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公開番号2025024566
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128764
出願日2023-08-07
発明の名称窒化物結晶基板の製造方法および剥離中間体
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/38 20060101AFI20250213BHJP(結晶成長)
要約【課題】再成長層を安定的に成長させる。
【解決手段】窒化物結晶基板の製造方法は、(a)基板を準備する工程と、(b)基板の上方に、n型のIII族窒化物結晶を含む中間層を形成する工程と、(c)中間層上に、中間層のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度を有するIII族窒化物結晶を含むカバー層を形成する工程と、(d)電気化学処理により、カバー層の表面状態を維持しつつ、カバー層における転位を通して中間層をポーラス状にする工程と、(e)カバー層上に、III族窒化物結晶からなる再成長層をエピタキシャル成長させる工程と、(f)ポーラス状にした中間層の少なくとも一部を境として、再成長層を基板から剥離させる工程と、を備え、(e)は、(e1)第1成長温度にてカバー層上に第1再成長層を成長させる工程と、(e2)第2成長温度にて第1再成長層上に第2再成長層を成長させる工程と、を有し、(e1)では、第1成長温度を第2成長温度よりも低くする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(a)基板を準備する工程と、
(b)前記基板の上方に、n型のIII族窒化物結晶を含む中間層を形成する工程と、
(c)前記中間層上に、前記中間層のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度を有するIII族窒化物結晶を含むカバー層を形成する工程と、
(d)電気化学処理により、前記カバー層の表面状態を維持しつつ、前記カバー層における転位を通して前記中間層をポーラス状にする工程と、
(e)前記カバー層上に、III族窒化物結晶からなる再成長層をエピタキシャル成長させる工程と、
(f)ポーラス状にした前記中間層の少なくとも一部を境として、前記再成長層を前記基板から剥離させる工程と、
を備え、
(e)は、
(e1)第1成長温度にて前記カバー層上に第1再成長層を成長させる工程と、
(e2)第2成長温度にて前記第1再成長層上に第2再成長層を成長させる工程と、
を有し、
(e1)では、
前記第1成長温度を前記第2成長温度よりも低くする
窒化物結晶基板の製造方法。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
(b)では、
前記中間層の厚さを100nm超とする
請求項1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項3】
(c)では、
前記カバー層の厚さを10nm以上とする
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項4】
(e1)では、
前記第1成長温度を970℃以下とする
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項5】
(e1)では、
前記第1再成長層の厚さを1μm以上とする
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項6】
(e2)では、
前記第2成長温度を980℃以上とする
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項7】
(e1)では、
前記第1再成長層の少なくとも一部に(0001)面以外の傾斜界面を生じさせ、
(e2)では、
前記傾斜界面を徐々に縮小させ、鏡面化された表面を有する前記第2再成長層を成長させる
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項8】
(e1)では、
前記第1成長温度で維持し、前記第1再成長層の厚さが所定厚さとなったときに、前記第1再成長層の成長を終了させ、
(e2)では、
前記第1成長温度から前記第2成長温度まで成長温度を上昇させた後に、前記第2再成長層として前記再成長層の成長を再開させる
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項9】
(e1)では、
前記第1再成長層を成長させながら、前記第1成長温度から前記第2成長温度に向けて成長温度を徐々に上昇させる
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法により得られる剥離中間体であって、
少なくとも、前記カバー層と、前記再成長層と、を備える
剥離中間体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化物結晶基板の製造方法および剥離中間体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
III族窒化物結晶からなる窒化物結晶基板を得る製造方法として、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-178984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、再成長層を安定的に成長させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様によれば、
(a)基板を準備する工程と、
(b)前記基板の上方に、n型のIII族窒化物結晶を含む中間層を形成する工程と、
(c)前記中間層上に、前記中間層のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度を有するIII族窒化物結晶を含むカバー層を形成する工程と、
(d)電気化学処理により、前記カバー層の表面状態を維持しつつ、前記カバー層における転位を通して前記中間層をポーラス状にする工程と、
(e)前記カバー層上に、III族窒化物結晶からなる再成長層をエピタキシャル成長させる工程と、
(f)ポーラス状にした前記中間層の少なくとも一部を境として、前記再成長層を前記基板から剥離させる工程と、
を備え、
(e)は、
(e1)第1成長温度にて前記カバー層上に第1再成長層を成長させる工程と、
(e2)第2成長温度にて前記第1再成長層上に第2再成長層を成長させる工程と、
を有し、
(e1)では、
前記第1成長温度を前記第2成長温度よりも低くする
窒化物結晶基板の製造方法が提供される。
【0006】
本開示の他の態様によれば、
上述の窒化物結晶基板の製造方法により得られる剥離中間体であって、
少なくとも、前記カバー層と、前記再成長層と、を備える
剥離中間体が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、再成長層を安定的に成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示すフローチャートである。
図2Aは、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図2Bは、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図3Aは、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図3Bは、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図4は、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図5は、本開示の一実施形態に係る再成長工程の温度変化を示す図である。
図6は、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図7は、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図8は、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図9は、本開示の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示す概略断面図である。
図10は、変形例1に係る再成長工程の温度変化を示す図である。
図11は、比較例の再成長工程の温度変化を示す図である。
図12は、比較例の再成長温度まで昇温したときの状態を示す概略断面図である。
図13は、実験1で883℃に加熱した種基板の表面を光学顕微鏡により観察した図である。
図14は、実験1で963℃に加熱した種基板の表面を光学顕微鏡により観察した図である。
図15は、実験1で1033℃に加熱した種基板の表面を光学顕微鏡により観察した図である。
図16は、実験2のサンプルA1における剥離した再成長層の表面を光学顕微鏡により観察した図である。
図17は、実験2のサンプルC4における剥離した再成長層の表面を光学顕微鏡により観察した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<発明者等が得た知見>
発明者等は、窒化物結晶基板の製造方法として、以下の方法を検討した。まず、基板上に、III族窒化物結晶を含む中間層およびカバー層をこの順で成長させ、当該積層体に対して電気化学処理を行った。これにより、中間層をポーラス状とした種基板を作製した。次に、当該種基板を用い、種基板上に、厚膜のIII族窒化物結晶層を再成長させた。その後、III族窒化物結晶層をスライスすることで、窒化物結晶基板を得た。当該検討において、発明者等は、以下の知見を見出した。
【0010】
カバー層成長工程後に、成長温度から室温に降温すると、基板と、中間層およびカバー層との線膨張係数差に起因して、カバー層の表面が凸となるように積層体全体が反っていた(後述の図3Bに相当する状態)。
(【0011】以降は省略されています)

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