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公開番号
2025169763
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-14
出願番号
2024074841
出願日
2024-05-02
発明の名称
加熱処理装置および高炭化物の製造方法
出願人
個人
,
株式会社JRTEC
,
ベスト・アライアンス有限会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10B
43/14 20060101AFI20251107BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】高炭化物を効率良く得ることができる加熱処理装置および高炭化物の製造方法を提供する。
【解決手段】過熱蒸気または高温燃焼ガスを処理原料に対して噴出する1または複数のキルン10,20,30と、キルン10,20,30で発生した可燃ガスを排出する排気口と、排気口から排出した前燃ガスが流通するガス流通路70と、ガス流通路70を流通した可燃ガスが回収される回収部60と、を有する、加熱処理装置であって、ガス流通路70に可燃ガスを400℃以上の温度まで加熱するタール化防止炉80を設けている。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
過熱蒸気または高温燃焼ガスからなる高温ガスを処理原料に対して噴出する1または複数のキルンと、
前記キルンで発生した可燃ガスを排出する排気口と、
前記排気口から排出した前記可燃ガスが流通するガス流通路と、
前記ガス流通路を流通した前記可燃ガスが回収される回収部と、を有する、加熱処理装置であって、
前記ガス流通路に前記可燃ガスを400℃以上の温度まで加熱するタール化防止炉を設けている、加熱処理装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出することで処理原料を一度に高炭化物に変える1回処理モードと、300~450℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出し処理原料を加熱処理した後に、当該処理原料を1回目の加熱処理よりも高い400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスで再度、加熱処理することで高炭化物を得る2回処理モードと、を切替可能となっており、
前記1回処理モードが選択されている場合は、前記タール化防止炉を稼働させ、前記2回処理モードが選択されている場合は、前記タール化防止炉を停止させる、制御部を有する、請求項1に記載の加熱処理装置。
【請求項3】
前記2回処理モードの1回目の加熱処理の加熱温度よりも高い350~550℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出し処理原料を加熱処理した後に、当該処理原料を前記2回処理モードの2回目の加熱処理の加熱温度よりも高い800~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスで加熱することで活性炭を得る賦活モードをさらに選択可能となっており、
前記制御部は、前記賦活モードが選択されている場合も、前記タール化防止炉を停止させる、請求項2に記載の加熱処理装置。
【請求項4】
200~450℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出することで処理原料を一度に半炭化物に変えるトレファクションモードを選択可能となっており、
前記トレファクションモードにおける加熱処理の加熱温度は、前記1回処理モードおよび前記2回処理モードの加熱処理の加熱温度よりも低く、
前記制御部は、前記トレファクションモードが選択されている場合は、前記タール化防止炉を停止させる、請求項2に記載の加熱処理装置。
【請求項5】
前記高温ガスは過熱蒸気である、請求項1または3のいずれかに記載の加熱処理装置。
【請求項6】
加熱処理炉内に過熱蒸気を充填し、加熱処理炉内を無酸素状態とする、請求項4に記載の加熱処理装置。
【請求項7】
処理原料に対して400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを噴出する炭化工程と、
前記炭化工程において発生した可燃ガスを流通させる際に、前記可燃ガスを400℃以上まで加熱するガス加熱工程と、
前記可燃ガスを用いて前記過熱蒸気または前記高温燃焼ガスを生成する、高温ガス生成工程と、を有する、高炭化物の製造方法。
【請求項8】
処理原料に対して300~450℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを噴出し、前記処理原料を加熱処理する第1炭化工程と、
前記第1炭化工程で加熱処理した前記処理原料を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程で冷却した前記処理原料に対して、前記第1炭化工程よりも高い400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを噴出し高炭化物を得る第2炭化工程と、を有する、高炭化物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱蒸気または高温燃焼ガスにより処理原料の加熱処理し、高炭化物を得ることができる加熱処理装置および高炭化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、発明者らは、高温の過熱蒸気または高温燃焼ガスで処理原料を加熱処理することで、半炭化物または炭化物を得ることができる加熱処理装置を提案している(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6729906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
炭化物は、バイオマスなどの処理原料を低酸素または無酸素状態で加熱して熱分解(炭化)させることで得られる、炭素を主体とした物質である。炭化の度合いが高いほど高いエネルギーが得られるため、処理原料がより高度に(より多い割合で)炭素に分解された高炭化物のニーズが高くなっている。
しかしながら、上述した特許文献1では、加熱温度が低く高炭化物を効率良く得ることができず、仮に、加熱温度を高めた場合には、加熱処理により発生する可燃ガスに、タールの原因となる炭化水素などの成分が多く含まれてしまい、可燃ガスの温度が排気の途中で低下した場合に炭化水素などの成分が液化しタールが発生することで、タールがガス流通路の内壁に付着してしまい燃焼効率を低下させる場合や、タールが装置から漏れ出してしまうなどの問題があり、高炭化物を効率的に得られないという問題があった。
【0005】
