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公開番号2024158738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074225
出願日2023-04-28
発明の名称紙塗工用樹脂粒子水分散液
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類D21H 19/28 20060101AFI20241031BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】撥水性及び耐油性に優れる塗工紙を得ることができる紙塗工用樹脂粒子水分散液、該樹脂粒子水分散液を含有する紙用塗工液、及び該塗工液を用いた塗工紙を提供すること
【解決手段】非晶性ポリエステル系樹脂及びポリビニルアルコールを含有する紙塗工用樹脂粒子水分散液であって、前記樹脂粒子水分散液中の、非晶性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールとの質量比(非晶性ポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール)が50/50以上90/10以下である、紙塗工用樹脂粒子水分散液、該樹脂粒子水分散液の製造方法、該樹脂粒子水分散液を含有する紙用塗工液、該紙塗工液によって形成された塗工層を有する塗工紙、及び該塗工紙の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非晶性ポリエステル系樹脂及びポリビニルアルコールを含有する紙塗工用樹脂粒子水分散液であって、
前記樹脂粒子水分散液中の、非晶性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールとの質量比(非晶性ポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール)が50/50以上90/10以下である、紙塗工用樹脂粒子水分散液。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記ポリビニルアルコールの重合度が、250以上2000以下である、請求項1に記載の紙塗工用樹脂粒子水分散液。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコールのけん化度が、70%以上100%以下である、請求項1又は2に記載の紙塗工用樹脂粒子水分散液。
【請求項4】
前記非晶性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が、45℃以上である、請求項1~3のいずれかに記載の紙塗工用樹脂粒子水分散液。
【請求項5】
前記非晶性ポリエステル系樹脂を樹脂粒子として含有する、請求項1~4のいずれかに記載の紙塗工用樹脂粒子水分散液。
【請求項6】
下記方法(i)及び方法(ii)から選ばれるいずれかの方法を有する、請求項1~5のいずれかに記載の紙塗工用樹脂粒子水分散液の製造方法。
方法(i):非晶性ポリエステル系樹脂を含む樹脂を水系媒体に分散させた後、ポリビニルアルコールと混合する方法
方法(ii):ポリビニルアルコールを水系媒体に溶解させた後、非晶性ポリエステル系樹脂を含む樹脂を水系媒体に分散させる方法
【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載の樹脂粒子水分散液を含有する、紙用塗工液。
【請求項8】
請求項7に記載の紙用塗工液によって形成された塗工層を有する、塗工紙。
【請求項9】
非晶性ポリエステル系樹脂及びポリビニルアルコールを含有する塗工層を有する塗工紙であって、
前記非晶性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールとの質量比(非晶性ポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール)が50/50以上90/10以下である、塗工紙。
【請求項10】
請求項7に記載の紙用塗工液を紙基材の少なくとも片面に塗工する工程1と、該工程1で塗工された紙基材上の紙用塗工液を乾燥させる工程2とを含む、塗工紙の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紙塗工用樹脂粒子水分散液、該樹脂粒子水分散液を含有する紙用塗工液、該塗工液を用いた塗工紙、及び該塗工紙の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、水や油分に対する抵抗性が要求される紙製ラベル、包装紙、紙容器等に用いることができる紙材料としては、耐水性や撥水性、耐油性を付与するためにポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムといったプラスチックフィルムをラミネート処理した紙が利用されてきた。しかしながら、プラスチックフィルムをラミネート処理した紙はリサイクルが困難である。そのため、近年の環境意識の高まりとともにラミネート処理に代わる耐水性や撥水性、耐油性を付与する技術が求められ、検討されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、包装体の平面部と共に折り曲げ部においても耐油性に優れた耐油基材が得られる耐油膜として、ポリビニルアルコール系重合体及びガラス転移温度40℃以下の重合体を含有する重合体粒子を含み、該重合体粒子の含有量がポリビニルアルコール系重合体100質量部に対して1質量部以上150質量部未満である、耐油膜が記載されている。
特許文献2には、樹脂を塗工した構成にて調湿性を実現でき、水分を含む品物を包装しても水滴の溜まりを阻止し得る耐水紙として、紙基材と、前記紙基材上に塗工して形成された樹脂層とを備えた耐水紙であって、前記樹脂層は、ポリエステル系樹脂からなる耐水剤と、無機粒子及び/又は吸水性樹脂からなる調湿剤とを含んでいることを特徴とする耐水紙が記載されている。
特許文献3には、印刷適性が良好で、食品の貼り付きが少なく、表裏の耐油性に優れる食品用耐油紙として、パルプを主成分とする基材の両面に耐油層を有し、前記耐油層の一方の面に図柄印刷を施した耐油紙であって、前記耐油層が水溶性樹脂と非水溶性樹脂を含んでおり、かつ前記図柄印刷を施す面と反対の面に設けられた耐油層が撥水剤を含んでいることを特徴とする非フッ素系耐油紙が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/130131号
特開2005-113283号公報
