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、支持柱に対する支持金物の溶接作業における作業性の向上を図る支持金物の溶接装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の目的を達成するための本開示の支持金物の溶接装置は、円筒形状をなして上端部の内側に熱電対引出管を支持する止め金が装着された支持柱の上端部に対して、円筒形状をなす支持金物の下端部を溶接する支持金物の溶接装置において、前記支持柱の周囲に配置される架台と、前記架台に配置されて前記支持柱を保持可能な保持装置と、前記架台に対して前記支持柱の軸心を中心にして回転可能に支持される回転台と、前記回転台に装着される溶接機と、前記回転台に装着されて前記支持柱に対する前記支持金物の水平面の水平度を計測する計測器と、を備える。
【０００７】
また、本開示の支持金物の溶接方法は、円筒形状をなして上端部の内側に熱電対引出管を支持する止め金が装着された支持柱の上端部に対して、円筒形状をなす支持金物の下端部を溶接する支持金物の溶接方法において、前記支持柱と前記支持金物との接合部に対して周方向に間隔を空けた位置に複数の仮溶接を行うステップと、前記仮溶接を行うごとに前記支持柱に対する前記支持金物の水平面の水平度を計測した計測結果に基づいて次の仮溶接位置を設定するステップと、前記仮溶接の完了後に前記仮溶接位置を中心とした複数の周方向領域に本溶接を行うステップと、前記本溶接を行うごとに前記支持柱に対する前記支持金物の水平面の水平度を計測した計測結果に基づいて次の本溶接位置を設定するステップと、を有する。
【発明の効果】
【０００８】
本開示の支持金物の溶接装置および方法によれば、支持柱に対する支持金物の溶接作業における作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
図１は、加圧水型原子炉を表す縦断面図である。
図２は、支持柱と止め金と支持金物との連結構造を表す概略断面図である。
図３は、支持金物の溶接装置を表す概略正面図である。
図４は、支持金物の溶接装置を表す図３のIV－IV断面図である。
図５は、本実施形態の支持金物の溶接方法を表す概略図である。
図６は、支持金物の溶接方法を表す概略図である。
図７は、支持金物の溶接方法を表す概略図である。
図８は、支持金物の溶接方法を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許