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公開番号2024133997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044056
出願日2023-03-20
発明の名称延伸多孔フィルム及びその製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C08J 9/00 20060101AFI20240926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、薄膜であっても透気度と機械的強度のバランスに優れた延伸多孔フィルムを提供することである。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤を含む延伸多孔フィルムであって、前記ポリオレフィン系樹脂は、(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体を含み、前記無機充填剤は、(b)炭酸カルシウムを含み、前記(a)及び(b)の合計質量を100質量%としたとき、前記(b)炭酸カルシウムの含有量が、30質量%以上50質量%以下の範囲内にあり、厚みが35μm未満である、延伸多孔フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤を含む延伸多孔フィルムであって、
前記ポリオレフィン系樹脂は、(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体を含み、
前記無機充填剤は、(b)炭酸カルシウムを含み、
前記(a)及び(b)の合計質量を100質量%としたとき、前記(b)炭酸カルシウムの含有量が、30質量%以上50質量%以下であり、
厚みが35μm未満である、延伸多孔フィルム。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
190℃、2.16kgにおける、前記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、1.0g/10min~4.0g/10minである、請求項1記載の延伸多孔フィルム。
【請求項3】
前記ポリオレフィン系樹脂の密度が、0.910~0.950g/cm

である、請求項2記載の延伸多孔フィルム。
【請求項4】
190℃、2.16kgにおける、前記(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体のメルトフローレート(MFR)が、1.0g/10min~4.0g/10minである、請求項1記載の延伸多孔フィルム。
【請求項5】
前記(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体の密度が、0.910~0.950g/cm

である、請求項4記載の延伸多孔フィルム。
【請求項6】
23℃における前記延伸多孔フィルムの流れ方向(MD方向)の引張最大強度が20MPa以上である、請求項1記載の延伸多孔フィルム。
【請求項7】
突き刺し強度を厚みで除した値が0.040N/μm以上である、請求項1記載の延伸多孔フィルム。
【請求項8】
透気度が5000秒/100mL以下である、請求項1記載の延伸多孔フィルム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項記載の延伸多孔フィルムを備えた衛生用品。
【請求項10】
ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤を含む樹脂組成物を用いて樹脂シートを作製し、前記樹脂シートを少なくとも一軸方向に延伸する工程を有する延伸多孔フィルムの製造方法であって、
前記ポリオレフィン系樹脂は、(a)エチレン-(1-オクテン)共重合体を含み、
前記無機充填剤は、(b)炭酸カルシウムを含み、
前記(a)及び(b)の合計質量を100質量%としたとき、前記(b)炭酸カルシウムの含有量が、30質量%以上50質量%以下であり、
前記延伸多孔フィルムの厚みが35μm未満である、延伸多孔フィルムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸多孔フィルム及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリオレフィンと無機充填剤を含有する樹脂組成物を延伸することにより、ポリオレフィンと無機充填剤との間で界面剥離を発生させ、多数のボイド(微多孔)を形成した多孔フィルムが知られている。特に、ポリオレフィンと無機充填剤を含有する樹脂組成物からなる延伸多孔フィルムは、内部の微多孔が連通孔を形成しているため、高い透気度・透湿度を有しながらも、液体の透過を抑制した透湿防水フィルムとして利用されている。該延伸多孔フィルムは、例えば紙おむつや女性用生理用品等の衛生材料、作業服、ジャンパー、ジャケット、医療用衣服、化学防護服等の衣服、マスク、カバー、ドレープ、シーツ及びラップ等の通気性及び透湿性と防水性が求められる用途に幅広く使用されている。例えば、特許文献1には、耐候性及び耐光性が改良されたポリエチレン系多孔質フィルムとして、ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、無機充填剤を50~200質量部含んでなるフィルムを、少なくともフィルムの流れ方向に延伸して多孔化した多孔質フィルムであって、前記ポリエチレン系樹脂が、Z平均分子量(M)が30万以上であり、エチレンと炭素数が6以上のα-オレフィンとの共重合体よりなる線状低密度ポリエチレンを含んでなることを特徴とするポリエチレン系多孔質フィルムについて開示されている。
【0003】
ところで、無機充填剤による微多孔化においては、充填剤の含有量を増やすことで空孔率を上げて透気度を向上させられる一方、多孔質フィルムの強度が低下する。そこで、例えば特許文献2には、透気度と強度を兼ね備えている多孔質フィルムとして、重量平均分子量25万以上50万未満の高分子量ポリエチレン(a)と、重量平均分子量10万以上25万未満の高密度ポリエチレン(b)と、を(a)/(b)=10/90~90/10の組成比で混合したポリエチレン樹脂組成物及び充填剤(c)を含む樹脂組成物からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムであって、その透気度が厚さ25μmあたり10~1000秒/100mlであることを特徴とする多孔質フィルムが提案されている。
【0004】
また、特許文献3には、突き刺し強度等の機械的物性に優れる多孔性フィルムとして、熱可塑性樹脂と充填剤とを含む熱可塑性樹脂組成物からなり、厚み25μm当たりの突き刺し強度が1N以上2.5N未満であることを特徴とする多孔性フィルムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-161787号公報
特開2007-297583号公報
特開2007-112855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1においては、優れた耐候性を有する多孔質フィルムが開示されているが、多孔質フィルムの強度には着目されておらず、また、薄膜フィルムでの透気度と機械的強度のバランスについては考慮されていない。
一方、特許文献2及び3では、透気度と機械的強度を兼ね備えた多孔質フィルムが開示されているが、薄膜フィルムでの透気度と機械的強度のバランスは、必ずしも満足するものではなかった。
そこで、本発明の目的は、薄膜であっても透気度と機械的強度のバランスに優れた延伸多孔フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤を含む延伸多孔フィルムであり、本発明に係る第2の態様は、ポリオレフィン及び無機充填剤を含む樹脂組成物を用いて樹脂シートを作製し、次いで該樹脂シートを少なくとも一軸方向に延伸する工程を有する延伸多孔フィルムの製造方法である。
【0008】
本発明の具体的な態様の例を以下に示す。
[1] ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤を含む延伸多孔フィルムであって、
前記ポリオレフィン系樹脂は、(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体を含み、
前記無機充填剤は、(b)炭酸カルシウムを含み、
前記(a)及び(b)の合計質量を100質量%としたとき、前記(b)炭酸カルシウムの含有量が、30質量%以上50質量%以下であり、
厚みが35μm未満である、延伸多孔フィルム。
[2] 190℃、2.16kgにおける、前記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、1.0g/10min~4.0g/10minである、[1]記載の延伸多孔フィルム。
[3] 前記ポリオレフィン系樹脂の密度が、0.910~0.950g/cm

