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公開番号
2025025759
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023130863
出願日
2023-08-10
発明の名称
転がり軸受用グリース組成物
出願人
協同油脂株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10M
169/00 20060101AFI20250214BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】高温耐久性、耐フレッチング性、及び防錆性に優れた転がり軸受用グリース組成物の提供。
【解決手段】式(2)のジウレア増ちょう剤、
R5-NHCONH-R6-NHCONH-R7 ・・・(2)
(式中、R6は炭素数6~15の2価の芳香族炭化水素基を示し、R5及びR7は同一又は異なっていてもよく、シクロヘキシル基、又は炭素数8~22の直鎖若しくは分岐アルキル基を示す。)
40℃における動粘度が60mm
2
/s以上であるエステル系合成基油、
組成物の全質量を基準として0.2~2.5質量%のアミンホスフェート、及び
アミンホスフェート1質量部に対し0.5~4質量部のカルボン酸系防錆剤、を含有するが、カルボン酸塩系防錆剤及び脂肪酸のアミン塩のいずれも含まない、転がり軸受用グリース組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
増ちょう剤、基油及び添加剤を含む転がり軸受用グリース組成物であって、
前記増ちょう剤が、式(2)で表されるジウレア化合物であり、
R5-NHCONH-R6-NHCONH-R7 ・・・(2)
(式中、R6は炭素数6~15の2価の芳香族炭化水素基を示し、R5及びR7は同一又は異なっていてもよく、シクロヘキシル基、又は炭素数8~22の直鎖若しくは分岐アルキル基を示す。)
前記基油が、40℃における動粘度が60mm
2
/s以上であるエステル系合成油であり、
前記添加剤が、アミンホスフェート、カルボン酸系防錆剤及び酸化防止剤を含み、
前記アミンホスフェートの含有量が、組成物の全質量を基準として0.2~2.5質量%であり、
前記カルボン酸系防錆剤の含有量が、前記アミンホスフェート1質量部に対し0.5~4質量部であり、その他の防錆剤の含有量が前記アミンホスフェート1質量部に対し3.5質量部以下であり、
但し、カルボン酸塩系防錆剤及び脂肪酸のアミン塩のいずれも含まない、前記転がり軸受用グリース組成物。
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【請求項2】
前記基油が、アルコール(A)とカルボン酸(B)との縮合エステルを含有し、40℃での動粘度が80~110mm
2
/sであり、前記アルコール(A)が、式(1):
TIFF
2025025759000006.tif
52
127
(式(1)中、R1からR4は、独立して、水素原子、メチル基、又は水酸基を表し、かつR1からR4のうち、少なくとも2つは、水酸基を表す。)で表される多価アルコールを含有し、
前記カルボン酸(B)が、炭素数5以上9以下の脂肪酸(B-1)、炭素数15以上20以下の分岐脂肪酸(B-2)、炭素数4以上8以下のシクロアルカンモノカルボン酸(B-3)、及び芳香族カルボン酸(B-4)を含有し、
前記カルボン酸(B)中、前記脂肪酸(B-1)の割合が30~50モル%であり、前記分岐脂肪酸(B-2)の割合が30~50モル%であり、前記シクロアルカンモノカルボン酸(B-3)の割合が10~30モル%であり、及び前記芳香族カルボン酸(B-4)の割合が1~15モル%である、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項3】
前記アミンホスフェートが、ターシャリーアルキルアミン-ジメチルホスフェート又はフェニルアミンフォスフェートである、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項4】
前記増ちょう剤が、式(2)中、シクロヘキシル基と炭素数8~22の直鎖又は分岐アルキル基の総モル数に対する、シクロヘキシル基のモル数の割合が、70~90モル%である脂環式脂肪族ジウレア化合物である、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項5】
