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公開番号2024096957
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-17
出願番号2024067410,2020123652
出願日2024-04-18,2020-07-20
発明の名称抗カンジダ活性を有する組成物
出願人学校法人帝京大学,株式会社ニップン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 45/00 20060101AFI20240709BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、カンジダ症を含む皮膚、粘膜のカンジダ症に対し効果があり、副作用や耐性菌のリスクを心配せず長期間の使用が可能であり、また安定、無味・無臭で製品に配合しやすく、患者や一般消費者が入手しやすく使用しやすい新たな抗カンジダ活性組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】トリテルペン類又はブドウ抽出物を有効成分とすることにより上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
トリテルペン類を有効成分として含む、抗カンジダ活性組成物。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
トリテルペン類が、オレアノール酸、マスリン酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の抗カンジダ活性組成物。
【請求項3】
ブドウ抽出物を有効成分として含む、抗カンジダ活性組成物。
【請求項4】
更にモノテルペンアルコールを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の抗カンジダ活性組成物
【請求項5】
モノテルペンアルコールが、ヒノキチオール、ゲラニオール及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の抗カンジダ活性組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はトリテルペン類を含む、抗カンジダ活性を有する組成物に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚や粘膜のカンジダ症、とくに高齢者の口腔カンジダ症は、いずれも患者数が多く、かつ再発しやすい感染症である。カンジダは常在性真菌であり、また抗真菌剤による治療は、副作用や耐性菌出現のリスクがあって長期間の使用は限定されるため、再発を抑えることは困難である。
そこで、これまでに、抗カンジダ活性を有し、食品への利用可能な成分が開発されている。例えばゲラニオール、ヒノキチオールなどのモノテルペンアルコール単独を使用した口腔ケア剤および食品が広く使用されている。天然由来成分が抗カンジダ活性を有する例として、特許文献1には、ゲラニオールなどの精油成分とカプリン酸の組み合わせにより相乗的な抗カンジダ活性が得られたこと、特許文献2にはショウガオールが抗カンジダ活性を有すること、特許文献3にはリゾチームとキトサンとを組み合わせた複合体が抗カンジダ活性を有すること、特許文献4にはショウガオールとカプリン酸を組み合わせることにより相乗的な抗カンジダ効果が見られたこと、非特許文献1にはクローブ、カシアなどのハーブやスパイスが口腔カンジダ症動物モデルにおいて抗カンジダ活性を示したこと等が開示されている。
しかしながら、従来抗カンジダ活性を有することが知られている成分はハーブや精油類が多く、味や香りがあり、食品に配合する場合にその味や香りへの影響の観点から配合量には限界がある。また、揮発成分であり、不安定なものも多い。カンジダ症を含む皮膚、粘膜のカンジダ症に対し効果があり、副作用や耐性菌のリスクを心配せず長期間の使用が可能であり、また安定、無味・無臭で製品に配合しやすく、患者や一般消費者が入手しやすく使用しやすい新たな抗カンジダ活性組成物が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-40156号公報
特開2013-100253号公報
再表2017/38872号公報
特開2013-194051号公報
【非特許文献】
【0004】
田口裕基, Med. Mycol. J.,55, 143-149, 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カンジダ症を含む皮膚、粘膜のカンジダ症に対し効果があり、副作用や耐性菌のリスクを心配せず長期間の使用が可能であり、また安定、無味・無臭で製品に配合しやすく、患者や一般消費者が入手しやすく使用しやすい新たな抗カンジダ活性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、植物成分であるオレアノール酸、マスリン酸等のトリテルペン類や、トリテルペン類を含むブドウ抽出物には抗カンジダ活性があり、また、ブドウ抽出物(パミスエキス)では、トリテルペン類単独より抗カンジダ活性が高まることを見出した。また、本発明者らはトリテルペン類を使用するに当たり、より強力な抗カンジダ効果を有する方法を検討した結果、トリテルペン類の一種であるオレアノール酸、マスリン酸などを一つでも含む植物の果皮・葉抽出物とヒノキチオールあるいはゲラニオールを併用することで、オレアノール酸、ブドウ抽出物(パミスエキス)、ヒノキチオール、ゲラニオール単独での効果よりも相乗的な抗カンジダ効果を奏し、効率的に抗カンジダ症を予防できることを見出した。
本発明は以下の通りである。
[1]トリテルペン類を有効成分として含む、抗カンジダ活性組成物。
[2]トリテルペン類が、オレアノール酸、マスリン酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]の抗カンジダ活性組成物。
[3]ブドウ抽出物を有効成分として含む、抗カンジダ活性組成物。
[4]更にモノテルペンアルコールを含む前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の抗カンジダ活性組成物
[5]モノテルペンアルコールが、ヒノキチオール、ゲラニオール及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、前記[4]に記載の抗カンジダ活性組成物。
