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公開番号2024174609
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-17
出願番号2023092519
出願日2023-06-05
発明の名称パルプの漂白方法
出願人株式会社片山化学工業研究所
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類D21C 9/12 20060101AFI20241210BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】 次亜塩素酸塩を用いたパルプの漂白において、漂白パルプの経時的な白色度(明度)の低下を抑制可能な方法を提供する。
【解決手段】 一態様として、次亜塩素酸塩を用いたパルプの漂白方法であって、次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うことを含む漂白方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次亜塩素酸塩を用いたパルプの漂白方法であって、
次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び
前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うこと、を含む漂白方法。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記漂白処理に先立ち、前記漂白前処理を行ったパルプスラリーにアルカリ剤を添加してパルプスラリーのpHを調整することをさらに含む、請求項1記載の漂白方法。
【請求項3】
前記パルプスラリーは、古紙パルプ及び/又は脱リグニン後の未漂白パルプを含む、請求項1記載の漂白方法。
【請求項4】
前記結合塩素及び結合臭素が、モノクロラミン、ジクロラミン、トリクロラミン、モノブロマミン、ジブロマミン、トリブロマミン、N-クロロスルファマート及びN-ブロモスルファマートからなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の漂白方法。
【請求項5】
漂白パルプの耐色性改善方法であって、
次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び
前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うこと、を含む改善方法。
【請求項6】
パルプ原料の製造方法であって、
次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び
前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うこと、を含む製造方法。
【請求項7】
前記パルプ原料は、製紙用パルプ原料である、請求項6記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、次亜塩素酸塩を用いたパルプの漂白方法、漂白パルプの耐色性改善方法、及びパルプ原料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
製紙工程は、一般には、木材等の原料からパルプ原料を得るためのパルプ化工程と、パルプ化工程で得られたパルプ原料に機械的処理や薬品等の添加などを行う紙料調成工程と、パルプのシート化を行う抄紙工程とを含む。
【0003】
パルプ化工程(パルプ製造工程)には、大きく分けて3種類ある。薬品を用いて化学的にパルプを取り出す方法(化学パルプ)と、木材を機械的にすりつぶしてパルプを得る方法(機械パルプ)と、古紙を原料とする方法(古紙パルプ)とである。中でも、日本では、化学パルプ及び古紙パルプが広く使用されている。
【0004】
化学パルプの一種であるクラフトパルプは、一般に、木材チップを苛性ソーダ及び硫化ソーダの混合液で蒸解する蒸解工程、パルプとリグニンとを含む黒液を分離する未晒パルプ洗浄工程、酸素とアルカリとによってパルプからリグニンを除去する酸素脱リグニン工程、及び漂白工程を経て調製される。また、古紙パルプは、一般に、古紙を水と混合しながら機械力で離解する離解工程、原料である古紙に含まれる異物を除去する除塵工程、脱墨剤を加えてインキ成分を除去する脱墨工程、パルプの脱水を行う脱水工程、及び脱水したパルプを漂白する漂白工程を経て調製される。
【0005】
クラフトパルプ及び古紙パルプの漂白方法としては、塩素を用いた方法、過酸化水素を用いた方法、二酸化塩素を用いた方法、及び次亜塩素酸塩を用いた方法といった様々な方法がある(例えば、特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-240188号公報
特開2007-162148号公報
特表2009-544857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
管理の容易さや要求白色度(明度)の高さから、パルプ化工程(パルプ製造工程)におけるパルプの漂白方法として、次亜塩素酸塩を用いた漂白が行われている。パルプ化工程で生産されたパルプ原料は、シート状に加工してパルプシートとして一旦貯蔵される場合があるが、本発明者らは、次亜塩素酸塩による漂白処理がなされた漂白パルプ(パルプ原料)は、白色度(明度)が経時的に低下するという問題を見出した。そこで、本開示は、次亜塩素酸塩を用いたパルプの漂白において、漂白パルプの経時的な白色度(明度)の低下を抑制可能な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、一態様として、次亜塩素酸塩を用いたパルプの漂白方法であって、次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うことを含む漂白方法に関する。
【0009】
本開示は、一態様として、漂白パルプの耐色性改善方法であって、次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うことを含む改善方法に関する。
【0010】
本開示は、一態様として、パルプ原料の製造方法であって、次亜塩素酸塩による漂白処理がなされるパルプスラリーに、結合塩素及び結合臭素の少なくとも一方を含む水溶液を添加して漂白前処理を行うこと、及び前記漂白前処理を行ったパルプスラリーに、次亜塩素酸塩を含む水溶液を添加して漂白処理を行うことを含む製造方法に関する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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