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公開番号2024136094
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047069
出願日2023-03-23
発明の名称横熱電変換材料、横熱電変換素子及び熱電変換モジュール
出願人国立大学法人東北大学,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 15/20 20230101AFI20240927BHJP()
要約【課題】本発明は、従来よりも大きな異常ネルンスト効果を得られる横熱電変換材料、横熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】下記式(1)で表されるシャンダイト型硫化物のコバルトサイトの一部が第10族元素で置換されるか又は前記シャンダイト型硫化物のスズサイトの一部が第13族元素で置換された横熱電変換材料であって、前記シャンダイト型硫化物とは逆符号の異常ネルンスト係数を有する、横熱電変換材料。
Co3Sn2S2 ・・・式(1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表されるシャンダイト型硫化物のコバルトサイトの一部が第10族元素で置換されるか又は前記シャンダイト型硫化物のスズサイトの一部が第13族元素で置換された横熱電変換材料であって、
前記シャンダイト型硫化物とは逆符号の異常ネルンスト係数を有する、横熱電変換材料。
Co

Sn



・・・式(1)
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記第13族元素がインジウムであり、前記スズサイトの一部がインジウムで置換された、請求項1に記載の横熱電変換材料。
【請求項3】
前記第10族元素がニッケルであり、前記コバルトサイトの一部がニッケルで置換された、請求項1に記載の横熱電変換材料。
【請求項4】
前記異常ネルンスト係数の符号が正である横熱電変換材料を含む第一の熱電変換素子と、前記異常ネルンスト係数の符号が負である請求項1~3のいずれか一項に記載の横熱電変換材料を含む第二の熱電変換素子とが、交互に配置され、ミアンダ配線状に接続された、横熱電変換素子。
【請求項5】
請求項4に記載の横熱電変換素子を備える、熱電変換モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、横熱電変換材料、横熱電変換素子及び熱電変換モジュールに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
物質に温度勾配を与えると起電力が発生する熱電変換機構として、ゼーベック効果(Seebeck effect)が知られている。ゼーベック効果では、起電力が温度勾配の方向に沿って生じる温度差に比例することから、大きな起電力を得るためには、熱源表面から垂直方向にp型モジュールとn型モジュールとを交互に設けた立体的で複雑な構造にする必要がある。このため、このような立体的な素子を大面積に展開することは困難である。
【0003】
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、異常ネルンスト効果(anomalous Nernst effect)により、温度勾配に直交する方向に電界が生じる熱電変換機構を利用した熱電変換素子(横熱電変換素子)が提案されている。異常ネルンスト効果では、温度勾配に直交する横方向の電界(横電界)から起電力が生じることから、特許文献1の熱電変換素子によれば、熱源表面に沿うように素子構造を平面的に作製することができ、大面積化及びフィルム化に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/218613号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異常ネルンスト効果は、大面積化及びフィルム化の観点で、ゼーベック効果に対して優位性があるものの、通常の磁性体を用いた異常ネルンスト効果による現状の発電量は、本格的な実用化のためには満足のいくものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、従来よりも大きな異常ネルンスト効果を得られる横熱電変換材料、横熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、異常ネルンスト係数(=横電界/温度勾配)の符号の異なる層を接続することで起電力を増幅することができることを見出した。これまでの報告例では、異常ネルンスト係数の符号の異なる層として、最適な作製プロセスや条件が大きく異なる異種物質を用いていた。そこで、本発明者等は、結晶構造が共通で、同様の作製プロセスや条件の適用が可能な物質系において、符号の異なる異常ネルンスト係数を実現することが、様々な素子応用への展開を可能にできると考えた。かかる知見に基づいて、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]下記式(1)で表されるシャンダイト型硫化物のコバルトサイトの一部が第10族元素で置換されるか又は前記シャンダイト型硫化物のスズサイトの一部が第13族元素で置換された横熱電変換材料であって、
前記シャンダイト型硫化物とは逆符号の異常ネルンスト係数を有する、横熱電変換材料。
Co

Sn



・・・式(1)
[2]前記第13族元素がインジウムであり、前記スズサイトの一部がインジウムで置換された、[1]に記載の横熱電変換材料。
[3]前記第10族元素がニッケルであり、前記コバルトサイトの一部がニッケルで置換された、[1]に記載の横熱電変換材料。
[4]前記異常ネルンスト係数の符号が正である横熱電変換材料を含む第一の熱電変換素子と、前記異常ネルンスト係数の符号が負である[1]~[3]のいずれかに記載の横熱電変換材料を含む第二の熱電変換素子とが、交互に配置され、ミアンダ配線状に接続された、横熱電変換素子。
[5][4]に記載の横熱電変換素子を備える、熱電変換モジュール。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来よりも大きな異常ネルンスト効果を得られる横熱電変換材料、横熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
カゴメ格子の配置パターンを示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る横熱電変換素子の構成を模式的に示す斜視図である。
本発明の横熱電変換素子を構成する横熱電変換材料の異常ネルンスト係数の測定手法を模式的に示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る横熱電変換材料の電気抵抗率の温度依存性を示すグラフである。
本発明の他の実施形態に係る横熱電変換材料の電気抵抗率の温度依存性を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る横熱電変換材料の異常ネルンスト係数の温度依存性を示すグラフである。
本発明の他の実施形態に係る横熱電変換材料の異常ネルンスト係数の温度依存性を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る横熱電変換材料の異常ネルンスト係数の元素置換量による変化を示すグラフである。
本発明の他の実施形態に係る横熱電変換材料の異常ネルンスト係数の元素置換量による変化を示すグラフである。
実施例で用いた横熱電変換素子を平面視した写真である。
本発明の一実施形態に係る横熱電変換素子の起電力の磁場依存性を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る横熱電変換素子の起電力の温度依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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