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公開番号2025017162
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023120088
出願日2023-07-24
発明の名称結晶成長装置の設計方法
出願人SECカーボン株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C30B 29/36 20060101AFI20250129BHJP(結晶成長)
要約【課題】所望の形状のインゴットを製造するための結晶成長装置の設計方法を提供する。
【解決手段】結晶成長装置の設計方法は、遮蔽板と種結晶との鉛直方向に係る離間距離に関連する第一情報と、前記遮蔽板の開口の径に関連する第二情報とを含む指標値と、成長させる単結晶上の異なる位置における成長速度の比率との相関関係を取得する工程(a)と、製造対象となるインゴットの目標形状から、前記単結晶上の異なる位置における成長速度の目標比率を算出する工程(b)と、前記相関関係に基づいて、前記工程(b)で算出された前記目標比率に対応する前記指標値である、目標指標値を導出する工程(c)と、前記目標指標値から、前記遮蔽板と前記種結晶との前記鉛直方向に係る離間距離と、前記遮蔽板の前記開口の径を決定する工程(d)と、を有する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
原料が加熱されることで得られた原料昇華ガスを利用して、種結晶から単結晶を成長させてインゴットを製造する、結晶成長装置の設計方法であって、
前記結晶成長装置は、
前記原料を収容する原料収容部と、
前記原料収容部よりも鉛直上方の位置に設置され、前記種結晶を固定する台座と、
前記原料収容部と前記台座との間に配置され、中央に開口を有する遮蔽板と、を備え、
前記遮蔽板と前記種結晶との鉛直方向に係る離間距離に関連する第一情報と、前記遮蔽板の前記開口の径に関連する第二情報とを含む指標値と、前記単結晶上の異なる位置における成長速度の比率との相関関係を取得する工程(a)と、
製造対象となるインゴットの目標形状から、前記単結晶上の異なる位置における成長速度の目標比率を算出する工程(b)と、
前記相関関係に基づいて、前記工程(b)で算出された前記目標比率に対応する前記指標値である、目標指標値を導出する工程(c)と、
前記目標指標値から、前記遮蔽板と前記種結晶との前記鉛直方向に係る離間距離と、前記遮蔽板の前記開口の径を決定する工程(d)と、を有することを特徴とする、結晶成長装置の設計方法。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記単結晶上の異なる位置は、前記開口の端を通り、かつ、前記種結晶の表面に直角に交わる基準線が、前記単結晶の表面と交わる第一位置と、前記第一位置の径方向外側にあり、前記表面に位置する第二位置と、を含み、
前記指標値及び前記目標指標値は、前記端から前記第二位置に向かう仮想線と前記基準線との間になす角θの余弦の値(cosθ)であることを特徴とする、請求項1に記載の結晶成長装置の設計方法。
【請求項3】
前記相関関係は、前記開口の径の変化が変化しても同じ関数で表すことが可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の結晶成長装置の設計方法。
【請求項4】
前記工程(d)では、前記結晶成長装置を使用して前記単結晶のインゴットを製造する際の、前記原料の昇華速度Saと、前記遮蔽板がない結晶成長装置を使用して前記単結晶のインゴットを製造する際の前記原料の昇華速度Svについて、(1)式を満たすように、前記遮蔽板と前記原料との離間距離を決定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の結晶成長装置の設計方法。
Sa ≧ 0.7 × Sv ・・・(1)
【請求項5】
前記工程(d)では、(2)式を満たすように、前記遮蔽板と前記原料との離間距離及び前記遮蔽板の前記開口の径を設計することを含むことを特徴とする、請求項4に記載の結晶成長装置の設計方法。
Sa ≧ 0.9 × Sv ・・・(2)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原料が加熱されることで得られた原料昇華ガスを利用して、種結晶から単結晶を成長させてインゴットを製造する、結晶成長装置の設計方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを製造するために単結晶基板が使用されている。単結晶基板は、単結晶のインゴットを切り出して製造される。斯かるインゴットの製造方法には各種製法がある。炭化珪素のインゴットを製造する場合の製造方法として、結晶成長装置の容器内にインゴットの原料と種結晶とを配置し、当該容器を加熱して原料を加熱昇華させ、種結晶上に単結晶を成長させてインゴットを製造する、昇華再結晶法がある。
