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公開番号
2025031600
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2024131035
出願日
2024-08-07
発明の名称
窒化アルミニウム単結晶の製造方法および窒化アルミニウム単結晶
出願人
国立大学法人東北大学
,
DOWAホールディングス株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
29/38 20060101AFI20250228BHJP(結晶成長)
要約
【課題】結晶成長速度が大きくて厚い窒化アルミニウム単結晶を製造することができると共に、サファイア基板からの剥離が容易で、透明な窒化アルミニウム単結晶を簡易に提供する。
【解決手段】本発明による窒化アルミニウム単結晶の製造方法は、合金融液の中に、所定の温度にて、AlとNとを窒化アルミニウムの飽和状態で溶解させた原料融液を調製する工程と、前記原料融液に、AlNテンプレート基板を接触させて、少なくとも前記AlNテンプレート基板の周囲を前記所定の温度より低い温度に冷却することにより、前記AlNテンプレート基板の前記AlN層側に窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程と、を含み、前記AlNテンプレート基板の前記AlN層は、C面AlN単結晶の(10-12)面のX線ロッキングカーブの半値幅が300arcsec以下である。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
Fe、NiおよびCoのうちの少なくともいずれか1種類以上の元素と、Mn、Cr,V、Ti、Te、Mo、Nb、Zr、Re、W、TaおよびHfのうちの少なくともいずれかの元素とからなる合金融液の中に、所定の温度にて、AlとNとを窒化アルミニウムの飽和状態で溶解させた原料融液を調製する工程と、
前記原料融液に、サファイア基板表面にAlN層が成膜されたAlNテンプレート基板を接触させて、少なくとも前記AlNテンプレート基板の周囲を前記所定の温度より低い温度に冷却することにより、前記AlNテンプレート基板の前記AlN層側に窒化アルミニウム単結晶を成長させる工程と、を含み、
前記AlNテンプレート基板の前記AlN層は、C面AlN単結晶の(10-12)面のX線ロッキングカーブの半値幅が300arcsec以下であり、
前記窒化アルミニウム単結晶を成長させた後、前記サファイア基板と前記窒化アルミニウム単結晶との間に空隙が形成される、窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
前記合金融液は、Fe-Cr合金融液またはFe-Cr-Ni合金融液である、請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記窒化アルミニウム単結晶を成長させた後に、前記サファイア基板から前記窒化アルミニウム単結晶を剥離する工程をさらに含む、請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記合金融液に、窒化アルミニウムを含む物質を接触させた状態で、前記物質から前記合金融液中にAlとNとが溶解して前記所定の温度で窒化アルミニウムの飽和状態になるよう、前記所定の温度で所定時間保持することにより前記原料融液を調製した後、前記原料融液に前記AlNテンプレート基板を接触させる、請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
【請求項5】
サファイア基板表面にAlN層が成膜されたAlNテンプレート基板上に形成された窒化アルミニウム単結晶であって、
前記AlNテンプレート基板の前記AlN層は、C面AlN単結晶の(10-12)面のX線ロッキングカーブの半値幅が300arcsec以下であり、
前記サファイア基板と前記窒化アルミニウム単結晶との間に空隙が形成され、
Fe、NiおよびCoのうちの少なくともいずれか1種類以上の元素と、
Mn、Cr,V、Ti、Te、Mo、Nb、Zr、Re、W、TaおよびHfのうちの少なくともいずれかの元素とを不純物元素として含む、窒化アルミニウム単結晶。
【請求項6】
サファイア基板表面にAlN層が成膜されたAlNテンプレート基板上に形成された窒化アルミニウム単結晶であって、
前記AlNテンプレート基板の前記AlN層は、断面TEM像による貫通転位密度が1×10
9
/cm
2
以下であり、
前記サファイア基板と前記窒化アルミニウム単結晶との間に空隙が形成され、
Fe、NiおよびCoのうちの少なくともいずれか1種類以上の元素と、
Mn、Cr,V、Ti、Te、Mo、Nb、Zr、Re、W、TaおよびHfのうちの少なくともいずれかの元素とを不純物元素として含む、窒化アルミニウム単結晶。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化アルミニウム単結晶の製造方法および窒化アルミニウム単結晶に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
