TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025157419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2025120306,2022508526
出願日2025-07-17,2020-08-13
発明の名称SLC30A8発現を阻害するためのRNAiコンストラクト及びその使用方法
出願人アムジエン・インコーポレーテツド
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類C12N 15/113 20100101AFI20251007BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】SLC30A8遺伝子の発現を低減するためのRNAiコンストラクトを提供する。そのようなRNAiコンストラクトを使用して、前糖尿病又は糖尿病などの疾患を治療又は予防する方法も提供する。
【解決手段】センス鎖及びアンチセンス鎖を含むRNAiコンストラクトであって、アンチセンス鎖は、特定のアンチセンス配列から3ヌクレオチド以下異なる少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有する領域を含み、RNAiコンストラクトは、亜鉛トランスポーター8(SLC30A8)の発現を阻害する、RNAiコンストラクトを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
センス鎖及びアンチセンス鎖を含むRNAiコンストラクトであって、前記アンチセンス鎖は、表1に列挙されるアンチセンス配列から3ヌクレオチド以下異なる少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有する領域を含み、前記RNAiコンストラクトは、亜鉛トランスポーター8(SLC30A8)の発現を阻害する、RNAiコンストラクト。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記アンチセンス鎖は、SLC30A8のmRNA配列と相補的な領域を含む、請求項1に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項3】
前記センス鎖は、表1に列挙されるアンチセンス配列から3ヌクレオチド以下異なる少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有する領域を含む、請求項1又は2に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項4】
前記センス鎖は、約15~約30塩基対長の二重鎖領域を形成するために前記アンチセンス鎖の配列と十分に相補的な配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項5】
前記二重鎖領域は、約17~約24塩基対長である、請求項4に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項6】
前記二重鎖領域は、約19~約21塩基対長である、請求項4に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項7】
前記二重鎖領域は、19塩基対長である、請求項6に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項8】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、それぞれ約15~約30ヌクレオチド長である、請求項4~7のいずれか一項に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項9】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、それぞれ約19~約27ヌクレオチド長である、請求項8に記載のRNAiコンストラクト。
【請求項10】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、それぞれ約21~約25ヌクレオチド長である、請求項8に記載のRNAiコンストラクト。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月13日出願の米国特許出願第62/886,269号明細書の利益を主張するものであり、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,200 文字)【0002】
本発明は、亜鉛トランスポーター8(SLC30A8又はZnT8)の膵臓での発現を調節するための組成物及び方法に関する。特に、本発明は、RNA干渉を介してSLC30A8発現を低減するための、核酸をベースとする治療薬及び糖尿病などの疾患を治療又は予防するために、そのような核酸をベースとする治療薬を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
約8000万人の米国人は、耐糖能異常又は空腹時血糖上昇によって定義される前糖尿病であると推定される。さらに、推定2100万人の米国人が2型糖尿病である。進行性ベータ細胞不全は、糖尿病進行の主な原因である。インスリン産生β細胞量及び機能を維持することは、あらゆる型の糖尿病における疾患進行を減弱させるために重要である。亜鉛トランスポーター8としても知られる溶質輸送体ファミリー30メンバー8(SLC30A8又はZnT8)は、カチオン拡散促進剤タンパク質(CDF)ファミリーに属する。ヒトSLC30A8の2つの転写産物は、アイソフォームA(369アミノ酸)とアイソフォームB(319アミノ酸)とをコードする。アイソフォームBは、代替開始コドンによりアイソフォームAと異なるため、アイソフォームAのN末端の50のアミノ酸を含まない短い形態のタンパク質を産生する。SLC30A8は、膵島ベータ細胞でほぼ独占的に発現され、そこでインシュリン分泌顆粒にサイトゾル亜鉛を輸送する。顆粒内では、Zn
2+
は、インスリンと結合して結晶性六量体を形成する。最近のゲノムワイド関連解析(GWAS)において、SLC30A8のコモンバリアント(p.W325R)は、より高い亜鉛トランスポーター活性を示し、2型糖尿病(T2D;Sladek R and Montpetit A(2007)Nature 445 881-885、Merriman C,and Fu D.,(2016)JBC 29153:26950)のリスクの増加と関連している。さらに、deCODEなどによって発見された複数のSLC30A8機能喪失変異(LOF)は、T2Dのリスクを約65%減少させた(Flannick J and Altshuler D.,(2014)Nature Genetics 46:357、Flannick J and Boehnke M(2019)Nature 570:71-76)。したがって、ZnT8活性の増加は、T2Dを発症するより高いリスクと関連し、ZnT8活性の減少は、T2Dのリスクの減少と関連している。ヒトの遺伝学的データ及び生化学的機能の解析は、ZnT8阻害が前糖尿病のT2Dへの進行の予防に有益である可能性を強く示唆している。
【0004】
治療的遺伝子サイレンシングは、前臨床及び臨床研究において有望な結果を示す新たな技術である。低分子干渉RNA(siRNA)は、疾患を引き起こすタンパク質の産生を阻止する新たな薬物モダリティである。SiRNAは、いわゆる「ドラッガブル標的クラス」に限定されることなく、任意の遺伝子の転写物を標的とするように設計することができる。