特開2014-136840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラスチックフィルムのラミネート処理に替わる、紙への撥水性及び耐油性の付与技術としては、フッ素系塗工液による処理が知られているが、近年、安全性及び環境配慮の観点から、非フッ素系塗工液が求められてきた。しかしながら、特許文献1~3の技術では、プラスチックフィルムをラミネート処理した紙のような十分な撥水性及び耐油性を得ることができなかった。
本発明は、撥水性及び耐油性に優れる塗工紙を得ることができる紙塗工用樹脂粒子水分散液、該樹脂粒子水分散液を含有する紙用塗工液、及び該塗工液を用いた塗工紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、紙と水との接触を抑制する塗工層を設けることに着目し、塗工層を形成するための樹脂粒子水分散液として、非晶性ポリエステル系樹脂及びポリビニルアルコールを含有する樹脂粒子水分散液であり、該非晶性ポリエステル系樹脂と該ポリビニルアルコールとの質量比を特定の範囲とすることで、前記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕~〔5〕に関する。
〔1〕非晶性ポリエステル系樹脂及びポリビニルアルコールを含有する紙塗工用樹脂粒子水分散液であって、前記樹脂粒子水分散液中の、非晶性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールとの質量比(非晶性ポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール)が50/50以上90/10以下である、紙塗工用樹脂粒子水分散液。
〔2〕下記方法(i)又は方法(ii)のいずれかの方法を有する、前記〔1〕に記載の紙塗工用樹脂粒子水分散液の製造方法。
方法(i):非晶性ポリエステル系樹脂を含む樹脂を水系媒体に分散させた後、ポリビニルアルコールと混合する方法
方法(ii):ポリビニルアルコールを水系媒体に溶解させた後、非晶性ポリエステル系樹脂を含む樹脂を水系媒体に分散させる方法
〔3〕前記〔1〕に記載の樹脂粒子水分散液を含有する、紙用塗工液。
〔4〕前記〔3〕に記載の紙用塗工液によって形成された塗工層を有する、塗工紙。
〔5〕前記〔3〕に記載の紙用塗工液を紙基材の少なくとも片面に塗工する工程1と、該工程1で塗工された紙基材上の紙用塗工液を乾燥させる工程2とを含む、塗工紙の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撥水性及び耐油性に優れる塗工紙を得ることができる紙塗工用樹脂粒子水分散液、該樹脂粒子水分散液を含有する紙用塗工液、及び該塗工液を用いた塗工紙を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[紙塗工用樹脂粒子水分散液]
本発明の紙塗工用樹脂粒子水分散液(以下、単に「樹脂粒子水分散液」ともいう)は、非晶性ポリエステル系樹脂及びポリビニルアルコールを含有する紙塗工用樹脂粒子水分散液であって、前記樹脂粒子水分散液中の、非晶性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールとの質量比(非晶性ポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール)が50/50以上90/10以下である。
【0009】
本発明の樹脂粒子水分散液は、非晶性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールを含む。本発明の樹脂粒子水分散液は、非晶性ポリエステル系樹脂を樹脂粒子として含有することが好ましく、また、ポリビニルアルコールが、水系媒体に溶解していることが好ましい。また、本発明の樹脂粒子水分散液は、ポリエステル系樹脂を含む樹脂粒子が、ポリビニルアルコールが溶解した水系媒体に分散されていることがより好ましい。
ここで、「水系」とは、媒体中で水が最大割合を占めていることを意味する。
水系媒体の水としては、脱イオン水、イオン交換水又は蒸留水が好ましく用いられる。
水系媒体は、更に有機溶媒を含有してもよい。該有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール等の炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の炭素数3以上5以下のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の水に溶解する水溶性有機溶媒が挙げられる。
水系媒体中の水の含有量は、環境性の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上あり、そして、好ましくは100質量%以下である。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、すなわち、「軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃)」で定義される結晶性指数によって表される。
「結晶性樹脂」とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下である樹脂をいう。
「非晶性樹脂」は、示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピークが観測されないか、又は、吸熱ピークが観測される場合には、結晶性指数が0.6未満又は1.4超である樹脂をいう。
吸熱の最大ピーク温度とは、実施例に記載の測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度のことを指す。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。
「カルボン酸成分」とは、カルボン酸のみならず、それらの無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含まれる。すなわち、本明細書中では、単にカルボン酸の名称のみを記載している場合、そのカルボン酸の無水物及び炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含めて記載されているものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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