である、[1]又は[2]記載の延伸多孔フィルム。
[4] 190℃、2.16kgにおける、前記(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体のメルトフローレート(MFR)が、1.0g/10min~4.0g/10minである、[1]~[3]のいずれかに記載の延伸多孔フィルム。
[5] 前記(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体の密度が、0.910~0.950g/cm

である、[1]~[4]のいずれかに記載の延伸多孔フィルム。
[6] 23℃における前記延伸多孔フィルムの流れ方向(MD方向)の引張最大強度が20MPa以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の延伸多孔フィルム。
[7] 突き刺し強度を厚みで除した値が0.040N/μm以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の延伸多孔フィルム。
[8] 透気度が5000秒/100mL以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の延伸多孔フィルム。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の延伸多孔フィルムを備えた衛生用品。
[10] ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤を含む樹脂組成物を用いて樹脂シートを作製し、前記樹脂シートを少なくとも一軸方向に延伸する工程を有する延伸多孔フィルムの製造方法であって、
前記ポリオレフィン系樹脂は、(a)エチレン-(1-オクテン)共重合体を含み、
前記無機充填剤は、(b)炭酸カルシウムを含み、
前記(a)及び(b)の合計質量を100質量%としたとき、前記(b)炭酸カルシウムの含有量が、30質量%以上50質量%以下であり、
前記延伸多孔フィルムの厚みが35μm未満である、延伸多孔フィルムの製造方法。
[11] 190℃、2.16kgにおける、前記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、1.0g/10min~4.0g/10minである、[10]記載の延伸多孔フィルムの製造方法。
[12]
前記ポリオレフィン系樹脂の密度が、0.910~0.950g/cm

である、[10]又は[11]記載の延伸多孔フィルムの製造方法。
[13] 190℃、2.16kgにおける、前記(a)エチレン・(1-オクテン)共重合体のメルトフローレート(MFR)が、1.0g/10min~4.0g/10minである、[10]~[12]のいずれかに記載の延伸多孔フィルムの製造方法。
[14] 前記(a)エチレン-(1-オクテン)共重合体の密度が、0.910~0.950g/cm

である、[10]~[13p]のいずれかに記載の延伸多孔フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、薄膜であっても透気度と機械的強度のバランスに優れた延伸多孔フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例としての本発明の延伸多孔フィルム(以下、「本フィルム」と称す場合がある。)について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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