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公開番号2024157622
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072066
出願日2023-04-26
発明の名称クラフト紙および包装袋
出願人王子ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類D21H 21/18 20060101AFI20241031BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】比引張強度および引裂強度を両立し、さらにサイズ性に優れるクラフト紙およびこれを用いた包装袋を提供すること。
【解決手段】木材パルプを主成分とするクラフト紙であって、クラフト紙を再離解して得られる離解パルプのカナダ標準ろ水度が500mL以上であり、クラフト紙中のポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量が0.05質量%以上0.75質量%以下である、クラフト紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
木材パルプを主成分とするクラフト紙であって、
クラフト紙を再離解して得られる離解パルプのカナダ標準ろ水度が500mL以上であり、
クラフト紙中のポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量が0.05質量%以上0.75質量%以下である、
クラフト紙。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
クラフト紙を構成するパルプの重量平均繊維長が2.2mm以上3.7mm以下である、請求項1に記載のクラフト紙。
【請求項3】
木材パルプが針葉樹クラフトパルプを含む、請求項1に記載のクラフト紙。
【請求項4】
木材パルプ中の針葉樹クラフトパルプの含有量が90質量%以上である、請求項3に記載のクラフト紙。
【請求項5】
針葉樹クラフトパルプの原料が、ダグラスファーを含む、請求項3に記載のクラフト紙。
【請求項6】
比引張強度が40.0N・m/g以上である、請求項1に記載のクラフト紙。
【請求項7】
比引裂強度が10.0mN・m

/g以上である、請求項1に記載のクラフト紙。
【請求項8】
坪量が30g/m

以上200g/m

以下である、請求項1に記載のクラフト紙。
【請求項9】
ステキヒトサイズ度が12秒以上である、請求項1に記載のクラフト紙。
【請求項10】
破断伸びが3.1%以上である、請求項1に記載のクラフト紙。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クラフト紙およびこれを用いた包装袋に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
クラフト紙は主としてセメントや肥料、農薬などの産業用の重量物を入れる大型袋や塩や米麦、農産物などの包装袋に利用されている。
重量物を入れる大型袋を製造する場合には、輸送中に加えられる衝撃に耐えられる強度を持つ紙であることや、使用時の水濡れによる破れに強い紙であることが要求される。
【0003】
例えば、特許文献1には、クラフト紙の強度を下げることなく、製造コストの低減と高い通気性を実現させることを目的として、重量平均繊維長2.3~4.0mmであるクラフトパルプを用いて、離解フリーネスが600~680mLとなる紙支持体を形成していることを特徴とする重包装用クラフト紙が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-89889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1に記載の重包装用クラフト紙は、比引張強度と比引裂強度の両立については、十分な検討がされていない。さらに、サイズ性を示す指標としてのステキヒトサイズ度についても、十分な検討がされていない。
【0006】
本発明の目的は、比引張強度および比引裂強度を両立し、さらにサイズ性に優れるクラフト紙、およびこれを用いた包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、クラフト紙を再離解して得られる離解パルプのカナダ標準ろ水度、およびクラフト紙中のポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量を特定の範囲とすることで、前記課題が解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<12>に関する。
<1>木材パルプを主成分とするクラフト紙であって、クラフト紙を再離解して得られる離解パルプのカナダ標準ろ水度が500mL以上であり、クラフト紙中のポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量が0.05質量%以上0.75質量%以下である、クラフト紙。
<2>クラフト紙を構成するパルプの重量平均繊維長が2.2mm以上3.7mm以下である、<1>に記載のクラフト紙。
<3>木材パルプが針葉樹クラフトパルプを含む、<1>または<2>に記載のクラフト紙。
<4>木材パルプ中の針葉樹クラフトパルプの含有量が90質量%以上である、<3>に記載のクラフト紙。
<5>針葉樹クラフトパルプの原料が、ダグラスファーを含む、<3>または<4>に記載のクラフト紙。
<6>比引張強度が40.0N・m/g以上である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<7>比引裂強度が10.0mN・m

/g以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<8>坪量が30g/m

以上200g/m

以下である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<9>ステキヒトサイズ度が12秒以上である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<10>破断伸びが3.1%以上である、<1>~<9>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<11>重包袋用のクラフト紙である、<1>~<10>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<12><1>~<11>のいずれか1つに記載のクラフト紙を用いてなる、包装袋。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、比引張強度および比引裂強度を両立するクラフト紙およびこれを用いた包装袋を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[クラフト紙]
本実施形態のクラフト紙は、木材パルプを主成分とするクラフト紙であって、クラフト紙を再離解して得られる離解パルプのカナダ標準ろ水度が500mL以上であり、クラフト紙中のポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量が0.05質量%以上0.75質量%以下である。
本実施形態のクラフト紙は、比引張強度および比引裂強度を両立できる。さらに、本実施形態のクラフト紙は、比引張強度および比引裂強度を両立でき、さらにサイズ性にも優れる。当該効果を奏するメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。
本実施形態のクラフト紙は、木材パルプを主成分とすることによって、繊維長の比較的長いパルプにより、クラフト紙を形成することができるため、比引裂強度を優れたものとすることができる。
一方、パルプの叩解を行うほど(すなわち、クラフト紙を構成するパルプのカナダ標準ろ水度を下げるほど)、比引裂強度は下がる。これは、叩解の促進時には繊維のフィブリル化が起き、繊維間結合面積の増加によって比引張強度が向上するため、弾性率が高くなってシートが固くなり、比引裂強度が下がりやすいためと考えられる。なお、叩解の促進によって繊維が短くなることも比引裂強度が下がりやすい一因と推定される。
本実施形態のクラフト紙は、適度に叩解したパルプを使用することで、再離解して得られる離解パルプのカナダ標準ろ水度が500mL以上であることにより、上記現象による比引裂強度の低下を抑え、比引裂強度を優れたものとすることができる。
さらに、本実施形態のクラフト紙中のポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量が0.05質量%以上であることにより、繊維同士の結合点の強度が向上することで、比引張強度を向上させることができ、さらにステキヒトサイズ度を向上させることができる。一方、ポリアクリルアミド系乾燥紙力剤の含有量が0.75質量%以下であることにより、パルプ繊維同士が過度に凝集することを防ぐことができ、引裂強度の大幅な低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態のクラフト紙は、比引張強度および比引裂強度を両立し、さらにサイズ性に優れたものとできると考えられる。なお、本発明の範囲は、上記メカニズムによって制限されるものではない。
【0010】
<クラフト紙を構成するパルプ>
(木材パルプ)
本実施形態において、クラフト紙は木材パルプを主成分とする。「クラフト紙が木材パルプを主成分とする」とは、クラフト紙中の木材パルプの含有量が50質量%超であることを意味し、木材パルプの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
本実施形態において、クラフト紙は、パルプとして非木材パルプを含有してもよいが、比引張強度および比引裂強度を向上させる観点から、クラフト紙を構成する全パルプ中、木材パルプの含有量は、好ましくは50質量%超、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、上限は100質量%である。
木材パルプとしては、特に制限されず、公知の木材パルプを使用できる。具体的には、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等の機械パルプ等が挙げられる。広葉樹クラフトパルプ(LKP)としては、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が挙げられる。針葉樹クラフトパルプ(NKP)としては、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が挙げられる。また、非木材パルプとしては、例えば、古紙パルプ;ケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材繊維パルプ;合成パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、得られるクラフト紙の比引張強度および比引裂強度を向上させる観点から、針葉樹クラフトパルプ(NKP)が好ましく、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)および針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)よりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)がさらに好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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