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公開番号
2025079301
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2024113141
出願日
2024-07-16
発明の名称
サファイア棒状体の製造方法
出願人
コマディール・エス アー
代理人
個人
主分類
C30B
29/20 20060101AFI20250514BHJP(結晶成長)
要約
【課題】棒状のサファイア単結晶を直接製造する方法を提供する。
【解決手段】るつぼ100は、内側開口13がある固定された第1の部分1と、るつぼの底部を形成しサファイア成長のための種結晶を形成するサファイア片からなる可動な第2の部分2とがある。第2の部分が、第1の部分の内側開口13内において並進移動可能に動くことができる。真空又は制御された雰囲気の下でるつぼ100を囲い内に配置し、囲いを加熱してるつぼを動作温度まで加熱する。供給システム3を介してるつぼに原料を供給して、るつぼ内において溶融原料を形成する。制御された速度でるつぼの底部を動かして、溶融原料を徐々に固化し、サファイア棒状体を徐々に形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
棒状の単結晶サファイアを直接製造する方法であって、
るつぼ(100)を用意するステップであって、前記るつぼには、内側開口(13)がある固定された第1の部分(1)と、前記るつぼの底部を形成しサファイア成長のための種結晶を形成するサファイア片からなる可動な第2の部分(2)とがある、ステップと、
周辺温度において前記第1の部分(1)と前記第2の部分(2)を互いに対して配置するステップであって、前記第2の部分が、前記第1の部分の前記内側開口(13)内において並進移動可能に動くことができる、ステップと、
真空又は制御された雰囲気の下で前記るつぼ(100)を囲い(4)内に配置し、前記囲い(4)を加熱して前記るつぼを動作温度まで加熱するステップと、
供給システム(3)を介して前記るつぼに原料(M)を供給して、前記るつぼ内における前記可動な第2の部分の上において溶融原料(F)を形成するステップと、
制御された速度で移動手段を介して前記るつぼの前記底部(2)を動かして、前記溶融原料を徐々に固化し、前記るつぼ(100)の前記底部(2)と同じ断面を有するサファイア棒状体(C)を徐々に形成するステップと、
原料(M)の供給を中断し、前記るつぼに残っている溶融材料(F)を完全に結晶化するステップと、
前記るつぼを周辺温度まで冷却するステップと、
種結晶に結合したサファイア棒状体を回収するステップと、
場合によって、種結晶及び/又はサファイア棒状体の一部を切断して、新しい底部と新しい種結晶の両方を形成するステップと
を含むことを特徴とする方法。
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【請求項2】
前記第1の部分の前記内側開口(13)は、円筒状であり、前記サファイア棒状体の所望の断面に実質的に対応する断面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サファイア製の前記底部(2)は円筒状であり、前記サファイア棒状体の所望の断面に対応する断面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記るつぼの前記第1の部分(1)は、モリブデン、タングステン又はこれら2つの金属の合金のような耐火性の金属によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記るつぼ(100)における動作温度は、2000℃~2100℃の範囲内である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の部分(1)と前記第2の部分(2)は、動作温度において最小のクリアランスを達成するような寸法を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記原料(M)は、純粋な又はドープされたAl
2
O
3
の化学組成を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記原料(M)は、粉砕され破砕されたサファイア、サファイア又はアルミナの溶球、又はペレット状の緻密化及び圧縮されたアルミナ粉末から選択される
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記制御された雰囲気は、中性ガスによって構成している
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記中性ガスは、アルゴンである