紫外発光素子は、殺菌光源や蛍光体と組み合わせた高輝度白色光源、高密度情報記録光源、樹脂硬化光源など、幅広い用途での使用が期待される次世代光源である。この紫外発光素子は、AlGaN系窒化物半導体から成っている。
【0003】
このAlGaN系窒化物半導体の基板材料の候補として、AlGaNとの格子整合性の高さから、SiC、GaN、およびAlN(窒化アルミニウム)が挙げられる。しかし、SiCやGaNは、それぞれ380nm、365nmよりエネルギーが大きい光を吸収するため、取り出せる波長領域が制限されてしまう。一方、AlNは、AlGaNよりも広いバンドギャップを有し、SiCやGaNのような波長領域の制限がないため、紫外発光素子の基板材料として最も優れていると考えられる。しかし、AlNは、高温において高い解離圧を示すため、常圧下では融液状態にはならない。このため、シリコン単結晶のように、自身の融液からAlN単結晶を作製することは、極めて困難である。
【0004】
そこで、従来、バルクAlN単結晶を作製するために、昇華法による結晶の製造が試みられている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、昇華法を用いたAlN結晶の製造方法では、原料部で2448Kを超える高温を必要とするため、サイズおよびコストについて、実用化に耐えうる結晶を製造することは困難であるという問題があった。
【0005】
この問題を解決するために、本発明者等は、低温・常圧下で、安価かつ良質な窒化アルミニウム(AlN)結晶を得る方法として、Alを含む合金融液の表面に、Nを含む気体を接触させることにより、融液の表面に結晶を成長させるAlN単結晶の液相成長法を開発している(例えば、特許文献1参照)。この方法は、テンプレート基板などを使用しないため、成長したAlN結晶中に貫通転位やミスフィット転位、歪みが発生するのを防ぐこともできる。
【0006】
また、本発明者等は、AlN単結晶の成長速度を高めるために、Ni-Al合金融液を、融液を保持するるつぼ等のAlNを含む焼結体に接触させた状態で、合金融液中でAlNが熱力学的に不安定となる温度に加熱し、AlN焼結体の一部を融液中に溶解させる加熱工程と、加熱工程後、合金融液を熱力学的に安定となる温度まで低下させることにより、合金融液中でAlN結晶を晶出させる晶出工程とを有するAlN単結晶成長法を開発している(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、本発明者等は、Ni-Al合金融液中に温度勾配を設け、高温部にAlN焼結体を保持し、低温部でAlN結晶を晶出させることにより、加熱工程と晶出工程とを設けることなく連続的にAlN単結晶を製造することができるAlN単結晶成長法も開発している(例えば、非特許文献2参照)。
【0008】
なお、Fe融液およびFe-Cr合金融液中での、Al、N、Crの1次および2次の相互作用係数が、温度の関数として開示されている(例えば、非特許文献3および4参照)。また、Fe融液中での、AlNが生成する反応の平衡定数も、温度の関数として開示されている(例えば、非特許文献3または5参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Carsten Hartmann et. al., “Preparation of Bulk AlN Seeds by Spontaneous Nucleation of Freestanding Crystals”, Jpn. J. Appl. Phys., 2013, 52, 08JA06
宮田麟太郎、大塚誠、安達正芳、福山博之、「Ni-Al融液を用いたAlN/サファイアテンプレート基板上へのAlN成長」、日本金属学会 2022年春期 第170回講演大会予稿集、[令和5年2月9日検索]、インターネット〈URL:https://confit.atlas.jp/guide/event/jim2022spring/subject/2ISIJ107-12-03/advanced〉
Wan-Yi KIM, et. al., “Thermodynamics of Aluminum, Nitrogen and AlN formation in Liquid Iron”, ISIJ International, 2007, Vol.47, No.7, p.945-954
Jong-Oh JO, et. al., “Thermodynamic Interaction between Chromium and Aluminum in Liquid Fe-Cr Alloys Containing 26 mass% Cr”, ISIJ International, 2011, Vol. 51, No.2, p.208-213
Mitsutaka Hino and Kimihisa Ito, “THERMODYNAMIC DATA FOR STEELMAKING”, Tohoku University Press, 2010
【特許文献】
【0010】
特開2019-194133号公報
特開2022-37713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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