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公開番号2024134336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044579
出願日2023-03-20
発明の名称包装用紙
出願人北越コーポレーション株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D21H 19/82 20060101AFI20240926BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】プラスチックの使用量を低減し、折り曲げ後の耐水性や耐ブロッキング性などの加工適性とヒートシール性に優れた包装用紙を提供すること。
【解決手段】紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも2層以上の樹脂コーティング層を有する包装用紙であって、前記樹脂コーティング層のうち、紙基材に近い樹脂コーティング層を第一樹脂コーティング層、第一樹脂コーティング層の紙基材と反対面に位置した樹脂コーティング層を第二樹脂コーティング層…と構成された包装用紙であり、前記樹脂コーティング層が、アイオノマー、エチレンコポリマー、熱可塑性ウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートから成る群から選択されるいずれか1種以上を含み、かつ前記樹脂コーティング層の最外樹脂コーティング層に含まれる樹脂よりも融点の低い樹脂が最外樹脂コーティング層以外の層に1種以上含まれること特徴とする包装用紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも2層の樹脂コーティング層を有する包装用紙であって、前記樹脂コーティング層の全ての層が、アイオノマー、エチレンコポリマー、熱可塑性ウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートから成る群から選択されるいずれか1種以上を含み、かつ前記樹脂コーティング層のうち、最外層の樹脂の融点よりも融点の低い樹脂が最外層以外の層に1種以上含まれることを特徴とする包装用紙。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記樹脂コーティング層の片面当たりの総塗工量が2~20g/m

の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の包装用紙。
【請求項3】
前記樹脂コーティング層の最外層の樹脂の融点が90℃以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項4】
前記樹脂コーティング層の最外層以外のいずれか1種以上の層に顔料が含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項5】
前記紙基材と樹脂コーティング層との間に、更に顔料とバインダーを含むアンダー層を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項6】
前記紙基材に針葉樹晒しクラフトパルプを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項7】
前記紙基材に紙力剤としてポリアクリルアミドを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項8】
紙基材に使用されるパルプのカナダ標準ろ水度(フリーネス)が250~650mlCSFであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項9】
融点が低い樹脂と、最外層の樹脂の融点の差が、5℃~85℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項10】
アイオノマーがエチレン・アクリル酸またはエチレン・メタクリル酸の共重合物の金属塩であり、
ならびに/又は、
エチレンコポリマーがエチレン・アクリル酸共重合物、エチレン・メタクリル酸共重合物、エチレン・アクリル酸エステル共重合物、エチレン・メタクリル酸エステル共重合物、及び/若しくは、エチレン酢酸ビニル共重合物である、請求項1又は2に記載の包装用紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックの使用量を低減した包装用紙に関する。また、折り曲げ後の耐水性や耐ブロッキング性などの加工適性とヒートシール性に優れた包装用紙に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックゴミ問題が深刻化している。世界のプラスチックの生産量は4億トン/年を超えると言われ、その中でも包装容器セクターでのプラスチック生産量が多く、プラスチックゴミの原因になっている。プラスチックは半永久的に分解せず、そのゴミは自然環境下でマイクロプラスチック化し、生態系に深刻な悪影響を与えている。特に海洋の汚染は著しく、そのプラスチックゴミは回収不可能と言われている。今後、プラスチックの使用を低減することが地球環境にとって必要である。
【0003】
一方で、プラスチックゴミ対策として微生物によって完全に分解され得る生分解性プラスチックの応用が世界中で提案されている。生分解プラスチックは自然界で一定期間の内に分解されるが、分解されるまではやはりゴミであり、それらの使用量および廃棄量が低減されない限りにおいては、即効性のある対策とは言えない(特許文献1、2参照)。
【0004】
包装容器に使用されるプラスチックとしては、飲料のボトル等に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)、レジ袋や容器のラミネートに使用されるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)が特に多く使用されている。プラスチックの使用量を低減するための対策手段として、紙でプラスチックを代替することが提案されている。しかしながら、紙でプラスチックを代替する場合であっても、袋や容器に加工する際にはヒートシール剤としてポリエチレンやポリプロピレンが多量にラミネートされて使用される。これらプラスチックのラミネート量は商品コンセプトによって様々だが、概ね30~50g/m

程度であり、用途によっては300g/m

と多量に用いられる場合もある。従って、プラスチックを紙に代替したラミネート紙においても、依然としてプラスチックの使用量は十分に低減されないという問題があり、早急に、直接的にプラスチックの使用を低減する手段が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-148444号公報
特開2013-141763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、プラスチックの使用量を低減でき、また、折り曲げ後の耐水性(以降、「耐折性」と略称する場合がある)や耐ブロッキング性などの加工適性(以降、耐折性と耐ブロッキング性を含めて「加工適性」と略称する場合がある)とヒートシール性に優れた包装用紙に関する。
【0007】
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、従来のプラスチックラミネート紙(以降、ポリラミ紙と略称する場合がある)のポリエチレンやポリプロピレンの使用量を低減するために、少なくとも2層の樹脂コーティング層を有する包装用紙であって、前記樹脂コーティング層の全ての層が、アイオノマー、エチレンコポリマー、熱可塑性ウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートから成る群から選択されるいずれか1種以上を含み、かつ前記樹脂コーティング層のうち、最外層の樹脂の融点よりも融点の低い樹脂が最外層以外の層に1種以上含まれることを特徴とする。前記樹脂コーティング層に含まれる樹脂は造膜性に優れた樹脂であるため、良好な耐折性を付与することができる。また、これらの樹脂はヒートシール性にも優れているため、ヒートシール適性を付与することもできる。このような構成であれば、最外層以外のいずれかの融点が低く柔らかい樹脂を含む層によって耐折性が付与され、かつ、融点が高く粘着性の乏しい樹脂を含む最外層によって耐ブロッキング性が付与されることにより、優れた加工適性の包装用紙を得ることができる。
【0009】
本発明においては、前記樹脂コーティング層の片面当たりの総塗工量が2~20g/m

の範囲であることが好ましい。このような構成であれば、優れた加工適性を保持しつつも、プラスチックの使用量が片面あたり30g/m

を超える従来のポリラミ紙と比較して、樹脂コーティング層に含まれるプラスチックの使用量を従来の約7~67%にまで削減することができる。
【0010】
本発明においては、前記樹脂コーティング層の最外層の樹脂の融点が90℃以上であることが好ましい。このような構成とすることで、融点が90℃以上の樹脂は粘着性に乏しいため耐ブロッキング性に優れた包装用紙を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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