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公開番号
2024135533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023046274
出願日
2023-03-23
発明の名称
分割型吸着ロータ
出願人
株式会社西部技研
代理人
主分類
B01D
53/06 20060101AFI20240927BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】吸着ロータの設置の際や吸着ロータ素子の劣化や性能低下、目詰まりなどが発生した場合に、分割構造により容易に着脱や交換、組み立てが可能な吸着ロータを提供する。
【解決手段】隣り合うおうぎ形ピース同士の外周側はボルトナットで固定され、おうぎ形ピースの内周側とボスはボルトによって固定される構造とすることで、それぞれのおうぎ形ピースは溶接での固定が不要となり、金属製骨材のレールと吸着ロータ素子側面の溝構造によりおうぎ形ピースの強度を増加させることにより、吸着ロータ素子側面と補強板の間に板材など補強のための部材を必要としない。簡単な構造で強度を持たせることが可能であり、特殊工具を必要とせず、作業に不慣れな人でも容易に交換可能であり、着脱に関わるコストを抑えることができる。また複雑な構造や補強部材が不要なため初期コスト低減にもつながる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
複数に分割されたおうぎ形ピースとボスを有する吸着ロータであって、
前記おうぎ形ピースは、吸着ロータ素子と、前記吸着ロータ素子の各辺に沿って前記ボスから外周方向にのびる一対の補強板と、アングルフランジと、外周板とを有し、
隣り合う前記おうぎ形ピース同士の外周側はボルトナットで固定され、
前記おうぎ形ピースの内周側と前記ボスはボルトによって固定されていることを特徴とする吸着ロータ。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記補強板には内周側端部から外周側端部に向かってレールを形成し、
前記吸着ロータ素子の側面には前記レールに嵌合するように溝を設け、
前記溝を前記レールに沿って挿入し、前記吸着ロータ素子の側面と前記補強板がコーキング材を介して接着されることにより、前記吸着ロータ素子が前記補強板に固定されることを特徴とする請求項1に記載の吸着ロータ。
【請求項3】
前記おうぎ形ピースの内周側において、一対の前記補強板が連結板を介して接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸着ロータ。
【請求項4】
前記補強板の内周側端部は角鋼が接続され、前記角鋼と前記連結板が連結されており、
前記角鋼には角鋼孔が形成され、
前記ボスにも前記角鋼孔に対応する孔が形成され、
前記ボス側から前記角鋼孔に前記ボルトを通すことにより、前記おうぎ形ピースの内周側が前記ボスに固定されることを特徴とする請求項3に記載の吸着ロータ。
【請求項5】
おうぎ形ピースを装着する場合には、前記おうぎ形ピースの角鋼孔と、ボスの前記角鋼孔に対応する孔を合わせ、前記ボス側より前記角鋼孔にボルトを通して、前記おうぎ形ピースの内周側を前記ボスに固定し、隣り合う前記おうぎ形ピース同士で外周側の孔を合わせて、ボルトナットで連結させることで隣り合う前記おうぎ形ピースの外周側を固定し、
前記おうぎ形ピースを脱離する場合には、前記おうぎ形ピースの外周側の前記ボルトナットと内周側の前記ボルトを外すことを特徴とする吸着ロータの着脱方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着ロータの分割構造により、吸着ロータのおうぎ形ピース1ピースごとに容易に着脱や交換することが可能な技術に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
