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公開番号
2025064299
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2023173936
出願日
2023-10-05
発明の名称
種結晶基板および種結晶基板付黒鉛サセプタ
出願人
株式会社豊田中央研究所
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
29/38 20060101AFI20250410BHJP(結晶成長)
要約
【課題】基板表面の温度制御性の高い種結晶基板を提供する。
【解決手段】種結晶基板は、表面にGaN種結晶を有する基板と、基板の裏面に形成される密着層と、密着層を覆う炭素膜とを備え、基板は、GaN単結晶基板またはGaN膜付サファイア基板からなり、密着層は、Siを含む。
これにより、種結晶基板は、裏面側に赤外放射率の高い炭素膜が配されることになり、低圧条件下においても輻射による放熱を十分に確保できる。
このため、基板表面の温度の制御性を高めることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
表面にGaN種結晶を有する基板と、
前記基板の裏面に形成される密着層と、
前記密着層を覆う炭素膜と
を備え、
前記基板は、GaN単結晶基板またはGaN膜付サファイア基板からなり、
前記密着層は、Siを含む
種結晶基板。
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【請求項2】
前記密着層は、厚さが10nm以上200nm以下である請求項1に記載の種結晶基板。
【請求項3】
前記炭素被膜は、厚さが5nm以上100nm以下である請求項1に記載の種結晶基板。
【請求項4】
前記炭素被膜の裏面側に配される膨張黒鉛シートと、
前記炭素被膜と前記膨張黒鉛シートとを接合する接合層と
をさらに備える請求項1~3のいずれか1項に記載の種結晶基板。
【請求項5】
前記接合層は、
黒鉛粒子と、
前記黒鉛粒子間に介在する炭素層と
を備える請求項4に記載の種結晶基板。
【請求項6】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の種結晶基板と、
前記種結晶基板の裏面側に配される黒鉛サセプタと、
前記種結晶基板を前記黒鉛サセプタに固定する固定層と
を備え、
前記基板と前記黒鉛サセプタとの平均熱膨張係数の差の絶対値が0.5×10
-6
K
-1
以下である
種結晶基板付黒鉛サセプタ。
【請求項7】
前記固定層は、
黒鉛粒子と、
前記黒鉛粒子間に介在する炭素層と
を備える請求項6に記載の種結晶基板付黒鉛サセプタ。
【請求項8】
請求項4に記載の種結晶基板と、
前記種結晶基板の裏面側に配される黒鉛サセプタと、
前記種結晶基板を前記黒鉛サセプタに固定する固定層と
を備える種結晶基板付黒鉛サセプタ。
【請求項9】
前記基板と前記黒鉛サセプタとの平均熱膨張係数の差の絶対値が0.5×10
-6
K
-1
以下である請求項8に記載の種結晶基板付黒鉛サセプタ。
【請求項10】
前記固定層は、
黒鉛粒子と、
前記黒鉛粒子間に介在する炭素層と
を備える請求項8に記載の種結晶基板付黒鉛サセプタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、種結晶基板および種結晶基板付黒鉛サセプタに関し、さらに詳しくは、表面にGaN種結晶を有する種結晶基板および表面にGaN種結晶を有する種結晶基板付黒鉛サセプタに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、GaN(窒化ガリウム)は、LED、レーザー等の光デバイスを中心に広く利用されている。また、GaNは、ワイドギャップ半導体(バンドギャップ:3.39eV)であり、絶縁電界破壊強度が高く、ドリフト層を薄くすることができオン抵抗を下げることが可能なため、光デバイスばかりではなくパワーデバイスへの応用も期待されている。
【0003】
GaNの結晶成長には、いくつかの手法が知られている。例えば、比較的膜厚の薄い数μm程度までの結晶成長には、分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属気相成長(MOVPE)法が用いられている。一方、膜厚が10μmを超える自立基板の結晶成長には、ハイドライド気相成長(HVPE)法が用いられている。
【0004】
結晶成長レートが高く(≒100μm/h)、自立基板作成に適しているHVPE法であるが、反応容器である石英からのオートドープにより、成長結晶中にO不純物が不可避的に混入してしまう。O不純物は、GaN結晶中ではドナーとして働くため、GaN単結晶の品質としては問題があった。
【0005】
そこで、高品質、大口径、低コストのGaN自立基板作成用の結晶成長法として非特許文献1に記載のハロゲンフリー気相成長(HF-VPE)法が提案されている。
非特許文献1には、
(1)溶融Gaを保持し、高温に保たれる坩堝と、
(2)NH
3
ガス供給源と、
(3)表面にGaN種結晶を有し、坩堝に対向する種結晶基板と
を備える構成が開示されている。
同文献1には、HF-VPE法では結晶成長レートが高く(>100μm/h)、結晶成長レートの安定性も高いことが開示されている。
【0006】
しかし、非特許文献1におけるHF-VPE法では、低圧条件下(<10kPa)での結晶成長であるため、気体の熱伝導に頼ることができず基板の放熱が滞ることがあった。これは、基板をGaN単結晶基板またはGaN膜付サファイア基板とした場合に基板裏面側の赤外放射率εが著しく小さい(ε=02~0.4)ことに起因している。即ち、基板の放熱を輻射に頼らざるを得ない状況下において、上記基板では赤外放射率εが低いため過度に熱がこもりやすくなっていることになる。
【0007】
このため、基板がオーバーヒートし、基板表面温度が安定しないことがあった。
そこで、種結晶基板を黒鉛サセプタ等の他部材に接触させ、他部材に熱伝導させることで放熱させる対策が考えられるが、低圧条件下においては、単に他部材と接触させるだけでは十分な放熱効果は得られない。
基板表面温度の変動は、結晶成長レート、結晶成長レートの安定性を阻害するものであるため、基板の表面温度の制御に関してはより一層の改善が必要である。
【0008】
そこで、以下に示すような種々の提案がなされている。
特許文献1には、
(1)表面に種結晶を有するSiC基板と、
(2)SiC基板の裏面に形成される炭素膜と、
(3)炭素膜と、炭素膜の裏面側に配される支持部との間に介挿されSiC基板を支持部に固定する炭素系接着剤由来の炭素固定層と
を備える種結晶基板付支持部が開示されている。
【0009】
特許文献2には、
(1)表面に種結晶を有するSiC基板と、
(2)SiC基板の裏面と支持部との間に介挿され、SiC基板を支持部に固定するポリカルボシラン系接着剤由来のSiC固定層と
を備える種結晶基板付支持部が開示されている。
【0010】
ここで、非特許文献1の基板と他部材とを特許文献1に記載の炭素系接着剤で接合することで基板の放熱を改善できるとの意見があるかもしれない。しかし、表面にGaN種結晶を有する基板としては、一般的にサファイア基板、または、GaN単結晶基板があるが、ともに炭素膜に対する密着性が非常に悪い。このことは、炭素系接着剤であっても同様であり、サファイア基板、および、GaN単結晶基板を炭素系接着剤によって他部材と接合することは困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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