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公開番号2024118355
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-30
出願番号2023024728
出願日2023-02-20
発明の名称学習済モデルの生成方法、画像生成方法、画像生成装置およびプログラム
出願人学校法人帝京大学
代理人個人,個人
主分類A61B 6/00 20240101AFI20240823BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】対象組織を表す領域とそれ以外の領域とのコントラストが強調された画像を出力する学習済モデルの生成において、被験者への負担を軽減する。
【解決手段】観察対象となる対象組織を表す第1領域と当該第1領域以外の第2領域とを含み、造影剤を使用して得られた第1画像と、観察対象となる対象組織を表す第3領域と当該第3領域以外の第4領域とを含み、当該第3領域と当該第4領域とのコントラストが前記第1画像における前記第1領域と前記第2領域とのコントラストよりも低い第2画像との関係を機械学習することで学習済モデルを生成し、前記第2画像は、前記第1画像に対して画像処理をすることで生成されるコンピュータシステムにより実現される学習済モデルの生成方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
観察対象となる対象組織を表す第1領域と当該第1領域以外の第2領域とを含み、造影剤を使用して得られた第1画像と、
観察対象となる対象組織を表す第3領域と当該第3領域以外の第4領域とを含み、当該第3領域と当該第4領域とのコントラストが前記第1画像における前記第1領域と前記第2領域とのコントラストよりも低い第2画像との関係を機械学習することで学習済モデルを生成し、
前記第2画像は、前記第1画像に対して画像処理をすることで生成される
コンピュータシステムにより実現される学習済モデルの生成方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記画像処理では、前記第1領域における画素値を変化することで得られる前記第3領域を含む前記第2画像を生成する
請求項1の生成方法。
【請求項3】
前記画像処理では、前記第2領域における画素値を維持することで得られる前記第4領域を含む前記第2画像を生成する
請求項2の生成方法。
【請求項4】
前記画像処理では、1個の前記第1画像から、前記第3領域と前記第4領域とのコントラストが相異なる複数の第2画像を生成する
請求項1の生成方法。
【請求項5】
前記第1画像は、デジタル差分血管造影法(Digital subtraction angiography)により得られた画像である
請求項1の生成方法。
【請求項6】
請求項1の生成方法により生成された学習済モデルに、造影剤を使用して得られた画像であって、観察対象となる対象組織を表す領域と、当該対象組織を表す領域以外の領域とを含む入力画像を入力することで、前記対象組織を表す領域と、当該対象組織を表す領域以外の領域とのコントラストが前記入力画像よりも高い出力画像を生成する生成処理を含む
画像生成方法。
【請求項7】
前記入力画像は、前記第1画像を得るために使用した造影剤の濃度よりも低い濃度の造影剤を使用して得られる画像である
請求項6の画像生成方法。
【請求項8】
前記学習済モデルは、複数の対象組織の種類にそれぞれ対応する複数の学習済モデルを含み、
前記生成処理では、前記複数の学習済モデルのうち利用者からの指示に応じて選択した学習済モデルを用いる
請求項6の画像生成方法。
【請求項9】
請求項1の生成方法により生成された学習済モデルに、造影剤を使用して得られた画像であって、観察対象となる対象組織を表す領域と、当該対象組織を表す領域以外の領域とを含む入力画像を入力することで、前記対象組織を表す領域と、当該対象組織を表す領域以外の領域とのコントラストが前記入力画像よりも高い出力画像を生成する生成部を含む
画像生成装置。
【請求項10】
請求項1の生成方法により生成された学習済モデルに、造影剤を使用して得られた画像であって、観察対象となる対象組織を表す領域と、当該対象組織を表す領域以外の領域とを含む入力画像を入力することで、前記対象組織を表す領域と、当該対象組織を表す領域以外の領域とのコントラストが前記入力画像よりも高い出力画像を生成する生成部
としてコンピュータシステムを機能させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、人体について造影剤を用いて撮像される画像のコントラストを改善するための技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
各種の画像診断において、観察の対象となる組織(以下「対象組織」という)と、対象組織の周囲の組織とのコントラストを強調するために造影剤が使用されている。例えば、血管造影法、X線透視法、コンピュータ断層撮影法(CT)、超音波イメージングおよび磁気共鳴イメージング(MRI)といった各種の画像診断の技術において、造影剤が用いられている。
【0003】
しかし、造影剤の種類によっては、人体に副作用を引き起こす場合がある。例えば、血管内に投与されるヨード系造影剤については、大きな副作用として急性造影剤腎症を引き起こすことが知られている。そこで、人体への安全性を考慮すると、造影剤の使用量を低減することが所望される。しかし、造影剤の使用量を低減すると、対象組織と当該対象組織の周囲にある組織とのコントラストが低下するという問題がある。正確な診断を行うという観点からは、コントラストの低下は望ましくない。
【0004】
そこで、造影剤を使用せずに(または低用量の造影剤で)、コントラストが強調された画像(すなわち通常の用量で造影剤を用いて撮像されたような画像)を得る技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、造影剤を使用することなく、コントラストが強調されたMRI画像(磁気共鳴画像)を得ることを目的として、造影剤を使用せず撮像したMRI画像と、造影剤を使用して撮像したMRI画像とを学習用データとして学習済モデルを生成する技術が開示されている。そして、造影剤を使用せず撮像したMRI画像を学習済モデルに入力すると、対象組織と対象組織の周囲の組織とのコントラストが強調されたMRI画像が出力される。しかし、特許文献1の技術では、造影剤を使用していないMRI画像からコントラストが強調されたMRI画像を生成することから、精度に問題があった。
【0006】
一方で、特許文献2には、通常の用量で造影剤を使用して撮像したフル造影剤用量画像と、フル造影剤用量より少ない用量で造影剤を使用して撮像した低造影剤用量画像と、造影剤を投与せずに撮像したゼロ造影剤用量画像とを学習用データとして、学習済モデルを生成する技術が開示されている。そして、低造影剤用量画像とゼロ造影剤用量画像とを学習済モデルに入力することで、フル造影剤用量画像(すなわちコントラストが強調された画像)が出力される。特許文献2では、ゼロ造影剤用量画像だけでなく、低造影剤用量画像も加味した上で、高精度にフル造影剤用量画像が生成できることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2022-547047号公報
特表2020-536638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2の技術では、学習用データ(フル造影剤用量画像および低造影剤用量画像)を生成するにあたって、被験者に、実際に、通常の用量の造影剤を投与するだけでなく、低用量の造影剤も投与する必要がある。すなわち、学習済モデルの生成において、被験者への負担が大きいという問題があった。以上の事情を考慮して、本発明では、対象組織を表す領域とそれ以外の領域とのコントラストが強調された画像を出力する学習済モデルの生成において、被験者への負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]観察対象となる対象組織を表す第1領域と当該第1領域以外の第2領域とを含み、造影剤を使用して得られた第1画像と、観察対象となる対象組織を表す第3領域と当該第3領域以外の第4領域とを含み、当該第3領域と当該第4領域とのコントラストが前記第1画像における前記第1領域と前記第2領域とのコントラストよりも低い第2画像との関係を機械学習することで学習済モデルを生成し、前記第2画像は、前記第1画像に対して画像処理をすることで生成されるコンピュータシステムにより実現される学習済モデルの生成方法。
【0010】
[2]前記画像処理では、前記第1領域における画素値を変化することで得られる前記第3領域を含む前記第2画像を生成する[1]の生成方法。
(【0011】以降は省略されています)

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