【0003】
特許文献1は、昇華再結晶法に使用する結晶成長装置の容器を開示している。同文献には、炭化珪素粉末の原料と、台座に固定した種結晶を有する容器が記載され、この容器を使用して、種結晶上に単結晶を成長させてインゴットを製造する。さらに、同文献には、容器に付着する多結晶を低減し、種結晶上に単結晶が集中的に堆積するように、原料と種結晶との間に、開口を有する遮蔽板を配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-295595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結晶表面における単結晶成長速度は、必ずしも一様ではなく、局所的に異なることが多い。そして、局所的な結晶成長速度は、インゴットの局所的な厚みに影響を与える。つまり、結晶成長速度が局所的に異なるため、成長して得られたインゴットの形状は、一様な厚みの柱状とならないことが多い。また、単結晶成長過程において、結晶成長速度が局所的に大きく異なると、単結晶中に多型のポリタイプが混入することがあり、高品質な単結晶を得ることが難しい。
【0006】
一方、製造するインゴットには、製品として目標とするべき形状及び寸法がある(本明細書では、「目標とするべき形状及び寸法」を、単に「目標形状」という)。インゴットを目標形状に近づけるには、結晶表面における局所的な結晶成長速度を精緻に制御する必要がある。局所的な結晶成長速度を精緻に制御するために、これまで、容器内の温度分布を制御することが検討されてきた。しかしながら、容器内の温度分布の制御だけでは、インゴットを目標形状に近づけることに限界があった。
【0007】
そこで、本発明者らは、所望の形状のインゴットを得るため、容器内の温度分布の制御ではなく、昇華した原料ガスの流れの制御に着目した。昇華した原料ガスの流れを制御するためには、結晶成長装置である容器の設計を見直す必要がある。本発明が解決しようとする課題は、局所的な結晶成長速度を精緻に制御し、目標形状のインゴットを製造するための結晶成長装置の設計方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、昇華した原料ガスの流れに影響を与えるものとして、原料と種結晶との間に配置された遮蔽板に着目し、遮蔽板に関係する設計パラメータと、局所的な結晶成長速度に関するパラメータとの関係について研究を開始した。鋭意研究の結果、本発明者らは、遮蔽板を備える結晶成長装置における、前記遮蔽板と前記種結晶との鉛直方向に係る離間距離に関連する第一情報と、前記遮蔽板の前記開口の径に関連する第二情報とを含む指標値が、単結晶上の異なる位置における成長速度の比率と相関関係を有することを見出した。上述したように、局所的な結晶成長速度がインゴットの形状に影響を与える。そうすると、見出した前記相関関係を利用することで、インゴットの目標形状から遮蔽板に関係する設計パラメータを逆算し、目標形状のインゴットを製造するのに適した結晶成長装置を設計できることに、本発明者らは気付いた。
【0009】
本発明は、原料が加熱されることで得られた原料昇華ガスを利用して、種結晶から単結晶を成長させてインゴットを製造する、結晶成長装置の設計方法であって、
前記結晶成長装置は、
前記原料を収容する原料収容部と、
前記原料収容部よりも鉛直上方の位置に設置され、前記種結晶を固定する台座と、
前記原料収容部と前記台座との間に配置され、中央に開口を有する遮蔽板と、を備え、
前記遮蔽板と前記種結晶との鉛直方向に係る離間距離に関連する第一情報と、前記遮蔽板の前記開口の径に関連する第二情報とを含む指標値と、前記単結晶上の異なる位置における成長速度の比率との相関関係を取得する工程(a)と、
製造対象となるインゴットの目標形状から、前記単結晶上の異なる位置における成長速度の目標比率を算出する工程(b)と、
前記相関関係に基づいて、前記工程(b)で算出された前記目標比率に対応する前記指標値である、目標指標値を導出する工程(c)と、
前記目標指標値から、前記遮蔽板と前記種結晶との前記鉛直方向に係る離間距離と、前記遮蔽板の前記開口の径を決定する工程(d)と、を有することを特徴とする、結晶成長装置の設計方法である。この設計方法で結晶成長装置を設計することにより、製造するインゴットを、目標形状に近づけることができる。
【0010】
前記結晶成長装置の設計方法において、
前記単結晶上の異なる位置は、前記開口の端を通り、かつ、前記種結晶の表面に直角に交わる基準線が、前記単結晶の表面と交わる第一位置と、前記第一位置の径方向外側にあり、前記表面に位置する第二位置と、を含み、
前記指標値は、前記端から前記第二位置に向かう仮想線と前記基準線との間になす角θの余弦の値(cosθ)であっても構わない。
(【0011】以降は省略されています)

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