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公開番号2024179276
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023097992
出願日2023-06-14
発明の名称シリコンウェーハ及びその製造方法
出願人株式会社SUMCO
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C30B 33/02 20060101AFI20241219BHJP(結晶成長)
要約【課題】IGBTの用途に適したシリコンウェーハであって、高抵抗で抵抗変動が小さく、かつスリップの発生を抑制できるシリコンウェーハ及び当該シリコンウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】シリコンウェーハの厚さ方向における窒素濃度プロファイルにおいて、窒素濃度の最大値が2×1015atom/cm-3以上1×1016atom/cm-3以下の高窒素濃度領域が、前記シリコンウェーハの裏面の最表面から厚さ方向20μmまでの範囲に存在し、前記シリコンウェーハのオモテ面の最表面から厚さ方向20μmまでの範囲における窒素濃度が1×1014atom/cm-3以上1×1015atom/cm-3以下であり、前記シリコンウェーハの酸素濃度(ASTM F121,1979)が1×1017atom/cm-3以下であるシリコンウェーハとする。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
シリコンウェーハの厚さ方向における窒素濃度プロファイルにおいて、
窒素濃度の最大値が2×10
15
atom/cm
-3
以上1×10
16
atom/cm
-3
以下の高窒素濃度領域が、前記シリコンウェーハの裏面の最表面から厚さ方向20μmまでの範囲に存在し、
前記シリコンウェーハのオモテ面の最表面から厚さ方向20μmまでの範囲における窒素濃度が1×10
14
atom/cm
-3
以上1×10
15
atom/cm
-3
以下であり、
前記シリコンウェーハの酸素濃度(ASTM F121,1979)が1×10
17
atom/cm
-3
以下であるシリコンウェーハ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記高窒素濃度領域が、前記シリコンウェーハの裏面の最表面から厚さ方向15μmまでの範囲に存在する、請求項1に記載のシリコンウェーハ。
【請求項3】
前記シリコンウェーハの抵抗率が30Ω・cm以上10000Ω・cm以下である、請求項1に記載のシリコンウェーハ。
【請求項4】
前記シリコンウェーハが転位クラスター及びCOPを含まない、請求項1に記載のシリコンウェーハ。
【請求項5】
酸素濃度(ASTM F121,1979)が1×10
17
atom/cm
-3
以下である研磨前シリコンウェーハを窒素雰囲気で熱処理することにより前記研磨前シリコンウェーハのオモテ面及び裏面のそれぞれの表層部に高窒素濃度層を形成する高窒素濃度層形成工程と、
前記高窒素濃度層形成工程の後、前記研磨前シリコンウェーハの前記オモテ面及び裏面の表層部の高窒素濃度層の少なくとも一部をそれぞれ除去する高窒素濃度層除去工程と、を含み、
前記高窒素濃度層除去工程後のシリコンウェーハの裏面の最表面から厚さ方向20μmの範囲における窒素濃度の最大値が2×10
15
atom/cm
-3
以上1×10
16
atom/cm
-3
以下であり、
前記高窒素濃度層除去工程後のシリコンウェーハのオモテ面の最表面から厚さ方向20μmまでの範囲における窒素濃度が1×10
14
atom/cm
-3
以上1×10
15
atom/cm
-3
以下である、シリコンウェーハの製造方法。
【請求項6】
前記高窒素濃度層除去工程後のシリコンウェーハの裏面の最表面から厚さ方向15μmまでの範囲における窒素濃度の最大値が2×10
15
atom/cm
-3
以上1×10
16
atom/cm
-3
以下である、請求項5に記載のシリコンウェーハの製造方法。
【請求項7】
前記高窒素濃度層形成工程において、急速熱窒化処理により前記高窒素濃度層を形成する、請求項5に記載のシリコンウェーハの製造方法。
【請求項8】
前記高窒素濃度層除去工程が、両面研磨装置を用いて前記研磨前シリコンウェーハのオモテ面及び裏面を同時に研磨する両面研磨工程を含む、請求項5に記載のシリコンウェーハの製造方法。
【請求項9】
前記高窒素濃度層除去工程において、
前記オモテ面の研磨量が10μm以上12μm以下であって、
前記裏面の研磨量が4μm以上8μm以下である、請求項5に記載のシリコンウェーハの製造方法。
【請求項10】
前記研磨前シリコンウェーハは、FZ法によって製造されたシリコンウェーハである、請求項5に記載のシリコンウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力用途向けのスイッチングデバイスとして、サイリスタやバイポーラトランジスタ、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)などが盛んに開発されている。中でも、IGBTは、MOSFETの高速性とバイポーラトランジスタの低飽和電圧特性とを兼ね備えたデバイスであり、ハイブリッド車や電気自動車の動力モータ用電源のように、大容量、高耐圧、高速スイッチングが求められる用途において注目を集めている。
【0003】
IGBTは、シリコンウェーハの表面側に形成されたゲート電極及びエミッタ電極と、裏面側に形成されたコレクタ電極とを有するゲート電圧駆動型のスイッチングデバイス(「縦型IGBT」とも言う。)であり、スイッチング電流は、表面側のエミッタと裏面側のコレクタとの間のシリコンウェーハ全体を流れる。従って、シリコンウェーハ内部に結晶欠陥が存在すると、デバイス特性が悪化するため、シリコンウェーハには、ウェーハ表面から裏面に至るまで結晶欠陥が存在しないことが重要である。
【0004】
また、シリコンウェーハの抵抗率は、ウェーハ全体に亘って高抵抗でばらつきがないことも重要である。この点について、シリコンウェーハの酸素濃度が高い場合、酸素原子が酸素ドナーとなりシリコンウェーハの抵抗率が変動する。従って、シリコンウェーハの酸素濃度が低いことも重要である。
【0005】
こうしたことから、特許文献1に記載のように、チョクラルスキー法により形成した格子間酸素濃度の低いシリコンインゴットに中性子線を照射してリンをドープしてからウェーハを切り出し、さらに酸化雰囲気アニールをすることで、抵抗率が均一なシリコンウェーハを得ることが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、シリコン単結晶インゴットの製造方法において、シリコン単結晶インゴットの引上げの際に、シリコン融液からのn型ドーパントの蒸発量を制御することで、引上げ長さ方向に抵抗率が均一なn型の高抵抗のシリコン単結晶インゴットを製造する方法が提案されている。
【0007】
ところで、抵抗変動を少なくするために低酸素シリコンウェーハを用いた場合では、スリップ(Slip)が発生しやすいことが知られている。シリコンウェーハの裏面にスリップが発生すると、電流のリーク及びフォトリソグラフィプロセスにおける位置ずれの問題によってデバイス歩留まりに大きな影響を与えてしまう。なお、シリコンウェーハの酸素濃度が低いほど、シリコンウェーハの臨界分解剪断応力が小さくなり、スリップが発生しやすいと考えられている。
【0008】
このような観点から、特許文献3に記載のように、シリコンウェーハの酸素濃度ではなく窒素濃度を上げる試みもなされてきたが、スリップの発生を抑制できるほどの高い窒素濃度は実現できていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2012-134517号公報
国際公開第2018/159108号
特開2017-122033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、種々の手法でIGBTの用途に適した、高抵抗で抵抗変動の少ないシリコンウェーハを製造する取り組みがなされてきたが、低酸素濃度のシリコンウェーハを用いる従来技術においては高抵抗で抵抗変動を抑制しつつ、スリップ発生を防止することはこれまで困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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