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公開番号
2025016877
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023119647
出願日
2023-07-24
発明の名称
水処理設備
出願人
株式会社クボタ
代理人
弁理士法人芳野国際特許事務所
主分類
C02F
3/34 20230101AFI20250129BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】生物学的脱窒素法における亜酸化窒素(N
2
O)の発生量を低減できる水処理設備を提供すること。
【解決手段】水処理設備2は、アンモニア酸化細菌および完全硝化細菌が存在し好気性環境において有機性排水に含まれるアンモニアを酸化して硝酸を生成する硝化槽4と、脱窒素菌が存在し嫌気性雰囲気において硝酸を還元して窒素ガスを生成する脱窒槽3と、を備える。硝化槽4における有機性排水の水素イオン濃度指数は、弱酸性域に調整される。完全硝化細菌の存在量は、アンモニア酸化細菌の存在量と比較して同等以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
生物学的脱窒素法を用いて窒素含有の有機性排水を処理する水処理設備であって、
アンモニア酸化細菌および完全硝化細菌が存在し好気性環境において前記有機性排水に含まれるアンモニアを酸化して硝酸を生成する硝化槽と、
脱窒素菌が存在し嫌気性環境において前記硝酸を還元して窒素ガスを生成する脱窒槽と、
を備え、
前記硝化槽における前記有機性排水の水素イオン濃度指数は、弱酸性域に調整され、
前記完全硝化細菌の存在量は、前記アンモニア酸化細菌の存在量と比較して同等以上であることを特徴とする水処理設備。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記水素イオン濃度指数は、5.0以上、6.0以下に調整されたことを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
【請求項3】
前記水素イオン濃度指数は、5.0以上、5.5以下に調整されたことを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
【請求項4】
前記水素イオン濃度指数を測定するpH計と、
前記硝化槽に接続され酸性の液体を貯留する酸貯留タンクと、
前記酸貯留タンクに貯留された前記酸性の液体を前記硝化槽に送る酸注入ポンプと、
前記硝化槽に接続されアルカリ性の液体を貯留するアルカリ貯留タンクと、
前記アルカリ貯留タンクに貯留された前記アルカリ性の液体を前記硝化槽に送るアルカリ注入ポンプと、
前記pH計の測定結果に基づいて、前記酸注入ポンプおよび前記アルカリ注入ポンプの少なくともいずれかを制御して前記酸性の液体および前記アルカリ性の液体の少なくともいずれかを前記硝化槽に注入し、前記水素イオン濃度指数を前記弱酸性域に調整する制御を実行する制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
【請求項5】
前記測定結果として前記水素イオン濃度指数が6.0よりも高い場合、前記制御部は、前記酸注入ポンプを制御して前記酸性の液体を前記硝化槽に注入し、前記水素イオン濃度指数を5.0以上、6.0以下に調整する制御を実行することを特徴とする請求項4に記載の水処理設備。
【請求項6】
前記測定結果として前記水素イオン濃度指数が5.5よりも高い場合、前記制御部は、前記酸注入ポンプを制御して前記酸性の液体を前記硝化槽に注入し、前記水素イオン濃度指数を5.0以上、5.5以下に調整する制御を実行することを特徴とする請求項4に記載の水処理設備。
【請求項7】
前記測定結果として前記水素イオン濃度指数が5.0未満である場合、前記制御部は、前記アルカリ注入ポンプを制御して前記アルカリ性の液体を前記硝化槽に注入し、前記水素イオン濃度指数を5.0以上、6.0以下に調整する制御を実行することを特徴とする請求項4に記載の水処理設備。
【請求項8】
前記測定結果として前記水素イオン濃度指数が5.0未満である場合、前記制御部は、前記アルカリ注入ポンプを制御して前記アルカリ性の液体を前記硝化槽に注入し、前記水素イオン濃度指数を5.0以上、5.5以下に調整する制御を実行することを特徴とする請求項4に記載の水処理設備。
【請求項9】
前記硝化槽に空気を供給する散気装置と、
前記硝化槽に設置され前記散気装置から供給された前記空気により前記硝化槽に気泡を供給する散気管と、
前記硝化槽における前記有機性排水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計と、
前記溶存酸素計の測定結果に基づいて、前記散気装置を制御し前記散気管を介して前記硝化槽に前記気泡を供給し、前記溶存酸素濃度を2mg/L以上、3mg/L以下に調整する制御を実行する制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
【請求項10】
前記完全硝化細菌は、コマモックス菌であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の水処理設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的脱窒素法を用いて窒素含有の有機性排水を処理する水処理設備に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
