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公開番号2025176586
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-04
出願番号2024082842
出願日2024-05-21
発明の名称ディーゼル燃料油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C10L 1/19 20060101AFI20251127BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】優れた着火性能、低温時の燃焼性能、低温流動性能及び燃費性能を兼ね備えるディーゼル燃料油組成物を提供する。
【解決手段】水素化処理植物油と、脱硫直留軽油、脱蝋軽油及び脱硫灯油から選ばれる少なくとも一種の基材と、を含み、前記水素化処理植物油の組成物全量基準の含有量が0.1容量%以上70.0容量%未満であり、かつ(1)セタン価が58.0超、(2)流動点が-17.5℃以下、(3)目詰まり点が-10℃以下、及び(4)総発熱量が37000J/cm3超をいずれも満足するディーゼル燃料油組成物及びその製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水素化処理植物油と、脱硫直留軽油、脱蝋軽油及び脱硫灯油から選ばれる少なくとも一種の基材と、を含み、前記水素化処理植物油の組成物全量基準の含有量が0.1容量%以上70.0容量%未満であり、かつ下記(1)~(4)をいずれも満足するディーゼル燃料油組成物。
(1)セタン価が58.0超
(2)流動点が-17.5℃以下
(3)目詰まり点が-10℃以下
(4)総発熱量が37000J/cm


続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記水素化処理植物油が、下記(a

)~(a

)をいずれも満足する請求項1に記載のディーゼル燃料油組成物。
(a

)セタン価が60.0以上85.0以下
(a

)流動点が-60.0℃以上0.0℃以下
(a

)目詰まり点が-50.0℃以上0.0℃以下
(a

)総発熱量が36000J/cm

以上
【請求項3】
前記脱硫直留軽油が、下記(b

)~(b

)をいずれも満足する請求項1又は2に記載のディーゼル燃料油組成物。
(b

)セタン価が40.0以上70.0以下
(b

)流動点が-20.0℃以上5.0℃以下
(b

)目詰まり点が-15.0℃以上5.0℃以下
(b

)総発熱量が37500J/cm

以上
【請求項4】
前記脱蝋軽油が、下記(c

)~(c

)をいずれも満足する請求項1~3のいずれか1項に記載のディーゼル燃料油組成物。
(c

)セタン価が40.0以上70.0以下
(c

)流動点が-25.0℃以上-5.0℃以下
(c

)目詰まり点が-25.0℃以上-5.0℃以下
(c

)総発熱量が38000J/cm

以上
【請求項5】
前記脱硫灯油が、下記(d

)~(d

)をいずれも満足する請求項1~4のいずれか1項に記載のディーゼル燃料油組成物。
(d

)セタン価が30.0以上60.0以下
(d

)流動点が-70.0℃以上-20.0℃以下
(d

)目詰まり点が-70.0℃以上-20.0℃以下
(d

)総発熱量が36300J/cm

以上
【請求項6】
さらに、流動性向上剤を含む請求項1~5のいずれか1項に記載のディーゼル燃料油組成物。
【請求項7】
水素化処理植物油と、脱硫直留軽油、脱蝋軽油及び脱硫灯油から選ばれる少なくとも一種の基材とを、前記水素化処理植物油の組成物全量基準の含有量が0.1容量%以上70.0容量%未満となるように混合する、下記(1)~(4)をいずれも満足する、ディーゼル燃料油組成物の製造方法。
(1)セタン価が58.0超
(2)流動点が-17.5℃以下
(3)目詰まり点が-10℃以下
(4)総発熱量が37000J/cm



発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼル燃料油組成物に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、カーボンニュートラルへの取り組みが加速化しており、燃料油組成物、とりわけディーゼル燃料油組成物(「軽油組成物」とも称される。)において、化石燃料由来の軽油留分以外の油種を用いることが注目されている。このような化石燃料由来ではない油種として、脂肪酸メチルエステル(FAME:Fatty Acid Methyl Ester)、動植物油脂を水素化改質した油種等のバイオ燃料を用いたディーゼル燃料油組成物(軽油組成物)が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1には、動植物油脂及び/又は動植物油脂由来の成分を含む原料を水素化脱酸素処理し、かつ異性化処理した燃料基材A、直留軽油と分解軽油との混合軽油を水素化処理した燃料基材Bを含有するディーゼル燃料油組成物が開示されている。また、特許文献2には、動植物油脂及び動植物由来成分であるトリグリセリド含有炭化水素を原料として製造された環境低負荷型軽油基材を含有し、硫黄分、全酸価、目詰まり点、その他所定の性状を有する、軽油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:特開2019-089935号公報
特許文献2:特開2009-040856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ディーゼル燃料油組成物に求められる実用性能として、例えばエンジン始動時の着火性能(以下、単に「着火性能」とも称する。)及び低温流動性能が挙げられる。着火性能が悪いと、エンジンの始動不良、ディーゼルノックといった事象が発生することとなり、また低温流動性能が悪いと、配管系統内におけるワックス分の固化、さらにはフィルターの閉塞といった不具合が発生するからである。よって、ディーゼル燃料油組成物において、着火性能及び低温流動性能は極めて重要な性能となる。
【0006】
上記特許文献1に記載されるディーゼル燃料油組成物は、セタン価が58.5~65.4と高いことから着火性能に優れ、流動点が-22.5~-20.0℃、及び目詰まり点が-15.0~-14.0℃と低いことから低温流動性能に優れた組成物であるといえる。しかし、主な油種として異性化ヤトロファ油(HBD:水素化バイオディーゼル)、脱硫混合軽油(直留軽油及び分解軽油)が想定されているものの、他の油種について検討はされていない。ディーゼル燃料油組成物の安定的な供給の観点から、より多様な油種を採用したディーゼル燃料油組成物の開発は重要である。
【0007】
特許文献2に記載される軽油組成物は、セタン価が59~60と高いことから着火性能に優れているものの、流動点が-7.5℃、目詰まり点が-7~-5℃と高いことから低温流動性能に優れた組成物とはいえないものである。
【0008】
また、ディーゼル燃料油組成物に求められる実用性能の重要な性能として、低温時の燃焼性能も挙げられる。水素化処理植物油(HVO)は、バイオ燃料の一つであり、セタン価が極めて高く、また特に異性化されたものについては流動点及び目詰まり点が低いことから、一般的には着火性能と低温流動性能とを兼ね備える基油として知られている。本発明者らは、水素化処理植物油の性状についてより詳細な研究を行ったところ、上記着火性能及び低温流動性能とともに、低温時の燃焼性能の向上にも極めて有効であることを見出した。これに対し、上記特許文献1及び2に記載される組成物において、低温時の燃焼性能についての検討は全くされておらず、水素化処理植物油(HVO)を採用することについての検討もされていない。
【0009】
さらに、ディーゼル燃料油組成物に求められる実用性能の重要な性能として、燃費性能も挙げられる。燃費性能の向上には総発熱量が高いことが求められるが、上記特許文献1及び2に記載されるディーゼル燃料油組成物及び軽油組成物には、総発熱量についての記載がなく、いかなる燃費性能を有するものであるかは不明である。
【0010】
ここで総発熱量について、水素化処理植物油(HVO)は総発熱量が大きいとはいえないことから、水素化処理植物油(HVO)を含むディーゼル燃料油組成物は、総発熱量を大きくし、燃費性能を向上させることが課題となりやすい。すなわち、ディーゼル燃料油組成物の基油の一つとして水素化処理植物油を用いる場合、優れた着火性能及び低温流動性能を得ることと、優れた燃費性能を得ることと、には二律背反の関係がある。
(【0011】以降は省略されています)

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