前記酸化防止剤として、組成物の全質量を基準として、アミン系酸化防止剤を0.5~5質量%、及びフェノール系酸化防止剤を0.5~5質量%含む、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項6】
さらに、耐はく離添加剤を含む、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項7】
前記耐はく離添加剤として、組成物の全質量を基準として、有機スルホン酸金属塩を0.2~5質量%、及びジアルキルジチオリン酸金属塩を組成物の全質量を基準として0.2~5質量%含む、請求項6に記載の転がり軸受用グリース組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受用グリース組成物に関する。特に、潤滑箇所が発熱体であるエンジンに直結あるいは近傍に位置している自動車電装部品や、クリーナモータなど高速・高温回転で使用される家庭電化製品や、連続鋳造設備等の、高温で潤滑される転がり軸受に封入するのに適するグリース組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
各種産業機械で使用される転がり軸受は、寒冷地から自動車のエンジンルーム内のような高温雰囲気まで様々な環境で運転される為、転がり軸受には、広温度範囲でかつ長期間メンテナンスフリーで使用可能であることが求められ、耐久性に関する要求は高まる一方である。
耐熱性に優れる基油としてエステル油が知られている。特定のアルコールとカルボン酸の縮合エステルを有するグリース基油及び該グリース基油を含有するグリース組成物が耐熱性に優れることが開示されている(特許文献1)。
【0003】
(耐フレッチング性に関する従来技術)
また、自動車や電機製品、各種機械部品や製品は鉄道やトラックで運搬される場合が多い。この運搬時、レールの継ぎ目や悪路が起因した振動で、グリースが封入された軸受にフレッチングが発生する。
フレッチングは、微小振幅下で発生する表面損傷であり、大気中では酸化摩耗粉を生成し、そのアブレッシブ作用により激しい摩耗を生じることが多いといわれている(非特許文献1)。
フレッチングの防止対策としては、(1)相対滑り量の低減、(2)両面の分離、直接接触の防止、(3)リン酸塩被膜などの接触面の被覆又は潤滑油・グリースの供給による表面間の凝着の防止、等が提案されている(非特許文献1)。
また、より厳しい条件(-30℃以下、振幅:ごく微小)でのフレッチング摩耗抑制に優れたグリース組成物として、増ちょう剤が脂環式脂肪族ジウレアであって、アミンホスフェートを含有するグリース組成物が開示されている(特許文献2)。
【0004】
(防錆性に関する従来技術)
一方で、例えば、自動車電装補機に使用する転がり軸受は、エンジンルームの下部に取り付けられていることが多いため、自動車の走行中に雨水がかかりやすい。また、鉄鋼圧延機用転がり軸受では、大量の水を浴びる環境で使用される。このため、転がり軸受用グリースには防錆性も求められる。
防錆性に優れるグリース組成物として、カルボン酸系防錆剤、カルボン酸塩系防錆剤、及びアミン系防錆剤を含むグリース組成物が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7216563号公報
特許第6040750号公報
特許第5714922号公報
【非特許文献】
【0006】
山本雄二ら:トライボロジー、理工学社、1998年2月28日発行、201~203頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では耐熱性に優れるグリース組成物として、特定のアルコールとカルボン酸の縮合エステルを有するグリース基油及び該グリース基油を含有するグリース組成物が開示されているが、一般にエステル油は耐フレッチング性に劣ると言われている。
一方、特許文献2では耐フレッチング性に優れるグリース組成物として、アミンホスフェートを含有するグリース組成物が開示されているが、アミンホスフェートはその高い金属表面への反応性のため、防錆性を悪化させる場合がある。