活性汚泥法の変法の一つとして、生物学的脱窒素法が知られている。生物学的脱窒素法は、硝化工程と脱窒工程とを有し、窒素含有の有機性排水から有機物成分だけではなく窒素成分を除去する。
【0003】
生物学的脱窒素法では、亜酸化窒素(N
2
O)が発生することが知られている。亜酸化窒素の温暖化係数は、二酸化炭素(CO
2
)の温暖化係数の数百倍である。すなわち、亜酸化窒素は、二酸化炭素の数百倍の温室効果を有する温室効果ガスである。そのため、生物学的脱窒素法において、大気中に排出される亜酸化窒素の量を低減することが望まれている。本発明者の得た知見によれば、亜酸化窒素は、亜硝酸態窒素(NO
2
-N)を経由して発生する。すなわち、本発明者の得た知見によれば、亜硝酸態窒素は、亜酸化窒素の前駆体である。
【0004】
特許文献1には、硝化槽の酸化還元電位を50~200mV(銀/塩化銀基準)に維持制御し、曝気量の増減により行い、硝化槽中の亜硝酸性窒素濃度が0~2mg/Lとなるまで曝気を行う亜酸化窒素排出抑制方法が開示されている。特許文献2には、前段の好気槽に設置された第二溶存酸素濃度計で計測される溶存酸素濃度が、後段の好気槽に設置された第一溶存酸素濃度計で計測される溶存酸素濃度よりも大きくなるように、散気部への散気風量を制御する水処理設備が開示されている。特許文献1および特許文献2に記載された技術によれば、生物学的脱窒素法における亜酸化窒素の発生量を低減できる。
【0005】
しかし、特許文献1および特許文献2に記載された技術は、原水等に含まれるアンモニアから亜硝酸を生成し、亜硝酸から硝酸を生成する。すなわち、特許文献1および特許文献2に記載された技術は、アンモニアから亜硝酸を経由して硝酸を生成するという二段階硝化の生物学的脱窒素法である。そのため、生物学的脱窒素法における亜酸化窒素の発生量を低減するという点においては、さらなる改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-94665号公報
特開2010-269254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、生物学的脱窒素法における亜酸化窒素(N
2
O)の発生量を低減できる水処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、生物学的脱窒素法を用いて窒素含有の有機性排水を処理する水処理設備であって、アンモニア酸化細菌および完全硝化細菌が存在し好気性環境において前記有機性排水に含まれるアンモニアを酸化して硝酸を生成する硝化槽と、脱窒素菌が存在し嫌気性雰囲気において前記硝酸を還元して窒素ガスを生成する脱窒槽と、を備え、前記硝化槽における前記有機性排水の水素イオン濃度指数は、弱酸性域に調整され、前記完全硝化細菌の存在量は、前記アンモニア酸化細菌の存在量と比較して同等以上であることを特徴とする水処理設備である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生物学的脱窒素法における亜酸化窒素(N
2
O)の発生量を低減できる水処理設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る水処理設備を表すブロック図である。
本実施形態の変形例に係る水処理設備を表すブロック図である。
本検討に使用された連続運転装置を表すブロック図である。
リアルタイムPCRの解析条件を例示する表である。
本検討に使用された無機合成廃水の組成を表す表である。
本検討における連続運転装置の運転条件を表す表である。
水質の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
担体に担持された菌叢のリアルタイムPCRの結果の例を示すグラフである。
本検討の実施スケジュールおよび本検討に用いた試料を表す表である。
図9に表した「RUN1」の水質の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN2」の水質の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN1」および「RUN2」の亜硝酸生成量の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN1」および「RUN2」の亜硝酸変換率の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN1」における機能微生物の定量解析の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN2」における機能微生物の定量解析の経時変化を確認した結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN1」における次世代シーケンシングによる菌叢解析の結果の例を示すグラフである。
図9に表した「RUN2」における次世代シーケンシングによる菌叢解析の結果の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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