【発明の効果】
【0007】
トリテルペン類の一種であるオレアノール酸、マスリン酸あるいはこれらトリテルペン類を一つでも含む植物の果皮・葉抽出物には抗カンジダ活性があり、また、ブドウ抽出物(パミスエキス)では、トリテルペン類単独より抗カンジダ活性が高まる。
さらに、ブドウ抽出物(パミスエキス)とモノテルペンアルコール(例えばゲラニオール)の併用は、単独での効果よりも、相乗的に抗カンジダ活性が高まる。よってこれらの成分を組み合わせて、食品、医薬品、口腔ケア用品等の医薬部外品に応用することができる。
オレアノール酸などのトリテルペン類は、植物より成分を得ることが容易であり、かつ食品への利用も認められている。また、熱やpHの変化に対して安定であり、無味無臭であるため、医薬品から食品、口腔ケア用品まで幅広い製品に応用することが可能である。そのため消費者及び患者はその成分を製品化したものを容易に入手し、簡便に使用することができる。また、トリテルペン類は、あらゆる菌の増殖を非特異的に抑制するのではなく、う蝕の原因であるStreptococcus mutansなどの口腔レンサ球菌や歯周病の原因菌といわれるPorphyromonas gingivalisなどの菌の増殖を特異的に抑えることが報告されており、菌交代現象を引き起こす可能性が少なく、長期的に摂取する場合により安全に使用できる。特に口腔カンジダ症は再発を繰り返しやすいため、トリテルペン類を含む組成物は、抗真菌剤適用によって生ずる菌交代症などのリスクを心配せず、消費者及び患者は安心して利用することができる。また、う蝕や歯周病が口腔カンジダ症に影響することが報告されていることから、トリテルペン類はう蝕・歯周病をも予防し、より効果的に、口腔カンジダ症を予防することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の抗カンジダ活性組成物は、トリテルペン類を有効成分として含有する。
トリテルペン類は炭素数30を基本骨格とする化合物であり、その代表例として五環性トリテルペン類が挙げられる。ここで、五環性トリテルペンとは、トリテルペン類の1種であり、イソプレン単位6個から成る五環性の化合物で、炭素数は30個を基本とするが、生合成過程で転位、酸化、脱離あるいはアルキル化され炭素数が前後するものも含まれる。
これらは、天然の植物から得ることも、人工的に得ることもできる。また、市販品も好適に利用することができる。五環性トリテルペン類は、一般に、その骨格により分類されている。例えば、オレアナン系トリテルペン類、ウルサン系トリテルペン類、ルパン系トリテルペン類、ホパン系トリテルペン類、セラタン系トリテルペン類、フリーデラン系トリテルペン類、タラキセラン系トリテルペン類、タラキサスタン系トリテルペン類、マルチフロラン系トリテルペン類、ジャーマニカン系トリテルペン類等が挙げられる。
五環性トリテルペン類のうち、例えばオレアナン系トリテルペン類の代表例としてはオレアノール酸、マスリン酸、ウルサン系トリテルペン類の代表例としてはウルソール酸、コロソリン酸等が挙げられる。
これらはブドウ、オリーブ、シソ、リンゴ、ナツメ、チョウジなど多くの植物の果皮や葉に含まれている。
本発明においてトリテルペン類は医薬品又は食品として服用又は食用可能なものであれば、その由来および製法は何ら限定されるものではない。例えば、原料のブドウ果汁搾り粕やブドウ酒搾り粕を溶媒抽出し、必要により精製することにより得ることができる。
本発明において、好ましくはトリテルペン類が、オレアノール酸、マスリン酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である。
【0009】
また本発明の抗カンジダ活性組成物は、ブドウ抽出物(パミスエキス)を有効成分として含有する。
ブドウ抽出物とは、ブドウの果皮あるいは葉を溶媒抽出により得られる抽出物である。パミスとは、ブドウやオリーブなどの果実から果汁や油などを搾った後の残り粕のことであり、ブドウ抽出物はパミスを溶媒抽出により得たもの(パミスエキス)であっても良い。
抽出に用いる溶媒は水、有機溶媒、または有機溶媒と水との混合物が挙げられる。有機溶媒の例としてヘキサン、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、エチルエーテル、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール及び酢酸エチルなどが挙げられる。抽出溶媒として、有機溶媒と水との混合物が好ましく、特に水を10~50質量%程度含む含水エタノール、含水メタノール、又は含水アセトンが好ましく用いられる。
抽出温度は一般に40℃以上、好ましくは60~120℃、特に好ましくは60℃~100℃である。抽出する際の原料(無水物換算)に対する抽出溶媒の量は、特に限定されるものではないが、通常2~20倍量(V/W)が適当であり、好ましくは3~10倍量(V/W)である。使用する抽出装置としては、例えば回分式、半連続式、連続式など何れの型式の抽出装置を用いてもよいが、好ましくは何れの型式でも密閉型の装置である。そしてまた必要により耐圧性の装置が用いられる。なお抽出に際しては、所望により内容物を攪拌してもよい。
抽出時間は、通常10分~4時間が適当であり、好ましくは1時間~2時間程度である。
【0010】
上記のように抽出操作を行った後、固液分離を行って抽出液を得る。固液分離にはカートリッジフィルター、ネル濾布、濾過板、濾紙、濾過助剤を併用したフィルタープレス等の濾過法や遠心分離法などの適当な手段を用いることができる。使用した抽出溶媒によって、例えば、水、エタノール、含水エタノールなどを用いたとき、固液分離して得た抽出液をそのまま抽出物として使用することができる。
抽出液は適当な濃縮手段により、例えば減圧濃縮によって濃縮液とすることもできる。
さらに真空乾燥や減圧乾燥を施し、乾固物として抽出物を採取することができる。
上記の抽出液又は濃縮液はまた、凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥などによって乾燥させて粉末状態の抽出物とすることができる。その際に適当な賦形剤を使用して粉末状態にしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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