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公開番号
2024135529
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023046259
出願日
2023-03-23
発明の名称
回転電機保護リングおよびその製造方法並びに回転電機
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
H02K
1/278 20220101AFI20240927BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】
本発明は、回転電機における回転子の外側に巻き回し成形される繊維強化複合材料から構成される回転電機保護リングについて、成形中における強化繊維の応力緩和を防ぐことで、回転電機の動作時に生じる回転電機保護リングの変位を抑制し、ひいては回転電機の出力密度の向上を可能にする、回転電機保護リング、およびかかる回転電機保護リングの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料を、環状に複数回巻き回しつつ、少なくとも一部の領域を溶着し、円筒状の積層体とする、回転電機保護リングの製造方法であって、
前記材料における、巻き終わり領域にて、摩擦による加熱方式で溶着を行う、回転電機保護リングの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料を、環状に複数回巻き回しつつ、少なくとも一部の領域を溶着し、円筒状の積層体とする、回転電機保護リングの製造方法であって、
前記材料における、巻き終わり領域にて、摩擦による加熱方式で溶着を行う、回転電機保護リングの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料が、熱可塑性樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料である、請求項1に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項3】
前記材料における、前記積層体の巻き終わり領域を除く領域の、少なくとも一部にて、光源による加熱方式で溶着を行う、請求項1に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項4】
前記材料が一方向性材料であり、前記摩擦による加熱方式により、前記巻き終わり領域の材料が、実質的に繊維方向または繊維直交方向に振動する、請求項1に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項5】
前記摩擦による加熱方式で行われる溶着により、前記巻き終わり領域において、前記材料における巻き終わり領域を除く領域の平均幅tより広幅の部位が形成される、請求項1に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項6】
前記摩擦による加熱方式で行われる溶着により、前記巻き終わり領域における前記材料の強化繊維の一部が隣り合う層内に侵入する、請求項1に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項7】
前記巻き終わり領域を除く領域の少なくとも一部において、前記材料に張力を加えた状態で光源による加熱方式で溶着を行った後、前記巻き終わり領域において、前記材料に張力を加えることなく摩擦による加熱方式で溶着を行う、請求項3に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項8】
熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料が、環状に複数回巻き回されつつ溶着され、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
巻き終わり領域が摩擦による加熱方式で溶着されている、回転電機保護リング。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料が、熱可塑性樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料である、請求項8に記載の回転電機保護リング。
【請求項10】
リングの遠心方向に荷重を加え、前記巻き終わり領域を剥離させた際、もしくは、巻き終わり端部に把持部を設け、強制的に前記巻き終わり領域を剥離させた際に、剥離面にファイバーブリッジが生じる、請求項8に記載の回転電機保護リング。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機や電動機等の回転電機の回転子の保護に使用可能な、回転電機保護リングに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、回転電機の性能向上のために、回転電機の高速回転化が求められている。回転電機には、回転子の外周側に永久磁石を配置したSPM(Surface Permanent Magnet)型、回転子に永久磁石を埋没させて配置したIPM(Internal Permanent Magnet)型が挙げられるが、かかる回転電機を高速回転させた場合、遠心力により、外周に配置された永久磁石が回転子から脱落したり、回転子自体が破損したりする可能性がある。このような高速回転に伴う回転電機の破壊を抑制するために、特許文献1には、SPM型の回転電機において、回転部材の外周側に配置される永久磁石の、さらに外周面側を覆って装着されるリング状材料を形成するため、一方向に配列した複数の糸状の繊維が、樹脂により平らに束ねられるテープ状繊維束を、被覆筒として形成する技術に関し、上記樹脂は実質的には熱硬化性樹脂または常温硬化性樹脂であって、その巻き終わり端部を金属によって被覆することで、巻き終わり端部の剥離を抑制する、という手法が記載されている。
