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公開番号2024134801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045177
出願日2023-03-22
発明の名称電磁比例弁の制御方法
出願人株式会社不二越
代理人個人,個人
主分類F16K 31/06 20060101AFI20240927BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ソレノイド回路に印加可能な最大電圧を超えることなく、通電した平均電流が指定されたソレノイド指令電流となる電磁比例弁の制御方法を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる電磁比例弁の制御方法の代表的な構成は、ソレノイド指令電流に対してディザ電流を印加するディザ波形計算部に対し、ソレノイド指令電流と、ディザ指令振幅と、ディザ指令角周波数と、ソレノイド回路に印加可能な最大電圧と、ソレノイド回路の抵抗値と、ソレノイド回路のインダクタンスを入力し、ディザ波形計算部は、ソレノイド指令電流を流すために必要な電圧と最大電圧の電位差を計算し、ディザ指令角周波数と、ソレノイド回路の抵抗値と、ソレノイド回路のインダクタンスに基づいて、電位差の範囲を超えない最大ディザ振幅を算出し、ディザ指令振幅と最大ディザ振幅のうち小さい方を選択することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
油空水圧を制御する電磁比例弁のソレノイド回路を駆動するソレノイド指令電流に対してディザ電流を印加するディザ波形計算部に対し、
ソレノイド指令電流と、ディザ指令振幅と、ディザ指令角周波数と、前記ソレノイド回路に印加可能な最大電圧と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスを入力し、
前記ディザ波形計算部は、
前記ソレノイド指令電流を流すために必要な電圧と前記最大電圧の電位差を計算し、
前記ディザ指令角周波数と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスに基づいて、前記電位差の範囲を超えない最大ディザ振幅を算出し、
前記ディザ指令振幅と前記最大ディザ振幅のうち小さい方を選択することを特徴とする電磁比例弁の制御方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
油空水圧を制御する電磁比例弁のソレノイド回路を駆動するソレノイド指令電流に対してディザ電流を印加するディザ波形計算部に対し、
ソレノイド指令電流と、ディザ指令振幅と、ディザ指令角周波数と、前記ソレノイド回路に印加可能な最大電圧と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスを入力し、
前記ディザ波形計算部は、
前記ソレノイド指令電流を流すために必要な電圧と前記最大電圧の電位差を計算し、
前記ディザ指令振幅と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスに基づいて、前記電位差の範囲を超えない最大ディザ角周波数を算出し、
前記ディザ指令角周波数と前記最大ディザ角周波数のうち小さい方を選択することを特徴とする電磁比例弁の制御方法。
【請求項3】
油空水圧を制御する電磁比例弁のソレノイド回路を駆動するソレノイド指令電流に対してディザ電流を印加するディザ波形計算部に対し、
ソレノイド指令電流と、ディザ指令振幅と、ディザ指令角周波数と、前記ソレノイド回路に印加可能な最大電圧と、前記ソレノイド回路に少なくとも流す必要がある最小ディザ振幅と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスを入力し、
前記ディザ波形計算部は、
前記ソレノイド指令電流を流すために必要な電圧と前記最大電圧の電位差を計算し、
前記ディザ指令角周波数と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスに基づいて、前記電位差の範囲を超えない最大ディザ振幅を算出し、
前記ディザ指令振幅と、前記ソレノイド回路の抵抗値と、前記ソレノイド回路のインダクタンスに基づいて、前記電位差の範囲を超えない最大ディザ角周波数を算出し、
前記最大ディザ振幅が前記最小ディザ振幅より大きい場合は前記ディザ指令振幅と前記最大ディザ振幅のうち小さい方を選択し、
前記最大ディザ振幅が前記最小ディザ振幅より小さい場合は、ディザ振幅として前記最小ディザ振幅を選択し、かつ、ディザ角周波数として前記ディザ指令角周波数と前記最大ディザ角周波数のうち小さい方を選択することを特徴とする電磁比例弁の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はソレノイド回路を有する電磁比例弁の制御方法に関し、特にディザ電流の制御に特徴を有している。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
油空水圧装置は、油圧、空圧、水圧などの流体の圧力を駆動源として動作する装置である。以下の説明は油圧を代表で取り上げるが、空圧や水圧なども同様に適用できる。油空水圧装置においては、その圧力や流量を電気信号により自動で制御するために、電磁比例弁が多く使われている。
【0003】
電磁比例弁はソレノイドコイルに電流を流すことで発生する電磁力を利用して弁の開閉を行い、油圧装置に封じられた油の圧力や流量を調整する。油圧装置が適切に設計されていれば、電磁比例弁のソレノイドコイルに流す電流に比例した圧力や流量を発生させることができる。したがって、ソレノイドコイルに流す電流を正確に制御することは非常に重要である。
【0004】
また、求められる圧力や流量に対応した電流に対して、ディザ電流(高周波で変化する微小な電流)を印加することが一般的に行われている。ディザ電流を印加することにより、機械が見た目静止状態にあっても、ミクロで見た場合には、作業に問題ない程度に微小の運動を行い、特に機械の静止摩擦の影響で発生するヒステリシスを低減させることができる。
【0005】
しかし、ソレノイドコイルに存在するインダクタンスLと抵抗成分Rにより、ソレノイドコイルに流す電流にL/Rの時定数分だけ遅延が生じる。そのためディザ信号の波形が乱れて平均値が0にならず、指定したソレノイド電流に狂いが生じ、最終的には所望の油圧や流量を得ることができず、油圧装置に正確な動作をさせることができなくなる問題がある。
【0006】
特許文献1には、比例電磁弁のソレノイドコイルに対して、ヒステリシスを取り除くための静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を重畳させた指示電流値を出力するとともに、指示電流波形に供給電流波形を正確に一致させた駆動電流によって定電流駆動を行うようにすることが記載されている。これにより、静止摩擦力と電磁気的ヒステリシスに起因する弁開閉時のヒステリシスが除去され、入力された開度指令値に実際の開度量を正確に追従させることが可能になるため、高精度な流量又は圧力調節を行うことができると述べている。
【0007】
特許文献2には、誘導性電気負荷への通電電流の波形平均電流が、目標平均電流と合致するように指示電流となるディザ中間電流を決定し、この指示電流はディザ中間電流とディザ振幅電流の大きさによって変動する立上り時間及び立下り時間の変動誤差を、予備実験段階で測定された補正パラメータを用いて、実働段階で補正して運転することが記載されている。これにより、予定された目標平均電流が得られることを想定して生成されている指示電流を用いて負帰還制御が行われるので、自動制御における過渡変動誤差の発生が抑制され、その他の要因によって指示電流に対応した検出平均電流に制御誤差が含まれていても、負帰還制御によって自動修正されて、高精度な通電制御を安定して行うことができる効果があると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2009-103300号公報
特許6129257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1や特許文献2などに示される従来技術により、正確なディザ電流を印加することが可能となっている。しかしながら、ソレノイドに印加できる電圧には上限がある。従来の制御方法では、いずれも電圧の上限を考慮した電流制御は提案されていない。ソレノイド指令電流にディザ電流を印加することにより、仮にソレノイドの電圧の上限を超えてしまった場合には、上限を超えた電圧は出力できない。このため電流の波形が乱れて平均電流が変動し、所望のソレノイドの動作を得ることができないという問題がある。特に電流フィードバックを含む構成では、フィードバック制御によって電圧が変更されてしまうため、最終的に出力される電圧を制御することは困難である。
【0010】
上記課題を鑑みて、本発明は、ソレノイド回路に印加可能な最大電圧を超えることなく、通電した平均電流が指定されたソレノイド指令電流となる電磁比例弁の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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