TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025050406
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023159185
出願日
2023-09-22
発明の名称
3C-SiC膜の結晶性評価方法
出願人
信越半導体株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/36 20060101AFI20250327BHJP(結晶成長)
要約
【課題】
単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長させた3C-SiC膜の結晶性を、ウェーハの加工作業を必要とせずに、簡易にかつ非破壊で結晶性を評価する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長させた3C-SiC膜の結晶性評価方法であって、前記ヘテロエピタキシャルウェーハのWARP値とStoneyの式を用いて得られた前記基板に掛かる応力値から、前記ヘテロエピタキシャルウェーハの3C-SiC膜の結晶性を判断することを特徴とする3C-SiC膜の結晶性評価方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長させた3C-SiC膜の結晶性評価方法であって、
減圧CVD装置を用いて、WARP値が既知である複数の単結晶シリコン基板上に異なる条件で3C-SiCをヘテロエピタキシャル成長させて、3C-SiC膜の結晶性が異なる複数の基準値設定用サンプルを用意し、
前記複数の基準値設定用サンプルについてそれぞれWARP値を測定し、
前記ヘテロエピタキシャル成長前後のWARP値をStoneyの式に代入して、前記複数の基準値設定用サンプルの単結晶シリコン基板に掛かる応力値を算出し、
前記複数の基準値設定用サンプルについてXRD測定を行い、得られたXRDスペクトルを用いて前記複数の基準値設定用サンプルの3C-SiC膜の結晶性を評価し、
前記XRDスペクトルを用いた結晶性の評価において結晶性が良好と判断された前記基準値設定用サンプルの内、前記応力値が最も低いサンプルの応力値を基準応力値として設定しておき、
WARP値が既知である単結晶シリコン基板上に3C-SiCをヘテロエピタキシャル成長させた、評価対象であるヘテロエピタキシャルウェーハのWARP値を測定し、
前記ヘテロエピタキシャル成長前後のWARP値をStoneyの式に代入して、前記評価対象であるヘテロエピタキシャルウェーハの単結晶シリコン基板に掛かる応力値を算出し、
前記基準応力値と、前記評価対象の応力値とを比較し、前記評価対象の応力値が前記基準応力値以上の場合に、前記評価対象のヘテロエピタキシャルウェーハの3C-SiC膜が良好な結晶性を有していると判断することを特徴とする3C-SiC膜の結晶性評価方法。
続きを表示(約 140 文字)
【請求項2】
前記XRDスペクトルを用いた基準値設定用サンプルの結晶性評価において、単結晶の3C-SiCが成長されているものを結晶性が良好、多結晶の3C-SiCが成長されているものを結晶性が不良と判定することを特徴とする請求項1に記載の3C-SiC膜の結晶性評価方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、3C-SiC膜の結晶性評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
SiCは、2.2~3.3eVという広いバンドギャップを有することから高い絶縁破壊強度を有し、また熱伝導率も大きいためパワーデバイスや高周波用デバイスなどの各種半導体デバイス用の半導体材料として期待されている材料である。
【0003】
また、窒化ガリウム(GaN)成長のプラットフォームとしての利用(例えば特許文献1)も進められているが、一方でSiCウェーハは小直径が主流であり、パワーデバイスや高周波デバイス向けとして大直径化が求められており、良質な3C-SiC単結晶膜を大直径基板上に成膜することができれば、3C-SiC単結晶膜そのものの利用以外に、大直径で良質なGaN層をもつヘテロエピタキシャルウェーハを作製することが可能になる。
【0004】
SiCウェーハの大直径化の方法として、デバイスプロセスとの整合性がよいシリコン基板上へのエピタキシャル成長が検討されてきた(例えば特許文献1および2)。
シリコン基板上に3C-SiCをヘテロエピタキシャル成長させて形成したヘテロエピタキシャルウェーハをパワーデバイス等に用いるためには、結晶性の優れた3C-SiC膜を成長させる必要があり、ヘテロエピタキシャル層の結晶状態は透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)やX線回折(XRD:X-Ray Diffraction)測定によって判断していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2018-522412号公報
特開2021-20819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
TEMやXRDは局所的な結晶状態の情報を得るには非常に適しているが、測定前にヘテロエピタキシャルウェーハを小片に細かく分割する等の加工が必要となり、結晶性評価に多大な時間を要するという課題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長させた3C-SiC膜の結晶性を、ウェーハの加工作業を必要とせずに、簡易にかつ非破壊で評価する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長させた3C-SiC膜の結晶性評価方法であって、減圧CVD装置を用いて、WARP値が既知である複数の単結晶シリコン基板上に異なる条件で3C-SiCをヘテロエピタキシャル成長させて、3C-SiC膜の結晶性が異なる複数の基準値設定用サンプルを用意し、前記複数の基準値設定用サンプルについてそれぞれWARP値を測定し、前記ヘテロエピタキシャル成長前後のWARP値をStoneyの式に代入して、前記複数の基準値設定用サンプルの単結晶シリコン基板に掛かる応力値を算出し、前記複数の基準値設定用サンプルについてXRD測定を行い、得られたXRDスペクトルを用いて前記複数の基準値設定用サンプルの3C-SiC膜の結晶性を評価し、前記XRDスペクトルを用いた結晶性の評価において結晶性が良好と判断された前記基準値設定用サンプルの内、前記応力値が最も低いサンプルの応力値を基準応力値として設定しておき、WARP値が既知である単結晶シリコン基板上に3C-SiCをヘテロエピタキシャル成長させた、評価対象であるヘテロエピタキシャルウェーハのWARP値を測定し、前記ヘテロエピタキシャル成長前後のWARP値をStoneyの式に代入して、前記評価対象であるヘテロエピタキシャルウェーハの単結晶シリコン基板に掛かる応力値を算出し、前記基準応力値と、前記評価対象の応力値とを比較し、前記評価対象の応力値が前記基準応力値以上の場合に、前記評価対象のヘテロエピタキシャルウェーハの3C-SiC膜が良好な結晶性を有していると判断することを特徴とする3C-SiC膜の結晶性評価方法を提供する。
【0009】
このような結晶性評価方法によれば、単結晶シリコン基板上にヘテロエピタキシャル成長させた3C-SiC膜の結晶性を、ウェーハの形状を表す指標の1つであるWARP値をStoneyの式に代入して算出した応力値によって簡易にかつ非破壊で評価することができる。
【0010】
このとき、前記XRDスペクトルを用いた基準値設定用サンプルの結晶性評価において、単結晶の3C-SiCが成長されているものを結晶性が良好、多結晶の3C-SiCが成長されているものを結晶性が不良と判定することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る