本発明は、高炭化物を効率良く得ることができる加熱処理装置および高炭化物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱処理装置は、過熱蒸気または高温燃焼ガスを処理原料に対して噴出する1または複数のキルンと、前記キルンで発生した可燃ガスを排出する排出口と、前記排出口から排出した前記可燃ガスが流通するガス流通路と、前記ガス流通路を流通した前記可燃ガスが回収される回収部と、を有する、加熱処理装置であって、前記流通路に前記可燃ガスを400℃以上の温度まで加熱するタール化防止炉を設けている。
上記加熱処理装置において、400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出することで処理原料を一度に高炭化物に変える1回処理モードと、300~450℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出し処理原料を加熱処理した後に、当該処理原料を1回目の加熱処理よりも高い400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスで加熱することで高炭化物を得る2回処理モードと、を切替可能となっており、前記1回処理モードが選択されている場合は、前記タール化防止炉を稼働させ、前記2回処理モードが選択されている場合は、前記タール化防止炉を停止させる、制御部を有する構成とすることができる。
上記加熱処理装置において、前記2回処理モードの1回目の加熱処理の加熱温度よりも高い350~550℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出し処理原料を加熱処理した後に、当該処理原料を前記2回処理モードの2回目の加熱処理の加熱温度よりも高い800~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスで加熱することで活性炭を得る賦活モードをさらに選択可能となっており、前記制御部は、前記賦活モードが選択されている場合も、前記タール化防止炉を停止させる構成とすることができる。
上記加熱処理装置において、200~450℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを前記キルン内に噴出することで処理原料を一度に半炭化物に変えるトレファクションモードを選択可能となっており、前記トレファクションモードにおける加熱処理の加熱温度は、前記1回処理モードおよび前記2回処理モードの加熱処理の加熱温度よりも低く、前記制御部は、前記トレファクションモードが選択されている場合は、前記タール化防止炉を停止させる構成とすることができる。
上記加熱処理装置において、前記高温ガスは過熱蒸気である構成とすることができる。
上記加熱処理装置において、加熱処理炉内に過熱蒸気を充填し、加熱処理炉内を無酸素状態とするように構成することができる。
本発明の第1の観点に係る高炭化物の製造方法は、処理原料に対して400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを噴出する炭化工程と、前記炭化工程において発生した可燃ガスを流通させる際に、前記可燃ガスを400℃以上まで加熱するガス加熱工程と、前記可燃ガスを用いて前記過熱蒸気または前記高温燃焼ガスを生成する、高温ガス生成工程と、を有する。
本発明の第2の観点に係る高炭化物の製造方法は、処理原料に対して300~450℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを噴出し、前記処理原料を加熱処理する第1炭化工程と、前記第1炭化工程で加熱処理した前記処理原料を冷却する冷却工程と、前記冷却工程で冷却した前記処理原料に対して、前記第1炭化工程よりも高い400~900℃の過熱蒸気または高温燃焼ガスを噴出し高炭化物を得る第2炭化工程と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、高炭化物を効率良く得ることができる加熱処理装置および高炭化物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態に係る加熱処理装置の平面断面図である。
本実施形態に係る加熱処理装置の側面断面図である。
本実施形態に係る加熱処理装置の正面図である。
本実施形態に係る加熱処理装置の全体を示す構成図である。
本実施形態に係る加熱処理モードを説明するための図である。
本実施形態に係るトレファクションモードでの加熱処理動作を説明するための図である。
本実施形態に係る1回処理モードでの加熱処理動作を説明するための図である。
本実施形態に係る2回処理モードの1回目の加熱処理動作を説明するための図である。
本実施形態に係る2回処理モードの2回目の加熱処理動作を説明するための図である。
本実施形態に係る賦活モードの1回目の加熱処理動作を説明するための図である。
本実施形態に係る賦活モードの2回目の加熱処理動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面に基づいて、本発明に係る加熱処理装置を説明する。なお、本発明に係る加熱処理装置に適用できる被加熱処理物(以下、処理原料という。)は、木材加工工場や廃棄物中間処理場などから発生する木質材や生物由来の有機性資源などに加えて、草木、藻類、生ごみ、鶏糞、畜糞、都市汚泥、し尿汚泥、建設廃材、食品廃棄物、炭素を含む廃プラスチックなどを処理原料として用いることもできる。また、本発明に係る加熱処理装置は、生産工場などで用いる各種の有機物または無機物からなる原料や製品の乾燥、半炭化または炭化を含む加熱処理にも適用できる。さらに、本発明に係る加熱処理装置は、処理原料の加熱処理を連続で行うこともでき、またバッチ処理で行うこともできる。
【0010】
なお、本実施形態に係る加熱処理装置では、複数の加熱処理モードが選択可能となっており、加熱処理モードに応じて処理原料を加熱し炭化させることで、半炭化物、炭化物、高炭化物および活性炭を得ることができる。本実施形態では、半炭化物を固定炭素が30%未満のものとし、炭化物を固定炭素が30%以上かつ60%未満のものとし、高炭化物を固定炭素が60%以上かつ80%未満、活性炭を固定炭素が80%以上のものとして説明する。一般に、半炭化物は、処理原料を200~350℃の比較的低い温度で加熱処理することで得ることができ、炭化物は、処理原料を350~550℃で加熱処理することで得ることができ、高炭化物は処理原料を400~900℃の比較的高い温度で加熱処理することで得ることがで、活性炭は、処理原料を800~900℃の比較的高い温度で賦活させることで得ることができる。加熱温度が高いほどセルロースやリグニンなどの成分も熱分解され炭素に変化するため、炭化物では、半炭化物と比べて、固定炭素の割合が高くなり、高炭化物では、炭化物および半炭化物に比べて、固定炭素の割合がより高くなり、活性炭では、半炭化物、炭化物および高炭化物に比べて、固定炭素の割合がより高くなる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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