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公開番号2024122607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030248
出願日2023-02-28
発明の名称編地、及びそれを含む衣料
出願人大和紡績株式会社
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類D04B 1/02 20060101AFI20240902BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】表糸、中糸及び裏糸を含み、ストレッチ性及び軽量性に優れる編地、及びそれを含む衣料を提供する。
【解決手段】本発明は、表糸、中糸及び裏糸を含む編地であって、前記編地は、裏糸でループパイルを編成した裏毛編地、及び裏糸で編成したループパイルが起毛された裏起毛編地からなる群から選ばれる一種以上であり、前記裏糸は、合成繊維を含み、前記編地から取り出した中糸は、JIS L 1013:2021 8.11 A法に基づいて測定した伸縮伸長率が45%以上である、編地に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
表糸、中糸及び裏糸を含む編地であって、
前記編地は、裏糸でループパイルを編成した裏毛編地、及び裏糸で編成したループパイルが起毛された裏起毛編地からなる群から選ばれる一種以上であり、
前記裏糸は、合成繊維を含み、
前記編地から取り出した中糸は、JIS L 1013:2021 8.11 A法に基づいて測定した伸縮伸長率が45%以上である、編地。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記編地が裏毛編地である場合、JIS L 1096:2010 8.16.1 D法に基づいて測定したタテ方向及びヨコ方向のいずれの伸び率も、35.0%以上であり、
前記編地が裏起毛編地である場合、JIS L 1096:2010 8.16.1 D法に基づいて測定したタテ方向の伸び率が30.0%以上、かつヨコ方向の伸び率が10.0%以上である、請求項1に記載の編地。
【請求項3】
前記編地が裏毛編地である場合、前記裏糸が、合成繊維を含む紡績糸、及び合成繊維を含むフィラメント糸からなる群から選ばれる一種以上であり、
前記編地が裏起毛編地である場合、前記裏糸が、合成繊維を含む紡績糸である、請求項1に記載の編地。
【請求項4】
前記裏糸が、合成繊維を含む渦流空気精紡糸である、請求項1に記載の編地。
【請求項5】
前記裏糸が、コンパクト糸及びサイロコンパクト糸からなる群から選ばれる一種以上である、請求項1に記載の編地。
【請求項6】
前記編地は、下記(1)~(4)の少なくとも一つを満たす、請求項1に記載の編地。
(1)JIS L 1076:2012 A法に基づき測定される編地表面のピリングが3.0級以上である
(2)編地から表糸を取り出し、所定の天竺編地を作製したとき、JIS L 1076:2012 A法に基づき測定されるピリングが3.0級以上である
(3)JIS L 1096:2010 8.8に準じて求められる表糸又は中糸が構成する組織のカバーファクタを、それぞれ表糸又は中糸を構成する繊維の比重で除した値である比重標準化カバーファクタのうち、大きいほうの値が1.10以下である
(4)表糸及び/又は中糸は、糸長10mあたりに存在する長さ3mm以上の毛羽数が200本以下である
【請求項7】
前記編地において、表糸が、コンパクト糸、渦流空気精紡糸、オープンエンド紡績糸、及びマルチフィラメントからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載の編地。
【請求項8】
前記編地は裏毛編地であり、
前記裏糸は、ポリプロピレン系繊維及び/又はポリエステル系繊維を含む渦流空気精紡糸であり、
前記裏糸がポリエステル系繊維を含む渦流空気精紡糸の場合、前記裏糸はポリエステル系繊維を20質量%以上100質量%以下含み、
前記裏糸に含まれるポリエステル系繊維の質量を100質量%としたとき、前記裏糸が、単繊維引張強さが2.0cN/dtex以上のポリエステル系繊維を90質量%超含んでいる、請求項1に記載の編地。
【請求項9】
前記中糸が、フィラメント糸からなる仮撚加工糸である、請求項1に記載の編地。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の編地を含む衣料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表糸、中糸及び裏糸を含む編地、及びそれを含む衣料に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、衣料に用いる布帛として様々な織物や編物が使用されており、用途、要求される特性に応じて適した原料(糸を構成する原料、紡績糸、フィラメント糸)や織組織、編組織を選定され、要求特性を満たす織編物が提案されている。その中で、冬季に着用する衣料、例えば、トレーナー、レッグウォーマー、ベスト、スウェットといった衣料は厚手の布帛が得やすい裏毛編地や、裏糸で編成したループパイルが起毛された裏起毛編地(以下、単に裏起毛編地とも称す)を使用することが知られている。例えば、特許文献1には、接結糸、表糸及び裏糸に綿繊維のみからなる綿糸を用いた裏毛編地が記載されている。また、特許文献2には、カチオン染料易染性ポリエステル短繊維Aとカチオン染料難染性ポリエステル短繊維Bからなる複合紡績糸を用いた裏毛編地が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-46452号公報
特開2010-156070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
裏毛編地や裏糸で編成したループパイルが起毛された裏起毛編地をスポーツ用衣料に使用する場合、軽量性、ストレッチ性(編地の伸縮性)といった物性に優れた編地であることが求められる。この場合、特許文献1のように、肌に近い編地の裏側を構成する裏糸にコットン糸(綿糸)を使用すると、ストレッチ性の高い編地が得られるものの、綿糸の吸水性、保水性が高すぎることから、編地全体、特に裏糸で構成される編地の裏側の乾燥性が低下するおそれがある。
【0005】
一方、特許文献2のように、編地の裏側を構成する裏糸に合成繊維を多く含む紡績糸やフィラメント糸を使用すると、合成繊維の吸水性、保水性が低いことから、裏糸で構成される編地の裏面が乾きやすい傾向にある。加えて、合成繊維の比重は綿繊維を始めとするセルロース系繊維と比較して小さいことから、合成繊維を多く含む編地やそれを用いた衣料は軽量感のある衣料となる。一方で、裏毛編地や裏起毛編地において、合成繊維を多く含む紡績糸やフィラメント糸を裏糸として使用すると、編組織が密になりやすくなること、裏毛編地や裏起毛編地が厚くなりやすい編地であることから、得られる編地のストレッチ性が低下しやすい。特に、繊維同士の間隔がより狭いことから編組織がより密になりやすいだけでなく、起毛加工で生じた毛羽同士が絡みあうことでストレッチ性が低下しやすい裏起毛編地ではその傾向が顕著に表れる。その結果、このような編地は、乾燥性には優れるものの、編地のストレッチ性が十分でないことから運動時の動きを妨げるおそれがある。
【0006】
以上より、特に冬季の衣料に用いられることが多い裏毛編地や裏起毛編地において、ストレッチ性、及び軽量性のバランスが取れたものはなく、裏毛編地や裏起毛編地においてそれらの改良が求められている。
【0007】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、表糸、中糸及び裏糸を含み、軽量性、及びストレッチ性が高い編地、及びそれを含む衣料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表糸、中糸及び裏糸を含む編地であって、前記編地は、裏糸でループパイルを編成した裏毛編地、及び裏糸で編成したループパイルが起毛された裏起毛編地からなる群から選ばれる一種以上であり、前記裏糸は、合成繊維を含み、前記編地から取り出した中糸は、JIS L 1013:2021 8.11 A法に基づいて測定した伸縮伸長率が45%以上である、編地に関する。
【0009】
本発明は、また、前記編地を含む衣料に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、表糸、中糸及び裏糸を含む編地であって、裏糸が合成繊維を含む編地でありながら、編地がタテ方向、及びヨコ方向に十分に伸長する、いわゆるストレッチ性が高い編地であり、かつ裏糸が合成繊維を含むことで軽量性に優れる編地、及びそれを含む衣料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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