また、特許文献3では防錆性に優れるグリース組成物として、カルボン酸系防錆剤、カルボン酸塩系防錆剤、及びアミン系防錆剤を含むグリース組成物が知られているが、これら防錆剤が過剰量存在すると、アミンホスフェートの働きを阻害し、耐フレッチング性を悪化させる場合がある。
上記従来技術では、高温耐久性、耐フレッチング性、防錆性について、個々の性能には優れているものの、これら全ての性能を十分に満足できるものではなく、とりわけ耐フレッチング性と防錆性の両立に課題がある。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、高温耐久性、耐フレッチング性、及び防錆性すべてに優れた転がり軸受用グリース組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
我々は、上記課題に対し、基油、増ちょう剤、及び添加剤を選定することで、これを改善した。すなわち、本発明により、以下の転がり軸受用グリース組成物を提供する:
1.増ちょう剤、基油及び添加剤を含む転がり軸受用グリース組成物であって、
前記増ちょう剤が、式(2)で表されるジウレア化合物であり、
R5-NHCONH-R6-NHCONH-R7 ・・・(2)
(式中、R6は炭素数6~15の2価の芳香族炭化水素基を示し、R5及びR7は同一又は異なっていてもよく、シクロヘキシル基、又は炭素数8~22の直鎖若しくは分岐アルキル基を示す。)
前記基油が、40℃における動粘度が60mm
2
/s以上であるエステル系合成油であり、
前記添加剤が、アミンホスフェート、カルボン酸系防錆剤及び酸化防止剤を含み、
前記アミンホスフェートの含有量が、組成物の全質量を基準として0.2~2.5質量%であり、
前記カルボン酸系防錆剤の含有量が、前記アミンホスフェート1質量部に対し0.5~4質量部であり、その他の防錆剤の含有量が前記アミンホスフェート1質量部に対し3.5質量部以下であり、
但し、カルボン酸塩系防錆剤及び脂肪酸のアミン塩のいずれも含まない、前記転がり軸受用グリース組成物。
2.前記基油が、アルコール(A)とカルボン酸(B)との縮合エステルを含有し、40℃での動粘度が80~110mm
2
/sであり、前記アルコール(A)が、式(1):
【0009】
TIFF
2025025759000001.tif
52
127
【0010】
(式(1)中、R1からR4は、独立して、水素原子、メチル基、又は水酸基を表し、かつR1からR4のうち、少なくとも2つは、水酸基を表す。)で表される多価アルコールを含有し、
前記カルボン酸(B)が、炭素数5以上9以下の脂肪酸(B-1)、炭素数15以上20以下の分岐脂肪酸(B-2)、炭素数4以上8以下のシクロアルカンモノカルボン酸(B-3)、及び芳香族カルボン酸(B-4)を含有し、
前記カルボン酸(B)中、前記脂肪酸(B-1)の割合が30~50モル%であり、前記分岐脂肪酸(B-2)の割合が30~50モル%であり、前記シクロアルカンモノカルボン酸(B-3)の割合が10~30モル%であり、及び前記芳香族カルボン酸(B-4)の割合が1~15モル%である、前記1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
3.前記アミンホスフェートが、ターシャリーアルキルアミン-ジメチルホスフェート又はフェニルアミンフォスフェートである、前記1又は2に記載の転がり軸受用グリース組成物。
4.前記増ちょう剤が、式(2)中、シクロヘキシル基と炭素数8~22の直鎖又は分岐アルキル基の総モル数に対する、シクロヘキシル基のモル数の割合が、70~90モル%である脂環式脂肪族ジウレア化合物である、前記1~3のいずれかに記載の転がり軸受用グリース組成物。
5.前記酸化防止剤として、組成物の全質量を基準として、アミン系酸化防止剤を0.5~5質量%、及びフェノール系酸化防止剤を0.5~5質量%含む、前記1~4のいずれかに記載の転がり軸受用グリース組成物。
6.さらに、耐はく離添加剤を含む、前記1~5のいずれかに記載の転がり軸受用グリース組成物。
7.前記耐はく離添加剤として、組成物の全質量を基準として、有機スルホン酸金属塩を0.2~5質量%、及びジアルキルジチオリン酸金属塩を組成物の全質量を基準として0.2~5質量%含む、前記6に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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