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公開番号2024142572
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054758
出願日2023-03-30
発明の名称自動車内装材用の補強シート、および自動車内装材
出願人日本製紙パピリア株式会社
代理人個人,個人
主分類D04H 1/545 20120101AFI20241003BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】均一な剛性を有する自動車内装材を製造でき、かつ環境に配慮した材料からなる自動車内装材用の補強シートと、この補強シートを有する自動車内装材を提供すること。
【解決手段】天然繊維、高剛性繊維、ビニロンバインダー繊維を含み、
全繊維に対して、前記ビニロンバインダー繊維を9~30質量%含有する自動車内装材用の補強シートと、シート材の少なくとも一面にこの補強シートが接着されている自動車内装材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
天然繊維、高剛性繊維、ビニロンバインダー繊維を含み、
全繊維に対して、前記ビニロンバインダー繊維を9~30質量%含有する自動車内装材用の補強シート。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記高剛性繊維が、ビニロン繊維を含む請求項1に記載の自動車内装材用の補強シート。
【請求項3】
前記高剛性繊維が、溶剤湿式冷却ゲル紡糸法ビニロン繊維を含む請求項1に記載の自動車内装材用の補強シート。
【請求項4】
さらに高融点繊維を含有する請求項1に記載の自動車内装材用の補強シート。
【請求項5】
全繊維に対して、前記天然繊維を10~40質量%、前記高剛性繊維を20~60質量%含有する請求項1に記載の自動車内装材用の補強シート。
【請求項6】
坪量が20g/m

~60g/m

である請求項1に記載の自動車内装材用の補強シート。
【請求項7】
シート材の少なくとも一面に、請求項1~6のいずれかに記載の補強シートが接着されている自動車内装材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車内装材用の補強シートと、自動車内装材に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車内装材には、強度、生産性、加工安定性等の様々な性能が要求される。さらに、近年、環境保護に対する関心の高まりから、軽量化による燃費の向上や産業廃棄物の削減による環境負荷の低減が求められている。
従来、自動車内装材として、発泡ポリウレタンシートの両面にガラスチョップドストランドマットを接着させた積層体を有する製品が使用されている。この製品は、強度、生産性等に優れる一方で、ガラス繊維を使用しているため強度を維持したまま軽量化するのが困難であった。また、自動車内装材の製造過程における作業環境が悪化すること、そしてガラス繊維を含むことによりサーマルリサイクルができないため、産業廃棄物として埋め立て処理をせざるを得ない問題が存在していた。
【0003】
特許文献1には、ガラス繊維の代替としてビニロン繊維を使用した不織布を補強シートとすることで、軽量化、形態安定性を備えた自動車内装材が提案されている。特許文献1では、原料に長繊維ビニロン繊維及び低融点ポリエステル繊維が用いられているが、形態安定性を得るためにビニロン繊維が集束したストランドの状態を制御すること、また、補強効果を高めるためにビニロン繊維の繊度、繊維長について提言されている。しかし、ビニロン繊維のストランドが存在することにより、ストランドが存在する部分の剛性は高く、存在しない部分の剛性は低くなるため、補強シートの剛性が不均一となる課題があった。
特許文献2には、天然繊維、ポリエステル繊維、及びビニロン繊維を原料とした不織布が補強シートとして提案されている。この補強シートは、そのままでは発泡ポリウレタンシートと積層して熱プレス成形する際に破れる問題があったが、補強シートに直線状等の切込みを入れて伸び率を確保することで解決している。しかし、補強シートに切込みを入れて熱プレス成形した場合、成形時に補強シートが伸びて剛性が低下する部分が生じ、その結果、補強シートの剛性が不均一となる課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-188894号公報
特開2012-41657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、均一な剛性を有する自動車内装材を製造でき、かつ環境に配慮した材料からなる自動車内装材用の補強シートと、この補強シートを有する自動車内装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.天然繊維、高剛性繊維、ビニロンバインダー繊維を含み、
全繊維に対して、前記ビニロンバインダー繊維を9~30質量%含有する自動車内装材用の補強シート。
2.前記高剛性繊維が、ビニロン繊維を含む1.に記載の自動車内装材用の補強シート。
3.前記高剛性繊維が、溶剤湿式冷却ゲル紡糸法ビニロン繊維を含む1.に記載の自動車内装材用の補強シート。
4.さらに高融点繊維を含有する1.~3.のいずれかに記載の自動車内装材用の補強シート。
5.全繊維に対して、前記天然繊維を10~40質量%、前記高剛性繊維を20~60質量%含有する1.~4.のいずれかに記載の自動車内装材用の補強シート。
6.坪量が20g/m

~60g/m

である1.~5.のいずれかに記載の自動車内装材用の補強シート。
7.シート材の少なくとも一面に、1.~6.のいずれかに記載の補強シートが接着されている自動車内装材。
本明細書において、「A~B(A、Bは数値)」との表記は、その両端を含む数値範囲、すなわち、A以上B以下を意味する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動車内装材用の補強シートは、産業廃棄物として焼却処理が可能である。本発明の自動車内装材用の補強シートは、軽量化、環境配慮の点に加えて、剛性、成形性も実用的な性能を有する。
本発明の自動車内装材用の補強シートは、シート全体で剛性が均一であり、自動車内装材を成形するための熱プレス成形時の破損(補強シートの破れ)がなく、加工性、生産性に優れている。また、本発明の自動車内装材用の補強シートを用いた自動車内装材は、剛性が均一である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
・自動車内装材用の補強シート
本発明の自動車内装材用の補強シート(以下、補強シートともいう)は、天然繊維、高剛性繊維、ビニロンバインダー繊維を含み、全繊維に対して、ビニロンバインダー繊維を9~30質量%含有する。
本発明の補強シートは、発泡ポリウレタンシート等からなるシート材の少なくとも一面に接着される自動車内装材用の部材であり、例えば、フィルム・不織布等からなる裏面保護材/補強シート/シート材/補強シート/ウレタン・布・織物・不織布等からなる表皮層等の順で積層され、熱プレス成形されて、天井材やドアトリム等の自動車内装材を構成する。
【0009】
(天然繊維)
天然繊維は、補強シートの原料組成物において、原料スラリーの分散性を良化し、安定した生産を可能にする。補強シートを構成する全繊維に対する天然繊維の含有率は特に限定されないが、10質量%以上40質量%以下が好ましい。天然繊維のこの含有率が10質量%に満たない場合、補強シートの抄紙時に湿紙の移行が悪化するなど抄紙性に影響することに加えて、原料スラリーに結束繊維が発生しやすくなるため補強シートの地合いの悪化や強度均一性低下により成形性に影響する場合がある。天然繊維のこの含有率が40質量%より多くなると、合成繊維(天然繊維以外の繊維)の配合率が低くなるため、補強シートの剛性低下や熱プレス成形時の引張応力で補強シートが破損する場合がある。天然繊維のこの含有率は、15質量%以上がより好ましく、また、30質量%以下がより好ましい。
【0010】
天然繊維としては、植物、微生物、動物に由来する繊維を特に制限することなく使用することができる。具体的には、パルプ、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロース、セルロースを高濃度アルカリ処理して得られるマーセル化パルプ、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等の何らかの溶媒に溶解した後に再沈殿された再生セルロース、アセチル化変性セルロース、カルボキシル化変性セルロース等の各種セルロース誘導体等のセルロース系繊維、絹、羊毛、ヤギ毛等の獣毛などが例示でき、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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