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公開番号
2024172832
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023090831
出願日
2023-06-01
発明の名称
III族窒化物半導体基板
出願人
パナソニックホールディングス株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
29/38 20060101AFI20241205BHJP(結晶成長)
要約
【課題】動作時の抵抗が低いデバイスを実現するため、良好なエピタキシャル層を形成可能な、高濃度に不純物添加されたIII族窒化物半導体基板を提供する。
【解決手段】III族窒化物半導体基板は、n型の伝導性を示し、n型ドーパント元素のキャリア濃度が10
19
cm
-3
以上のIII族窒化物半導体結晶と、III族窒化物半導体結晶の上に設けられ、III族窒化物半導体結晶と比べて、表面にダメージを有するIII族窒化物半導体層と、を備え、III族窒化物半導体層の厚さは、100nm以上1μm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
n型の伝導性を示し、n型ドーパント元素のキャリア濃度が10
19
cm
-3
以上のIII族窒化物半導体結晶と、
前記III族窒化物半導体結晶の上に設けられ、前記III族窒化物半導体結晶と比べて、表面にダメージを有するIII族窒化物半導体層と、
を備え、
前記III族窒化物半導体層の厚さは、100nm以上1μm以下である、III族窒化物半導体基板。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体結晶に比べて、カソードミネッセンスの発光スペクトルの最も発光強度が高い波長での発光強度が5分の1以下となる、請求項1に記載のIII族窒化物半導体基板。
【請求項3】
前記III族窒化物半導体結晶の主たるIII族元素と前記III族窒化物半導体層の主たるIII族元素とが同一である、請求項1に記載のIII族窒化物半導体基板。
【請求項4】
前記III族窒化物半導体結晶の前記n型ドーパント元素が酸素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の前記III族窒化物半導体基板。
【請求項5】
前記III族窒化物半導体結晶の中の酸素濃度が1×10
20
atoms・cm
-3
以上である、請求項4に記載の前記III族窒化物半導体基板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、III族窒化物半導体基板に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
III族窒化物半導体は、半導体レーザー及び発光ダイオード等の光デバイス、並びに高周波又は高出力の電子デバイス等の分野で使用されている。近年、これらの半導体は、シリコン系のデバイスと比較して、電力変換の際のスイッチングロスの低減が期待できることから、特に注目を集めている。高周波又は高出力の電子デバイスを作製するためには、デバイス層に発生する結晶欠陥を抑えることが可能な高品質なIII族窒化物基板上へデバイスを作製する必要がある。
【0003】
III族窒化物結晶の製造方法は、例えば、ハイドライド気相成長法(以下、HVPE法ともいう)、アモノサーマル法、ナトリウムフラックス法、及び酸化物気相成長法(以下、OVPE法ともいう)を含む。
【0004】
基板製造方法として用いられることが最も多い、HVPE法では、単体のIII族原料上にハロゲン化水素ガスを導入してハロゲン化物ガスを生成させ、生成したIII族元素のハロゲン化物ガスを結晶成長用の原料ガスとして用いる。例えば、窒化ガリウム結晶を成長させる場合、Ga金属にHClガスを導入して塩化ガリウム(例えば、GaCl)ガスを製造し、塩化ガリウム含有ガスをIII族源として用いることで、高速成長が実現できる。HVPE法では、主に、シリコン元素をIII族窒化物結晶に添加することで、N型の導電性を有するIII族窒化物結晶を得られることが知られている。
【0005】
一方、OVPE法では、酸化物原料ガスを用いることで、III族窒化物結晶に酸素元素を高濃度に添加して、結晶を製造する。この方法では、III族酸化物ガスと窒素元素含有ガスとを反応させて、III族窒化物結晶を製造する。この方法で得られている基板では、転位密度が10
4
cm
―2
台の低転位密度の基板が得られていて、高品質なIII族窒化物結晶を得る手段の一つである。
【0006】
上述のような各方法によって製造されたIII族窒化物結晶を機械的な加工もしくは化学反応などを用いて加工して、鏡面の表面を有するIII族窒化物基板を得ることができる。これら基板の上にIII族窒化物半導体のエピタキシャル膜を形成することで、デバイスを作製することができる。作製されるエピタキシャル膜は、基板の結晶品質を引き継ぐことが知られているが、そのためにはエピタキシャル層を形成する基板表面が、原子レベルで結晶としての配列が整っていて、前述の加工のダメージが除去されている必要がある(特許文献1,2)。そのために、基板表面の鏡面加工後に化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-112641号公報
特開2009-29662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記の加工及び表面の処理方法は、広く市販されているキャリア濃度が1×10
19
cm
―3
以下の窒化物半導体基板に対しては適切であり、化学機械研磨(CMP)がなされた基板の上に良好なエピタキシャル層を形成することができていた。
【0009】
しかしながら、低抵抗なデバイスを作製するため、基板のキャリア濃度をより高めるために不純物を高濃度に添加すると、窒化物半導体結晶の各原子間の結合力において、イオン結合性の力の寄与が不純物濃度の低い結晶と比べて若干大きくなるため、化学反応しやすくなる。すなわち、化学薬品で分解されやすいことや、高温にさらされると構成原子が表面から容易に脱離してしまう。そのため、CMPにおいて結晶表面に窪みが発生して荒れてしまう問題が発生することを、本発明者らは発見した。この窪みの発生には、不純物を高濃度に添加すると、結晶表面において不純物が大きな面内分布を持つことにより、CMPの加工レートに面内分布が発生し、CMP後の表面のエッチング量に分布が発生することが関係する。
【0010】
また、前述の基板上にエピタキシャル層を形成すると、エピタキシャル層形成のために基板を昇温すると基板の表面から構成原子が脱離するため、分解しやすい窪みの箇所が更に分解されて窪みのサイズが大きくなることや、新たな窪みが発生する。そのため、基板の上に形成されたエピタキシャル層に異常な結晶欠陥の発生を引き起こす場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
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