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状の単結晶サファイアを直接製造する方法に関する。本発明は、さらに、このようなサファイア単結晶を切断して得られた携行型時計(例、腕時計、懐中時計)ないし宝飾品の産業のための外側部品又は機能部品に関する。
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【背景技術】
【0002】
人工単結晶を得るには、化合物の過飽和溶液から得る方法、溶融化合物から得る方法、化学蒸気輸送によって得る方法のようないくつかの方法がある。
【0003】
例えば、ヴェルヌイユ法がよく知られている。ルビーとサファイアを構成する化学式がAl
2
O
3
であるコランダムを合成するには、炎の温度が約2700℃であるオキシ水素トーチH
2
+O
2
→H
2
Oを利用して到達する温度まで、温度を非常に高いレベル(2050℃にて融合)に上げる必要がある。ドープされていることもあるアルミナを微粉末の形態でバイブレーターによって挿入し、このバイブレーターが少量のアルミナの微粉末をトーチの炎に直接落とす。このようにして形成された溶融アルミナの液滴が、種結晶の頂上に落ち、その種結晶の結晶学的構成に従って結晶化する。成長している単結晶を徐々に下げ、結晶化が一定の温度において行われるようにする。合成の最後に、ボトル状の単結晶が得られる。
【0004】
しかし、ベルヌーイ法によって得られるサファイア単結晶は、転位密度が高く、局所的配向乱れを制御不能である。また、気泡、雨、その他の含有物のようなベルヌーイ単結晶に存在する他の欠陥が、例えば、完成した携行型時計用風防において、肉眼で見えることになりがちである。
【0005】
さらに、ベルヌーイ結晶の形状を効果的に制御することが比較的難しく、直径に対してせいぜい±2mmの制御を行うことができるにすぎない。
【0006】
チョコラルスキー法は、るつぼにおいて溶融槽を用いる結晶化技術である。チョコラルスキー法は、理論的には、大きさがるつぼの大きさによってのみ制限される円筒状サファイアの製造に非常に適している。引き速度が正確に制御されるため、結晶の重量を測定するセンサーを利用して平均直径を所望の値に非常に近づけることができ、この重量測定の結果は、この直径からの逸脱量を計算し、それに応じて結晶化温度を調整するために用いられる。
【0007】
しかし、平均直径を制御しても、サファイア結晶の実際の形状が理想的な円筒状から大きく逸脱することを防ぐことができないことがある。成長している結晶は、るつぼと接触しないため、その結晶の形状を制限する機械的な制約はない。エネルギーが低い平坦な面であるファセットが、引き方向に関連して発生することがある。A軸に沿って成長するようないくつかのケースでは、C軸に垂直なファセットが現れ、このことは、非常に顕著な形の異方性を発生させる。
【0008】
また、チョコラルスキー法では高さが非常に高いサファイア槽が必要である。なぜなら、結晶を形成するために用いられるすべての原料がるつぼに含まれている必要があるためである。このことによって、脱気が難しくなる。結晶が槽よりも上で成長するために、泡やマイクロバブルが結晶内に侵入する可能性がある。
【0009】
EFG(Edge-defined Film-fed Growth)技術において、溶融サファイアの槽内に浸漬されたダイの頂上で、サファイアの結晶化が行われる。ダイは、作られた結晶にその輪郭を与える。最終寸法に近づけるために、プレート、チューブ及び小さな棒状体を得ることができる。しかし、非常に薄い毛細管チャネル(1つの次元において最大0.8~1mm)を介して溶融サファイアがダイの頂上まで上昇する必要があるために、輪郭の厚みの寸法も、典型的には最大20mmに、制限される。また、槽の上で結晶化が行われるために、槽の中で形成される気泡と溶解した気体が上昇して結晶内に入ることがある。特に、マイクロバブルは、表面近くにおいて、典型的には深さ0.5mmまでの深さにおいて、系統的に現れ、これによって、作成されるサファイアの有用な部分が制限され、すべての表面をこの深さまで加工する必要性が発生する。
【0010】
マイクロプルダウン技術においては、サファイアの結晶化が溶融サファイア槽の下で行われ、このために、上記の気泡やマイクロバブルの取り込みや核形成に関する問題が抑えられる。しかし、結晶化ゾーンにおいては、常に、毛細管現象によって、すなわち、サファイア槽を含むるつぼの底部に形成された細い穴ないしスリットによって、供給され、この穴ないしスリットの下にサファイア種結晶を配置して、安定した液体メニスカスが、るつぼとこの種結晶の間に形成されるようにする必要がある。メニスカスの安定性の条件は、メニスカスの表面積が大きくなるに従って減少し、このことによって、マイクロプルダウンによってアクセスすることができる寸法を大幅に制限してしまう。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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