【0005】
SLC30A8活性のサイレンシングは、前糖尿病又は糖尿病を有する個体に利益をもたらすことが提唱されている。したがって、SLC30A8機能を標的とする新規の治療薬は、SLC30A8レベルを低減し、糖尿病などの疾患を治療する新規の手法となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Sladek R and Montpetit A(2007)Nature 445 881-885
Merriman C,and Fu D.,(2016)JBC 29153:26950
Flannick J and Altshuler D.,(2014)Nature Genetics 46:357
Flannick J and Boehnke M(2019)Nature 570:71-76
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、SLC30A8遺伝子を標的化し、膵島ベータ細胞などの膵臓細胞におけるSLC30A8の発現を低減するRNAiコンストラクトの設計及び生成に部分的に基づいている。SLC30A8発現の配列特異的阻害は、前糖尿病又は糖尿病などのSLC30A8発現と関連する病態の治療又は予防に有用である。したがって、一実施形態では、本発明は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含むRNAiコンストラクトであって、アンチセンス鎖は、SLC30A8のmRNA配列と相補的な配列を有する領域を含む、RNAiコンストラクトを提供する。特定の実施形態では、アンチセンス鎖は、表1に列挙されるアンチセンス配列からの少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有する領域を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRNAiコンストラクトのセンス鎖は、約15~約30塩基対長の二重鎖領域を形成するためにアンチセンス鎖の配列と十分に相補的な配列を含む。これらの及び他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、それぞれ約15~約30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、少なくとも1つの平滑末端を含む。他の実施形態において、RNAiコンストラクトは、少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを含む。そのようなヌクレオチドオーバーハングは、少なくとも1~6つの不対ヌクレオチドを含み得、且つセンス鎖の3’末端、アンチセンス鎖の3’末端又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方の3’末端に位置し得る。特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の3’末端及びアンチセンス鎖の3’末端に2つの不対ヌクレオチドのオーバーハングを含む。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端に2つの不対ヌクレオチドのオーバーハングを、且つセンス鎖の3’末端/アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む。
【0009】
本発明のRNAiコンストラクトは、リボース環、核酸塩基又はホスホジエステル骨格への修飾を有するヌクレオチドを含む1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、1つ以上の2’-修飾ヌクレオチドを含む。そのような2’-修飾ヌクレオチドは、2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル修飾ヌクレオチド、2’-O-アリル修飾ヌクレオチド、二環式核酸(BNA)、グリコール核酸(GNA)、反転塩基(例えば、反転アデノシン)又はそれらの組み合わせを含み得る。特定の一実施形態では、RNAiコンストラクトは、1つ以上の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトのセンス鎖及びアンチセンス鎖の全てのヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである。
【0010】
いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、修飾ヌクレオチド間又はヌクレオシド間結合などの少なくとも1つの骨格修飾を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAiコンストラクトは、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。特定の実施形態では、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3’又は5’末端に配置され得る。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

個人
抗遺伝子劣化装置
3か月前
個人
細胞内探査とその利用
3か月前
雪国アグリ株式会社
単糖類の製造方法
1か月前
三洋化成工業株式会社
細胞培養用担体
3日前
個人
細胞培養容器
4か月前
日本バイリーン株式会社
細胞用支持基材
5か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
5か月前
株式会社東洋新薬
経口組成物
3か月前
サッポロビール株式会社
飲料
5か月前
日油株式会社
蛋白質安定化剤
4か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
3か月前
学校法人近畿大学
培養肉の製造方法
6か月前
テルモ株式会社
吐出デバイス
2か月前
東洋紡株式会社
改変型RNAポリメラーゼ
4か月前
株式会社タクマ
バイオマス処理装置
3か月前
島根県
油吸着材とその製造方法
1か月前
東ソー株式会社
pH応答性マイクロキャリア
2か月前
テルモ株式会社
容器蓋デバイス
2か月前
宝酒造株式会社
アルコール飲料
2か月前
大陽日酸株式会社
培養装置
3か月前
大陽日酸株式会社
培養装置
3か月前
トヨタ自動車株式会社
バイオ燃料製造方法
2か月前
株式会社ファンケル
SEC12タンパク発現促進剤
4か月前
個人
有機フッ素化合物を分解する廃液処理法
1か月前
株式会社豊田中央研究所
細胞励起装置
2か月前
株式会社東海ヒット
灌流培養ユニット
5か月前
月桂冠株式会社
低プリン体清酒
1か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
4か月前
アサヒビール株式会社
柑橘風味アルコール飲料
4か月前
オンキヨー株式会社
浸漬酒の製造方法、及び、浸漬酒
5か月前
個人
ナノ微粒子の製造方法
5か月前
ヤマト科学株式会社
インキュベータ
6か月前
株式会社シャローム
スフィンゴミエリン製造方法
3か月前
株式会社カクサスバイオ
新規免疫抑制方法
19日前
テルモ株式会社
採取組織細切補助デバイス
2か月前
個人
超音波機能着きウィスキー熟成ボトル用のキャップ
6か月前
続きを見る