【0003】
上記リング状材料として、強度が高く、軽量である等の理由から、繊維強化複合材料が用いられており、特に、強化繊維として炭素繊維を用いた材料が好ましい素材として記載されている。
【0004】
特許文献2には、回転電機の回転子の回転軸の外周を樹脂と強化繊維からなる保持部材で補強する技術に関し、上記樹脂は実質的には熱硬化性樹脂であって、上記保持部材におけるテープ状繊維束の巻き終わり端部を反応性硬化樹脂で終端処理することにより、巻終端の剥離を抑制する、という手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2018/216257号公報
特開2016-082773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された発明では、金属による端部被覆により巻き終わり端部の剥離を抑制するが、リング状材料の樹脂として、実質的には熱硬化性樹脂または常温硬化性樹脂を用いるため、未硬化樹脂の低い粘度を原因として強化繊維が応力緩和し、応力設計が実現できず、ひいては回転数が抑制されるという問題が生じる。
【0007】
特許文献2に記載の発明においても、反応性硬化樹脂による端部被覆により巻き終わり端部の剥離を抑制するが、リング状材料の樹脂としては実質的に熱硬化性樹脂を用いるため、加熱硬化時の樹脂粘度低下により、強化繊維が応力緩和し、応力設計が実現できず、ひいては回転数が抑制されるという問題が生じる。
【0008】
ここで、本発明では、かかる回転子の保護に用いられ得るリング状材料を、回転電機保護リングとする。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の欠点を改良し、回転電機における回転子の外側に巻き回し成形される繊維強化複合材料から構成される回転電機保護リングについて、動作時に生じる変位を抑制し、ひいては回転電機の出力密度の向上を可能にして、かつ、回転電機の動作時に生じる端部の剥離が抑制された回転電機保護リング、およびかかる回転電機保護リングの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1. 熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料を、環状に複数回巻き回しつつ、少なくとも一部の領域を溶着し、円筒状の積層体とする、回転電機保護リングの製造方法であって、
前記材料における、巻き終わり領域にて、摩擦による加熱方式で溶着を行う、回転電機保護リングの製造方法。
2. 前記熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料が、熱可塑性樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料である、上記1に記載の回転電機保護リングの製造方法。
3. 前記材料における、前記積層体の巻き終わり領域を除く領域の、少なくとも一部にて、光源による加熱方式で溶着を行う、上記1または2に記載の回転電機保護リングの製造方法。
4. 前記材料が一方向性材料であり、前記摩擦による加熱方式により、前記巻き終わり領域の材料が、実質的に繊維方向または繊維直交方向に振動する、上記1~3のいずれかに記載の回転電機保護リングの製造方法。
5. 前記摩擦による加熱方式で行われる溶着により、前記巻き終わり領域において、前記材料における巻き終わり領域を除く領域の平均幅tより広幅の部位が形成される、上記1~4のいずれかに記載の回転電機保護リングの製造方法。
6. 前記摩擦による加熱方式で行われる溶着により、前記巻き終わり領域における前記材料の強化繊維の一部が隣り合う層内に侵入する、上記1~5のいずれかに記載の回転電機保護リングの製造方法。
7. 前記巻き終わり領域を除く領域の少なくとも一部において、前記材料に張力を加えた状態で光源による加熱方式で溶着を行った後、前記巻き終わり領域において、前記材料に張力を加えることなく摩擦による加熱方式で溶着を行う、上記3~6のいずれかに記載の回転電機保護リングの製造方法。
8. 熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料が、環状に複数回巻き回されつつ溶着され、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
巻き終わり領域が摩擦による加熱方式で溶着されている、回転電機保護リング。
9. 前記熱可塑性樹脂と強化繊維を含む材料が、熱可塑性樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料である、上記8に記載の回転電機保護リング。
10. リングの遠心方向に荷重を加え、前記巻き終わり領域を剥離させた際、もしくは、巻き終わり端部に把持部を設け、強制的に前記巻き終わり領域を剥離させた際に、剥離面にファイバーブリッジが生じる、上記8または9に記載の回転電機保護リング。
11. 上記8~10のいずれかに記載の回転電機保護リングを用いた回転電機。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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