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公開番号2024134657
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023044966
出願日2023-03-22
発明の名称衛生材料用不織布の製造方法
出願人ユニチカ株式会社
代理人弁理士法人森本国際特許事務所
主分類D04H 1/498 20120101AFI20240927BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】液残り量が少なく、かつ液の拡がりも少ない衛生材料用不織布を得る。
【解決手段】撥水性セルロース系繊維11を構成繊維として第1の目付けでカーディングされた第1のウェブ15と、吸水性セルロース系繊維13を構成繊維として第2の目付けでカーディングされた第2のウェブ16とを積層する。積層体17における第2のウェブ16側から積層体17に向けて第1の高圧水流18を噴射し、次に第1のウェブ15側から積層体17に向けて第2の高圧水流19を噴射し、さらに第2のウェブ16側から積層体17に向けて、第1の高圧水流18と第2の高圧水流19とのいずれよりも高圧の第3の高圧水流20を噴射して、第1のウェブ15の構成繊維と第2のウェブ16の構成繊維とを互いに三次元的に交絡させるとともに積層体17における第1のウェブ15と第2のウェブ16とを一体化させ、衛生材料用不織布を得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
撥水性セルロース系繊維を構成繊維として第1の目付けでカーディングされた第1のウェブと、吸水性セルロース系繊維を構成繊維として第2の目付けでカーディングされた第2のウェブとを積層し、
前記積層された積層体における第2のウェブ側から前記積層体に向けて第1の高圧水流を噴射し、
次に第1のウェブ側から前記積層体に向けて第2の高圧水流を噴射し、
さらに第2のウェブ側から、前記積層体に向けて、第1の高圧水流と第2の高圧水流とのいずれよりも高圧の第3の高圧水流を噴射することで、
第1のウェブの構成繊維と第2のウェブの構成繊維とを互いに三次元的に交絡させて、前記積層体における第1のウェブと第2のウェブとを一体化させることで、
撥水性セルロース系繊維を構成繊維とする第1の層と吸水性セルロース系繊維を構成繊維とする第2の層とが積層された衛生材料用不織布を得ることを特徴とする衛生材料用不織布の製造方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
撥水性セルロース系繊維として、コットンワックスを残したコットン繊維と、撥水剤を付着させたセルロース系繊維との、少なくともいずれかを用いることを特徴とする請求項1記載の衛生材料用不織布の製造方法。
【請求項3】
第2の高圧水流の圧力を、前記第2の高圧水流を第1のウェブ側から噴射したときにコットンワックスや撥水剤が繊維から離脱しない程度の圧力に設定することを特徴とする請求項2記載の衛生材料用不織布の製造方法。
【請求項4】
撥水性セルロース系繊維として、脱脂コットン繊維と、コットンワックスを必要量以下しか残していないコットン繊維と、撥水剤をまったく付着させていないセルロース系繊維と、撥水剤を必要量以下しか付着させていないセルロース系繊維との、少なくともいずれかの繊維を用い、
不織布の製造工程における任意の段階で前記少なくともいずれかの繊維に撥水剤を付着させることを特徴とする請求項1記載の衛生材料用不織布の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は衛生材料用不織布の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
不織布の用途の一例として、おむつ、生理用ナプキンなどの吸収性の衛生材料のための表面材が挙げられる。このような表面材を含む吸収性物品として、特許文献1には、液透過性のトップシートを備える吸収性物品であって、前記トップシートにおける着用者の肌側に位置する肌側表面層は天然綿繊維からなるコットン層であり、着用者の非肌側に位置する非肌側表面層は合成セルロース繊維を含み、トップシートの肌側表面が撥水処理されている失禁用吸収性物品が記載されている。この失禁用吸収性物品は、肌触りが柔らかく、体液拡散性に優れ、複数回の吸収でも吸収速度が高水準に維持されるという性能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-190277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特許文献1に記載の吸収性物品とは別の観点から、特に液残り量や液の広がりが少ない衛生材料用不織布を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するため、本発明の衛生材料用不織布の製造方法は、
撥水性セルロース系繊維を構成繊維として第1の目付けでカーディングされた第1のウェブと、吸水性セルロース系繊維を構成繊維として第2の目付けでカーディングされた第2のウェブとを積層し、
前記積層された積層体における第2のウェブ側から前記積層体に向けて第1の高圧水流を噴射し、
次に第1のウェブ側から前記積層体に向けて第2の高圧水流を噴射し、
さらに第2のウェブ側から、前記積層体に向けて、第1の高圧水流と第2の高圧水流とのいずれよりも高圧の第3の高圧水流を噴射することで、
第1のウェブの構成繊維と第2のウェブの構成繊維とを互いに三次元的に交絡させて、前記積層体における第1のウェブと第2のウェブとを一体化させることで、
撥水性セルロース系繊維を構成繊維とする第1の層と吸水性セルロース系繊維を構成繊維とする第2の層とが積層された衛生材料用不織布を得ることを特徴とする。
【0006】
本発明の衛生材料用不織布の製造方法によれば、撥水性セルロース系繊維として、コットンワックスを残したコットン繊維と、撥水剤を付着させたセルロース系繊維との、少なくともいずれかを用いることが好適である。その場合において、本発明によれば、第2の高圧水流の圧力を、前記第2の高圧水流を第1のウェブ側から噴射したときにコットンワックスや撥水剤が繊維から離脱しない程度の圧力に設定することが好適である。
【0007】
本発明の衛生材料用不織布の製造方法によれば、撥水性セルロース系繊維として、脱脂コットン繊維と、コットンワックスを必要量以下しか残していないコットン繊維と、撥水剤をまったく付着させていないセルロース系繊維と、撥水剤を必要量以下しか付着させていないセルロース系繊維との、少なくともいずれかの繊維を用い、不織布の製造工程における任意の段階で前記少なくともいずれかの繊維に撥水剤を付着させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撥水性セルロース系繊維を構成繊維とする第1の層と、吸水性セルロース系繊維を構成繊維とする第2の層とが積層された衛生材料用不織布を良好に製造することができる。このような積層構造の衛生材料用不織布は、使用状態によって、液残り量を少なくすることができるとともに、液の広がりを縮小することができるという特性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の製造方法で得られる衛生材料用不織布の断面構造を示す図である。
本発明の製造方法を示す断面図である。
図2の次の工程を示す断面図である。
図3の次の工程を示す断面図である。
ストライクスルー性の概念を示す図である。
液残り防止性の概念を示す図である。
液の広がり防止性の概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の製造方法で得られる衛生材料用不織布は、図1に示すように、撥水性セルロース系繊維11を構成繊維とする第1の層12と、吸水性セルロース系繊維13を構成繊維とする第2の層14とが積層され一体化された構造を有する。詳細な図示は省略するが、第1の層12の撥水性セルロース系繊維11は、その一部分が、第2の層14に入り込んで、第2の層14における吸水性セルロース系繊維13と三次元的に交絡している。同様に第2の層14の吸水セルロース系繊維13は、その一部分が、第1の層12に入り込んで、第1の層12における撥水性セルロース系繊維11と三次元的に交絡している。これにより、第1の層12と第2の層14とが一体化されて、積層構造の衛生材料用不織布を構成している。
(【0011】以降は省略されています)

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