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公開番号2025171448
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024076808
出願日2024-05-09
発明の名称原油サンプルの特性情報をコンピュータにより予測する方法
出願人一般財団法人カーボンニュートラル燃料技術センター,学校法人明治大学
代理人個人,個人,個人
主分類C10G 7/12 20060101AFI20251113BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】原油アッセイに使用可能な原油サンプルの特性情報をコンピュータにより高精度で迅速に予測する新たな技術的手段を提供すること。
【解決手段】対象となる原油サンプルの特性情報をコンピュータにより予測する方法であって、
ステップ(1):対象となる原油サンプルの特性情報の予測モデルを記憶したコンピュータを準備するステップであって、
上記予測モデルが、複数の原油サンプルのフーリエ変換赤外分光法による測定データを含む教師データを用い、上記複数の原油サンプルの特性情報毎に選択される回帰分析方法に基づき予め作成されたものである、ステップ、および
ステップ(2):上記コンピュータを用いて、上記対象となる原油サンプルにおける特性情報を予測するステップ
を含む、方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
対象となる原油サンプルの特性情報をコンピュータにより予測する方法であって、
ステップ(1):原油サンプルの特性情報の予測モデルを記憶したコンピュータを準備するステップであって、
前記予測モデルが、複数の原油サンプルのフーリエ変換赤外分光法による測定データを含む教師データを用い、前記複数の原油サンプルの特性情報毎に選択される回帰分析方法に基づき作成されたものである、ステップ、および
ステップ(2):前記コンピュータを用いて、前記対象となる原油サンプルの特性情報を予測するステップ
を含む、方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記原油サンプルが、原油、原油の留分またはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特性情報が、留分得率、密度、硫黄分量、アスファルテン量、窒素分量、流動点、および全酸価からなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の原油サンプルのフーリエ変換赤外分光法による測定データが、透過法または全反射法により得られる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記教師データが、前記複数の原油サンプルの性状または由来に関連するデータを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の原油サンプルの性状または由来に関連するデータが、原油の採取時期を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の原油サンプルの性状または由来に関連するデータが、原油の種類、採取時期、採取場所、密度、硫黄分量、動粘度、残留炭素量、および蒸留終点からなる群から選択される少なくとも一つのデータを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記回帰分析方法が、部分的最小二乗回帰(Partial LeastSquaresRegression:PLS)、ランダムフォレスト(RandomForests:RF)、リッジ回帰(RidgeRegresion:RR)、非線形サポートベクター回帰(Non-Linear Support Vector Regression:NLSVR)、ラッソ回帰(LeastAbsolute Shrinkage and Selection Operator:LASSO)、ガウス過程回帰(Gaussuian Process Regression:GPR)、勾配ブースティング決定木(Gradient Boosting Decision Tree:GBDT)、XGB(XGBoost)回帰、および決定木(Decision Tree:DT)からなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載の方法により得られる前記対象となる原油サンプルの特性情報に基づいて運転条件を設定する、石油に関する装置の運転方法。
【請求項10】
前記石油に関する装置が、常圧蒸留装置または減圧蒸留装置である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原油サンプルの特性情報をコンピュータにより予測する方法に関し、より詳細には、石油に関する装置の運転条件を適切に設定する上で使用可能な、原油サンプルの特性情報をコンピュータにより予測する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
原油は、水生生物や陸上生物等が地層の中で長い年月をかけ、熱分解・熟成により生成した説が有力であり、数十万に及ぶ化合物からなっている。その主成分は炭化水素であるが、炭化水素以外にも硫黄・窒素・酸素等を含むヘテロ化合物やバナジウムやニッケル等の微量金属成分が含まれており、原油は非常に多様な組成・構造の化合物からなる混合物である。また、世界各国で産出される原油のAPI(APIボーメ度:American Petroleum Institute’s Baumedegree)と硫黄分/金属分(バナジウム)の関係は一様ではなく、産地により原油の組成が異なっていることが通常である。
【0003】
日本をはじめとする原油輸入国では、世界各国から様々な原油を輸入し製油所で処理しているが、原油は産地の違いにより含まれている成分が異なっていることから、原油の購入および製油所における処理計画を作成する際には、常圧蒸留装置や減圧蒸留装置(以下、「常圧蒸留装置等」ともいう)における製品得率や製品品質の事前評価だけでなく、重質留分の二次装置での反応性や触媒活性への影響の考察に資する情報、原油アッセイが不可欠である。
【0004】
原油アッセイとは、石油試験所が行う原油の化学的評価データをいう。原油アッセイは、原油を製油所で受け入れる度に作成・更新することが望ましいが、現状の技術では、多大な労力と時間を要している。原油アッセイの取得の際の一般的な流れとしては、バッチ式蒸留装置および減圧蒸留装置により、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、ナフサ、灯油、軽油、常圧残渣油、減圧軽油、減圧残渣油の各留分に分離する。そして、評価データとして原油の一般分析値、各留分の収率、各留分の一般性状をそれぞれ測定し、得られた評価データを原油アッセイの構成データとし入力し、原油アッセイを作成するという順序で進められる。評価全体に必要とされる原油量は数十リットル程度、最終製品まで含めた評価期間は数ヶ月とされる。このように、原油アッセイの作成には、終了するまでに長期間を要することから、常圧蒸留装置等の最適化制御のために行うシミュレーションでは、入力データとして過去の原油アッセイデータが使用されるのが実情である(非特許文献1等)。
【0005】
また、製油所における各装置の蒸留工程では大量のエネルギーが必要である。常圧蒸留装置等は製油所装置群の中でCO

排出量の多い装置1つとなっている。したがって、常圧蒸留装置等の操業最適化を現在より高精度で実現することができれば、製油所のCO

排出量削減に対しても大きな貢献が見込まれる。高精度の原油アッセイデータを迅速に取得することは、原油の繊細な特性を事前理解し、各装置の運転条件を最適化し、得率や品質、そして環境に関わる問題を未然に防ぐ上で必要であるといえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
JXTG Technical Review 第59巻 第2号(2017年7月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、原油アッセイに使用可能な原油サンプルの特性情報をコンピュータにより高精度で迅速に予測する新たな技術的手段を提供することを一つの目的としている。
【0008】
本発明者らは、今般、鋭意検討した結果、フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy:以下、「FT-IR」ともいう)により測定された原油サンプルの測定データを含む教師データを用いた特定の手法により作成した予測モデルを使用したところ、対象となる原油サンプルの特性情報をコンピュータにより高精度で迅速に予測しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、対象となる原油サンプルの特性情報をコンピュータにより予測する方法であって、
ステップ(1):原油サンプルの特性情報の予測モデルを記憶したコンピュータを準備するステップであって、
上記予測モデルが、複数の原油サンプルのフーリエ変換赤外分光法による測定データを含む教師データを用い、上記複数の原油サンプルの特性情報毎に選択される回帰分析方法に基づき作成されたものである、ステップ、および
ステップ(2):上記コンピュータを用いて、上記対象となる原油サンプルの特性情報を予測するステップ
を含む方法が提供される。
【0010】
また、本発明の別の実施態様によれば、上記方法により得られる原油サンプルの特性情報に基づいて運転条件を設定する、石油に関する装置の運転方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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