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公開番号2024144430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024107860,2020088950
出願日2024-07-04,2020-05-21
発明の名称熱安定性グルコセレブロシダーゼ
出願人学校法人帝京大学
代理人個人,個人
主分類C12N 9/24 20060101AFI20241003BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】グルコセレブロシダーゼ活性を有し、さらに熱安定性を有するタンパク質を提供する。
【解決手段】植物由来であり、グリコシドハイドロラーゼファミリー1(GH1)に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性を有するタンパク質により、前記課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
植物由来であり、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性を有する、タンパク質。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記植物が種子植物である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項3】
前記種子植物が、アブラナ科植物、イネ科植物、ウリ科植物、キク科植物、ナス科植物、バラ科植物、ヒガンバナ科植物、マメ科植物、またはユリ科植物のいずれかである、請求項2に記載のタンパク質。
【請求項4】
以下の(A)、(B)、または(C)に示されるタンパク質。
(A)配列表の配列番号1、配列番号1のうちアミノ酸番号38~521、配列番号2、または配列番号2のうちアミノ酸番号19~503に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質。
(B)配列表の配列番号1、配列番号1のうちアミノ酸番号38~521、配列番号2、または配列番号2のうちアミノ酸番号19~503に示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、または付加がされたアミノ酸配列からなり、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性および熱安定性を有するタンパク質。
(C)配列表の配列番号1、配列番号1のうちアミノ酸番号38~521、配列番号2、または配列番号2のうちアミノ酸番号19~503に示されるアミノ酸配列に対して60%以上の相同性を有し、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性および熱安定性を有するタンパク質。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のタンパク質をコードするDNA。
【請求項6】
以下の(a)、(b)、または(c)に示されるDNA。
(a)配列表の配列番号3、配列番号3のうち塩基番号112~1566、配列番号4、または配列番号4のうち塩基番号55~1512に示される塩基配列からなる、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(b)配列表の配列番号3、配列番号3のうち塩基番号112~1566、配列番号4、または配列番号4のうち塩基番号55~1512に示される塩基配列において、1もしくは数個の塩基の置換、欠失、挿入、または付加がされた塩基配列からなり、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性および熱安定性を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列表の配列番号3、配列番号3のうち塩基番号112~1566、配列番号4、または配列番号4のうち塩基番号55~1512に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションすることができ、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性および熱安定性を有するタンパク質をコードするDNA。
【請求項7】
請求項5または6に記載のDNAを含む、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性および熱安定性を有するタンパク質発現用の発現ベクター。
【請求項8】
請求項7に記載の発現ベクターが導入された、形質転換体。
【請求項9】
前記形質転換体が、植物体、植物細胞、動物細胞、大腸菌、酵母、または糸状菌のいずれかである、請求項8に記載の形質転換体。
【請求項10】
請求項8または9に記載の形質転換体を育種または培養する工程、および、この工程によって得られる前記形質転換体または前記形質転換体含有物から請求項1~4のいずれか1項に記載のタンパク質を回収する工程を含む、タンパク質の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコセレブロシダーゼ活性および熱安定性を有するタンパク質(以下においては、これを「熱安定性グルコセレブロシダーゼ」という場合もある)、このタンパク質を含む酵素組成物、医薬組成物または食品組成物、このタンパク質を用いたセラミドの製造方法等に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
糖脂質の一種であるグルコシルセラミドを加水分解してセラミドに変換する酵素として、グルコセレブロシダーゼが知られている。このグルコセレブロシダーゼは、主に動物での存在が認められており、動物の体内においてグルコシルセラミドからセラミドを生成させるという重要な役割を果たしているが、植物ではその存在がほとんど知られていない。
【0003】
そして、ヒトにおいては、先天的にグルコセレブロシダーゼ遺伝子が欠損しており、体内のグルコシルセラミドをセラミドに変換できない先天性代謝異常症(ゴーシェ病)が知られている。このゴーシェ病では、グルコシルセラミドが体内に異常蓄積し、肝臓や脾臓の肥大、貧血や血小板の減少、骨の異常などの様々な症状が現れる(非特許文献1、2)。
【0004】
ゴーシェ病患者は、世界に約5千人以上いると言われており、その治療方法としては、主として、不足しているグルコセレブロシダーゼを点滴薬として体内に補充し、蓄積されたグルコシルセラミドをセラミドに変換させる治療が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Annual Review of Genomics and Human Genetics 4,403-436 (2003)
British Journal of Haematology 129,178-188 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、現在、ゴーシェ病の点滴薬として用いられている酵素剤には、遺伝子組み換え技術を用いてチャイニーズハムスターの卵巣細胞において生産させたヒト由来のグルコセレブロシダーゼであるイミグルセラーゼが主に使用されている。しかしながら、このイミグルセラーゼは薬価が高額の上、熱安定性が低いために2週間に1回の補充が必要とされ、患者にとって大きな経済的負担となっているという課題がある。
【0007】
なお、動物由来のグルコセレブロシダーゼは動物の体温付近で作用する酵素であるため、いずれも上記したイミグルセラーゼと同様に熱安定性が低い。そこで、もし熱安定性を有し、補充回数が少なくて済むようなグルコセレブロシダーゼがあれば、その医療上の価値は計り知れないが、まだそのようなグルコセレブロシダーゼの報告はない。
【0008】
一方、ヒトの肌の角質などに存在するセラミドは、肌の潤いを保つために必要な成分であり、化粧品などに配合されているが、この化粧品等の有効成分としてのセラミドは、通常、化学合成により製造されている。ここで、動物や植物中の含有率が高く、比較的安価なグルコシルセラミドをグルコセレブロシダーゼにより分解してセラミドを製造し、このセラミドを化粧品や試薬などに用いることが考えられるが、上記のイミグルセラーゼは非常に高価であり、熱安定性も低いため、実用化には至っていない。なお、動物や植物中のセラミド含有率はグルコシルセラミドと異なり非常に低いため、このセラミドを直接抽出して精製する場合には莫大なコストがかかってしまう。
【0009】
そこで本発明は、グルコセレブロシダーゼ活性を有し、さらに熱安定性を有するタンパク質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、植物由来であり、グリコシドハイドロラーゼファミリー1に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性を有するタンパク質を見出した。さらにこのタンパク質は熱安定性を有することを見出し、本発明を完成させた。なお、現在までに、植物からGH1に属するグルコセレブロシダーゼが見出されたという報告はない。
(【0011】以降は省略されています)

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