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公開番号
2025114885
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-06
出願番号
2022103918
出願日
2022-06-28
発明の名称
III族窒化物基板およびその製造方法
出願人
パナソニックホールディングス株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
29/38 20060101AFI20250730BHJP(結晶成長)
要約
【課題】高キャリア濃度、低抵抗、および低転位密度を満たしながら、表面平坦性の良好なIII族窒化物基板を提供する。
【解決手段】III族窒化物基板は、GaN基板上に形成されたGaNエピタキシャル層からなるIII族窒化物基板であって、不純物元素として酸素を含み、III族窒化物基板のc面について研磨された面内において、第1不純物濃度を示す第1領域と、第1不純物濃度よりも低い第2不純物濃度を示す第2領域と、を有し、第1領域の第1転位密度は、第2領域の第2転位密度よりも低く、III族窒化物基板の表面内の任意の0.2mm角の範囲で、二乗平均面粗さRMS値が10nm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
GaN基板上に形成されたGaNエピタキシャル層からなるIII族窒化物基板であって、
不純物元素として酸素を含み、
前記III族窒化物基板のc面について研磨された面内において、第1不純物濃度を示す第1領域と、
前記第1不純物濃度よりも低い第2不純物濃度を示す第2領域と、
を有し、
前記第1領域の第1転位密度は、前記第2領域の第2転位密度よりも低く、
前記III族窒化物基板の表面内の任意の0.2mm角の範囲で、二乗平均面粗さRMS値が10nm以下である、III族窒化物基板。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
前記第1領域は、前記第2領域を中心として前記第2領域の周囲を囲うように配置されている、請求項1に記載のIII族窒化物基板。
【請求項3】
さらに、前記第2領域を中心として前記第2領域の周囲を囲うように前記第1領域と周方向に交互に6つずつ配置されている第3領域を有し、
前記第3領域は、前記第1領域よりも窪んでいる、請求項2に記載のIII族窒化物基板。
【請求項4】
前記III族窒化物基板の表面内の任意の0.2mm角の範囲で、研磨傷が1個未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項5】
前記第1領域に含まれる不純物は、酸素、シリコンの群から選択される少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項6】
前記第1不純物濃度は、酸素濃度が1×10
20
/cm
3
以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項7】
前記第1領域は、m面成分から構成されており、前記第2領域は、a面成分から構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項8】
種基板を準備する工程と、
III族元素酸化物ガスと窒素元素含有ガスとを供給して、前記種基板の上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と、
前記III族窒化物結晶を研磨し、前記III族窒化物結晶の面内の任意の0.2mm角の範囲で、二乗平均面粗さRMS値を10nm以下とする、工程と、
を含む、III族窒化物基板の製造方法。
【請求項9】
前記研磨は、化学機械研磨(CMP)を含み、前記化学機械研磨の時間は、120分~700分の範囲である、請求項8に記載のIII族窒化物基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、III族窒化物基板及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
縦型GaNパワーデバイスには、低抵抗、低転位密度のGaN基板が必要とされている。例えばn型の低抵抗のGaN基板を作製する場合、ピットを形成しながら結晶成長させて、キャリア濃度を向上させること、および転位密度を低減することが行われてきた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-50107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結晶成長によって表出するピット(成長ピット)を形成する面は、m面成分とa面成分から構成されており、各々の面によって酸素等の不純物濃度やキャリア濃度が異なっていた。したがって、表面を平滑化する際の研磨工程において、各成長面における不純物濃度差やキャリア濃度差に起因した研磨速度の相違が面内にあった。研磨速度の相違は表面に凹凸を形成する。表面の凹凸は、その後のMOVPE法等で基板表面にデバイス層を形成する際に、表面モフォロジーの悪化やピットが表出する原因となっていた。
【0005】
本開示は、高キャリア濃度、低抵抗、および低転位密度を満たしながら、表面平坦性の良好なIII族窒化物基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るIII族窒化物基板は、GaN基板上に形成されたGaNエピタキシャル層からなるIII族窒化物基板であって、不純物元素として酸素を含み、III族窒化物基板のc面について研磨された面内において、第1不純物濃度を示す第1領域と、第1不純物濃度よりも低い第2不純物濃度を示す第2領域と、を有し、第1領域の第1転位密度は、第2領域の第2転位密度よりも低く、III族窒化物基板の表面内の任意の0.2mm角の範囲で、二乗平均面粗さRMS値が10nm以下である。
【0007】
本開示に係るIII族窒化物基板の製造方法は、種基板を準備する工程と、III族元素酸化物ガスと窒素元素含有ガスとを供給して、種基板の上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と、III族窒化物結晶を研磨し、III族窒化物結晶の面内の任意の0.2mm角の範囲で、二乗平均面粗さRMS値を10nm以下とする、工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るIII族窒化物基板によれば、高キャリア濃度、低抵抗、低転位密度、かつ表面平坦性が良好であり、該基板の表面へのデバイス層の形成時に、ピットの発生を抑制することができる。したがって、ダイオードやトランジスタ等を駆動させる際の耐電圧の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
OVPE法によって作製した表面CMP後のGaN基板の表面AFM像を示す図である。
OVPE法によって作製した表面CMP後のGaN基板の同一箇所の(a)表面光学顕微鏡像と、(b)表面SIMSマッピング像である。
本開示の実施の形態に係るIII族窒化物結晶の(a)時系列の製造方法を示すフローチャートと、(b)本製造方法で用いる製造装置内の上流から下流に向けての各機能単位を工程として示した際のフローチャートである。
本開示の一実施形態に係るIII族窒化物結晶の製造に用いられる製造装置の概略図である。
種基板上に成長したIII族窒化物結晶のスライス前後の概念図である。
MOVPE法による成長前のOVPE製GaN基板の二重平均面粗さRMSとMOVPE法によって成長したGaN成長層のピット密度との関係を示す図である。
OVPE製GaN基板表面(Ga面)のCMP時間と二重平均面粗さRMSとの関係を示す図である。
CMP時間が60分の場合のOVPE製GaN基板表面(Ga面)のフォトルミネッセンス像(PL像)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の態様に係るIII族窒化物基板は、GaN基板上に形成されたGaNエピタキシャル層からなるIII族窒化物基板であって、不純物元素として酸素を含み、III族窒化物基板のc面について研磨された面内において、第1不純物濃度を示す第1領域と、第1不純物濃度よりも低い第2不純物濃度を示す第2領域と、を有し、第1領域の第1転位密度は、第2領域の第2転位密度よりも低く、III族窒化物基板の表面内の任意の0.2mm角の範囲で、二乗平均面粗さRMS値が10nm以下である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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