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公開番号
2025097812
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-01
出願番号
2023214237
出願日
2023-12-19
発明の名称
単結晶シリコンインゴットの製造方法
出願人
株式会社SUMCO
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/06 20060101AFI20250624BHJP(結晶成長)
要約
【課題】マルチプリング法を用いたCZ法において、引上げ回数の増加に伴う速度制御性の悪化を抑制することが可能な、単結晶シリコンインゴットの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の単結晶シリコンインゴットの製造方法は、マルチプリング法を用いたCZ法の引上げ工程において、石英ルツボの周囲に設けられた複数の超電導コイルから水平磁場を印加し、単結晶シリコンインゴットの2回目以降の引上げ工程のうち少なくとも1回の引上げ工程におけるBp/Bcが、単結晶シリコンインゴットの1回目の引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
石英ルツボ内にシリコン原料を充填する工程と、前記シリコン原料を加熱し溶融させて、前記石英ルツボ内にシリコン融液を形成する工程と、前記シリコン融液から単結晶シリコンインゴットを引上げる引上げ工程と、をくり返し行うことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本の単結晶シリコンインゴットを引上げるCZ法による単結晶シリコンインゴットの製造方法であって、
前記引上げ工程において、前記石英ルツボの周囲に設けられた複数の電導コイルから前記石英ルツボ内の前記シリコン融液に水平磁場を印加し、
前記シリコン融液の表面を含む水平面内において、前記石英ルツボの中心点における磁力線方向をX軸、前記石英ルツボの中心点を通り前記X軸と垂直である方向をY軸として、前記Y軸と前記石英ルツボの内壁面との交点における磁束密度Bpと、前記石英ルツボの中心点における磁束密度Bcとの比をBp/Bcとして、
前記単結晶シリコンインゴットの2回目以降の前記引上げ工程のうち少なくとも1回の前記引上げ工程におけるBp/Bcを、前記単結晶シリコンインゴットの1回目の前記引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さく設定することを特徴とする単結晶シリコンインゴットの製造方法。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
石英ルツボ内にシリコン原料を充填する工程と、前記シリコン原料を加熱し溶融させて、前記石英ルツボ内にシリコン融液を形成する工程と、前記シリコン融液から単結晶シリコンインゴットを引上げる引上げ工程と、をくり返し行うことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本の単結晶シリコンインゴットを引上げるCZ法による単結晶シリコンインゴットの製造方法であって、
前記引上げ工程において、前記石英ルツボの周囲に設けられた複数の電導コイルから前記石英ルツボ内の前記シリコン融液に水平磁場を印加し、
前記シリコン融液の表面を含む水平面内において、前記石英ルツボの中心点における磁力線方向をX軸、前記石英ルツボの中心点を通り前記X軸と垂直である方向をY軸として、前記Y軸と前記石英ルツボの内壁面との交点における磁束密度Bpと、前記石英ルツボの中心点における磁束密度Bcとの比をBp/Bcとして、
前記単結晶シリコンインゴットのn回目(nは2以上の整数の少なくとも1つ)の前記引上げ工程におけるBp/Bcを、(n-1)回目の前記引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さく設定することを特徴とする単結晶シリコンインゴットの製造方法。
【請求項3】
前記単結晶シリコンインゴットの1回目の前記引上げ工程におけるBp/Bcが、1.2以上1.5以下である、請求項1又は2に記載の単結晶シリコンインゴットの製造方法。
【請求項4】
前記磁束密度Bcが、500G以上4000G以下である、請求項1又は2に記載の単結晶シリコンインゴットの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チョクラルスキー(Czochralski,CZ)法による単結晶シリコンインゴットの製造方法に関し、特に、同一の石英ルツボを用いて複数本の単結晶シリコンインゴットを連続的に製造する、いわゆるマルチプリング法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
単結晶シリコンインゴットの代表的な製造方法として、チョクラルスキー法(CZ法)を挙げることができる。CZ法による単結晶シリコンインゴットの製造では、石英ルツボ内に多結晶シリコンなどのシリコン原料を充填し、チャンバ内でシリコン原料を加熱し溶融させてシリコン融液とする。次に、種結晶を石英ルツボ内のシリコン融液に接触させて、種結晶及び石英ルツボを所定の方向に回転させながら種結晶を徐々に上昇させることにより、種結晶の下方に単結晶シリコンインゴットを育成する。
【0003】