吸着ロータは疎水性ゼオライトや活性炭を用いて揮発性有機化合物(以下、「VOC」という。)の吸着濃縮を行うものや、親水性ゼオライトやシリカゲルを用いて空気中の湿気を吸着し乾燥空気をつくるもの、イオン交換樹脂を用いて全熱回収を行うものなどがある。
【0003】
VOCの吸着濃縮を行う吸着ロータにあっては、吸着剤として活性炭や疎水性ゼオライトを用いたものなどがある。これを用いたVOC濃縮装置は、低濃度・大風量のVOC排出ガスを高濃度・低風量に濃縮回収できるので、処理設備全体の設備費及びランニングコストを大幅に削減でき、効率のよいVOC処理を実現することができる。
【0004】
湿気の吸着除去に用いられる吸着ロータにあっては、吸着剤として親水性ゼオライトやシリカゲルを用いたものなどがある。これを用いたデシカント除湿機は、湿分を含む被処理空気から水分を除去して低露点にし、乾燥空気を供給することができる。
【0005】
全熱回収を行う全熱交換ロータにあっては、吸着剤としてイオン交換樹脂やシリカゲル、ゼオライトを用いたものなどがある。これを用いた全熱交換器は、換気によって失われるエネルギーを回収するので、省エネルギー効果を高めることができる。
【0006】
VOCの吸着濃縮を行う吸着ロータや湿気の吸着除去に用いられる吸着ロータ、全熱回収を行う全熱交換ロータ(以下、総称して「吸着ロータ」という。)は製造コストを考え、図1のようにおうぎ形の吸着ロータ素子1と金属製(例えば鋼板)の骨材であるボス2、補強板3、アングルフランジ4、外周板5により一体型で製作され、ロータに固定される(以下、「一体型吸着ロータ」という。)。特許文献1には、一体型吸着ロータにおいて、吸着部材(吸着ロータ素子)の損傷を低減しつつ、吸着部材の脱落を防止するために、吸着部材とスポーク(補強板)との間に脱落防止部材を配置し、補強部材によって脱落防止部材の固定を補強するという複雑な構造が必要であることが開示されている。
【0007】
吸着ロータは長時間運転することにより塵埃で吸着ロータ表面に目詰まりが発生した場合や塗装ミストが温度低下により気相から液相に変わることによる異物などが吸着ロータ表面に付着したり、被処理空気中に酸性ガスやアルカリ性ガスなどの吸着ロータに悪影響を与えるガス成分が含まれたりすることによって、吸着ロータ素子の劣化や性能低下、圧力損失上昇が発生した場合、新しい吸着ロータへの交換が必要となる。一体型吸着ロータは、初期製造コストが比較的安いが、交換スペースが無い場合、ロータを強制的に分解して新しいロータと交換することになり、交換の手間が掛かり交換のコストが増大する。
【0008】
そこで、吸着ロータ素子の設置の際や、劣化や性能低下、目詰まりなどが発生した場合の交換の際に、初期コスト及び着脱コストを増大させること無く、表層面のみを交換できるような着脱可能な吸着ロータについて、特許文献2に示されている。
【0009】
一方、例えば直径が2mを超える吸着ロータは、図2のように複数のおうぎ形ピース6に分割し、おうぎ形ピース1ピースごとに容易に着脱や組み立てが可能である分割型で製作される(以下、「分割型吸着ロータ」という。)。分割型吸着ロータは、一体型吸着ロータに比べて初期コストが比較的高いが、おうぎ形ピース6を固定しているボルトなどを外すことにより容易に新しいおうぎ形ピースと交換することができ、交換のコストが減少する。また、大型の吸着ロータは直径が4mを超えるものがあり、図5のように複数のおうぎ形ピース6に分割して分割型吸着ロータとする(以下、「大型分割型吸着ロータ」という。)。このような分割型吸着ロータのおうぎ形ピースごとに設置現場へ送り、設置現場で組み立てるようにしており、設置現場での取り扱い性を良くしている。
【0010】
このような分割型吸着ロータのおうぎ形の分割ピースを局所的に交換できる構造について特許文献3に開示されている。また、分割型吸着ロータの各おうぎ形ピースを組み合わせたときに形成される、補強部材(補強板)と吸着ロータ素子の端部間の隙間にマイカよりなる埋め込み部材を挿入して耐熱性を向上させる技術について特許文献4に開示されている。
(【0011】以降は省略されています)
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