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公開番号
2024140752
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052068
出願日
2023-03-28
発明の名称
水中油型乳化物、及びそれを含む飲食品
出願人
不二製油株式会社
代理人
主分類
A23D
7/00 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】本発明は、加熱処理工程により発生する異風味を抑制させ、初期の風味を長期間保つことができる水中油型乳化物、及びそれを含む飲食品を提供することを課題とする。
【解決手段】下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油脂を含む水中油型乳化物が、飲食品の加熱処理工程由来の異風味を抑制することを見出した。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(A)及び(B)を満たす、ランダムエステル交換油脂を含む、水中油型乳化物。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、請求項1に記載の水中油型乳化物。
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
【請求項3】
該ランダムエステル交換油脂の原料油脂にラウリン系油脂を配合する、請求項1又は2に記載の水中油型乳化物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の水中油型乳化物を含む、飲食品。
【請求項5】
請求項3に記載の水中油型乳化物を含む、飲食品。
【請求項6】
該飲食品が加熱処理済みである、請求項4に記載の飲食品。
【請求項7】
該飲食品が加熱処理済みである、請求項5に記載の飲食品。
【請求項8】
下記(A)及び(B)を満たす、ランダムエステル交換油脂を含む水中油型乳化物を含有する、飲食品の製造方法。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
【請求項9】
さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、請求項8に記載の飲食品の製造方法。
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
【請求項10】
該ランダムエステル交換油脂の原料油脂にラウリン系油脂を配合する、請求項8又は9に記載の飲食品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化物、及びそれを含む飲食品に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
飲食品の多くはその製造工程に加熱処理工程が含まれる。飲食品を加熱処理することにより、飲食品に含まれる油脂が劣化し、異風味が生じる場合がある。このような飲食品は長期間初期の風味を保つことが難しく、これらを改良するような技術が求められている。
【0003】
特許文献1では、加熱殺菌による風味変化が抑制された油脂含有食品が開示されている。中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを油脂含有食品に含むことで、加熱殺菌による風味変化が抑制された油脂含有食品が得られる。また、特許文献2では、中鎖脂肪酸トリグリセリドとラウリン系油脂を含む混合油をエステル交換した油脂組成物を含む水中油型乳化物が輸送耐性やホイップ耐性に加えて、良好な風味を保持できることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-80459号公報
特開2007-236348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、加熱殺菌による風味変化は示されているものの、その後の長期保管による風味変化までは検討されていない。また特許文献2では生クリームのような良好な風味が得られるものであって、加熱殺菌による異風味の発生抑制への示唆はなかった。
【0006】
斯かる実情に鑑み、本発明は、加熱処理工程により発生する異風味を抑制させ、初期の風味を長期間保つことができる水中油型乳化物、及びそれを含む飲食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが前記課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、特定の脂肪酸組成を有するランダムエステル交換油脂を含む水中油型乳化物が、飲食品の加熱処理工程由来の異風味を抑制することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)下記(A)及び(B)を満たす、ランダムエステル交換油脂を含む、水中油型乳化物、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
(2)さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、(1)に記載の水中油型乳化物、
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
(3)該ランダムエステル交換油脂の原料油脂にラウリン系油脂を配合する、(1)又は(2)に記載の水中油型乳化物、
(4)(1)又は(2)に記載の水中油型乳化物を含む、飲食品、
(5)(3)に記載の水中油型乳化物を含む、飲食品、
(6)該飲食品が加熱処理済みである、(4)に記載の飲食品、
(7)該飲食品が加熱処理済みである、(5)に記載の飲食品、
(8)下記(A)及び(B)を満たす、ランダムエステル交換油脂を含む水中油型乳化物を含有する、飲食品の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
(9)さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、(8)に記載の飲食品の製造方法、
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
(10)該ランダムエステル交換油脂の原料油脂にラウリン系油脂を配合する、(8)又は(9)に記載の飲食品の製造方法、
(11)下記(A)及び(B)を満たす、ランダムエステル交換油脂を含む水中油型乳化物による、飲食品の加熱処理由来の異風味抑制方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
(12)さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、(11)に記載の飲食品の加熱処理由来の異風味抑制方法、
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
(13)該ランダムエステル交換油脂の原料油脂にラウリン系油脂を配合する、(11)又は(12)に記載の飲食品の加熱処理由来の異風味抑制方法、
(14)下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油脂を含む、飲食品、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
(15)さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、(14)に記載の飲食品、
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
(16)該ランダムエステル交換油脂の原料油脂にラウリン系油脂を配合する、(14)又は(15)に記載の飲食品、
(17)該飲食品が加熱処理済みである、(14)又は(15)に記載の飲食品、
(18)下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油脂を含む、飲食品の製造方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
(19)さらに、該ランダムエステル交換油脂が(C)を満たす、(18)に記載の飲食品の製造方法、
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25質量%以下
(20)下記(A)及び(B)を満たすランダムエステル交換油脂による、加熱処理由来の異風味抑制方法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が0.3~40質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が45~80質量%
に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱処理工程に由来する異風味を抑制した飲食品を提供することができる。特に、飲料、調理加工食品の初期の風味を長期間保つことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体的に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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