単結晶シリコンインゴットの製造においては、製造されるシリコンが無欠陥であることが重要であり、ルツボ内でのシリコン融液の対流や単結晶中の酸素濃度の増加を抑制する技術が知られている。特許文献1には、溶融した単結晶材料に水平磁場を印加して、溶融した単結晶材料のルツボ内での対流を抑制する単結晶引上げ装置が開示されている。また、単結晶シリコンの成長速度の速度制御性の安定は、無欠陥結晶の製造歩留向上のために重要であり、今後の半導体シリコンデバイスの微細化・高集積化に伴う、さらなる無欠陥化にも必要な技術である。
【0004】
一方、CZ法の応用として、マルチプリング法が知られている。マルチプリング法では、1本目の単結晶シリコンインゴットを引上げた後、同一の石英ルツボ内にシリコン原料を追加供給して溶融させ、得られたシリコン融液から2本目の単結晶シリコンインゴットの引上げを行う。このような原料供給工程と引上げ工程とをくり返すことにより、一つの石英ルツボを用いて複数本の単結晶シリコンインゴットを製造する。マルチプリング法によれば、インゴット1本当たりの石英ルツボの原価コストを低減することができる。また、チャンバを解体して石英ルツボを交換する頻度を低減できるため、操業効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-98622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、マルチプリング法を用いたCZ法においては、水平磁場を印加した場合においても引上げ回数が増加するにつれて速度制御性が悪化するということが判明した。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、マルチプリング法を用いたCZ法において、引上げ回数の増加に伴う速度制御性の悪化を抑制することが可能な、単結晶シリコンインゴットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意研究を進め、以下の知見を得た。すなわち、マルチプリング法を用いたCZ法において、複数の電導コイルから石英ルツボ内のシリコン融液に水平磁場を印加する際に、単結晶シリコンインゴットの2回目以降の引上げ工程におけるBp/Bcを、1回目の引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さく制御することで、引上げ回数の増加に伴う速度制御性の悪化を抑制することができる。また、n回目(nは2以上の整数の少なくとも1つ)の引上げ工程におけるBp/Bcを、(n-1)回目の引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さく制御することで、n回目の引上げにおける速度制御性の悪化を抑制することができる。なお、Bp/Bcは後記で定義される磁束密度比である。
【0009】
[1]石英ルツボ内にシリコン原料を充填する工程と、前記シリコン原料を加熱し溶融させて、前記石英ルツボ内にシリコン融液を形成する工程と、前記シリコン融液から単結晶シリコンインゴットを引上げる引上げ工程と、をくり返し行うことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本の単結晶シリコンインゴットを引上げるCZ法による単結晶シリコンインゴットの製造方法であって、
前記引上げ工程において、前記石英ルツボの周囲に設けられた複数の電導コイルから前記石英ルツボ内の前記シリコン融液に水平磁場を印加し、
前記シリコン融液の表面を含む水平面内において、前記石英ルツボの中心点における磁力線方向をX軸、前記石英ルツボの中心点を通り前記X軸と垂直である方向をY軸として、前記Y軸と前記石英ルツボの内壁面との交点における磁束密度Bpと、前記石英ルツボの中心点における磁束密度Bcとの比をBp/Bcとして、
前記単結晶シリコンインゴットの2回目以降の前記引上げ工程のうち少なくとも1回の前記引上げ工程におけるBp/Bcを、前記単結晶シリコンインゴットの1回目の前記引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さく設定することを特徴とする単結晶シリコンインゴットの製造方法。
なお、前記水平面内の前記石英ルツボの中心点における磁力線方向とは、前記磁力線を前記水平面に垂直な成分と前記水平面上の成分とに分解したときの、前記水平面上の成分の方向である。
【0010】
[2]石英ルツボ内にシリコン原料を充填する工程と、前記シリコン原料を加熱し溶融させて、前記石英ルツボ内にシリコン融液を形成する工程と、前記シリコン融液から単結晶シリコンインゴットを引上げる引上げ工程と、をくり返し行うことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本の単結晶シリコンインゴットを引上げるCZ法による単結晶シリコンインゴットの製造方法であって、
前記引上げ工程において、前記石英ルツボの周囲に設けられた複数の電導コイルから前記石英ルツボ内の前記シリコン融液に水平磁場を印加し、
前記シリコン融液の表面を含む水平面内において、前記石英ルツボの中心点における磁力線方向をX軸、前記石英ルツボの中心点を通り前記X軸と垂直である方向をY軸として、前記Y軸と前記石英ルツボの内壁面との交点における磁束密度Bpと、前記石英ルツボの中心点における磁束密度Bcとの比をBp/Bcとして、
前記単結晶シリコンインゴットのn回目(nは2以上の整数の少なくとも1つ)の前記引上げ工程におけるBp/Bcを、(n-1)回目の前記引上げ工程におけるBp/Bcよりも小さく設定することを特徴とする単結晶シリコンインゴットの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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