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公開番号2025039762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2025003490,2022558915
出願日2025-01-09,2021-09-21
発明の名称単結晶製造装置
出願人株式会社SUMCO
代理人個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20250313BHJP(結晶成長)
要約【課題】部品の折損や脱落がなく、熱遮蔽部材の上下方向の移動にも対応可能なドーパント供給装置を備えた単結晶製造装置を提供する。
【解決手段】単結晶製造装置1は、チャンバー10内に設置されたルツボ12と、チャンバー10の外側からルツボ12内にドーパントを供給するドーパント供給装置20とを備える。ドーパント供給装置20はドーパント供給管21を含む。ドーパント供給管21は、チャンバー10を貫通し、熱遮蔽部材16から分離独立した第1ドープ管24と、チャンバー10及び第1ドープ管24から分離独立して第1ドープ管24の直下に配置された第2ドープ管25とを有する。第2ドープ管25は、第1ドープ管24の下端の内径よりも大きな開口径を有する大径部と、大径部よりも小さな開口径を有する小径部と、大径部と小径部とを接続するテーパー部とを有し、第1ドープ管24の下端部と接触しない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
チャンバーと、
前記チャンバー内に設置されたルツボと、
前記ルツボの上方に配置された熱遮蔽部材と、
前記チャンバーの外側から前記ルツボ内に粒状のドーパントを供給するドーパント供給装置とを備え、
前記ドーパント供給装置は、前記チャンバーを貫通して前記ルツボの上方に達するドーパント供給管を含み、
前記ドーパント供給管は、前記チャンバーを貫通する第1ドープ管と、前記第1ドープ管から分離独立して前記第1ドープ管の下端の直下に配置された第2ドープ管とを有し、
前記第1ドープ管は、前記熱遮蔽部材から分離独立しており、
前記第2ドープ管は、前記第1ドープ管の下端の内径よりも大きな開口径を有する大径部と、前記大径部よりも小さな開口径を有する小径部と、前記大径部と前記小径部とを接続するテーパー部とを有し、
前記第2ドープ管は、前記チャンバーから分離独立しかつ前記熱遮蔽部材に設置されており、
前記第2ドープ管は前記第1ドープ管の下端部と接触しないことを特徴とする単結晶製造装置。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記小径部は前記熱遮蔽部材に形成された貫通穴に挿入されており、前記第2ドープ管は前記熱遮蔽部材に対して上下動可能に設置されている、請求項1に記載の単結晶製造装置。
【請求項3】
鉛直軸に対して鋭角をなす前記テーパー部の外面のテーパー角度は、前記テーパー部と対向する前記熱遮蔽部材の内壁面の前記鉛直軸に対する傾斜角度以下である、請求項1又は2に記載の単結晶製造装置。
【請求項4】
前記第2ドープ管の軸線が当該第2ドープ管の上端から下端まで直線状に伸びている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
【請求項5】
前記ドーパント供給管は石英製である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
【請求項6】
前記熱遮蔽部材は前記チャンバー内で昇降自在に構成されており、前記熱遮蔽部材の昇降に応じて、前記第1ドープ管と前記第2ドープ管の相対的な位置関係が変化する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
【請求項7】
前記チャンバーは、前記ルツボが設置されるメインチャンバーと、前記メインチャンバーの上部開口を覆うトップチャンバーとを有し、前記トップチャンバーは前記メインチャンバーから着脱可能に構成されており、前記トップチャンバーの着脱に応じて、前記第1ドープ管と前記第2ドープ管の相対的な位置関係が変化する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
【請求項8】
前記第2ドープ管は前記熱遮蔽部材に形成された貫通穴に挿入されており、前記第2ドープ管の下端は露出することなく前記貫通穴の下側開口端よりも内側で終端されており、前記第2ドープ管の下端はカーボン製のリングキャップに覆われている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
【請求項9】
前記リングキャップの外側開口は、斜め下方であって前記ルツボの側壁部側を向いている、請求項8に記載の単結晶製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶製造装置に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)による単結晶の引き上げ工程前あるいは引き上げ工程中にドーパントを供給するために用いられるドーパント供給装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの基板材料となるシリコン単結晶の多くはCZ法により製造されている。CZ法は、石英ルツボ内に収容されたシリコン融液に種結晶を浸漬し、種結晶及び石英ルツボを回転させながら種結晶を徐々に引き上げることにより、種結晶の下方に大きな直径の単結晶を成長させるものである。CZ法によれば、高品質のシリコン単結晶インゴットを高い歩留まりで製造することが可能である。
【0003】
シリコン単結晶の電気抵抗率(以下、単に抵抗率と称す)の調整には各種のドーパントが使用される。代表的なドーパントは、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ボロン(B)などである。これらのドーパントは、例えば多結晶シリコン原料と共に石英ルツボ内に投入され、ヒータによる加熱でシリコン原料と共に融解される。これにより、所定量のドーパントを含んだシリコン融液が生成される。
【0004】
ドーパントは結晶引き上げ途中でシリコン融液に投入されることもある。例えば、アンチモンはリンやボロンと比べると融点が低く、減圧下では蒸発速度が非常に速いため、リンやボロンと同様に多結晶シリコン原料と一緒に融解すると、原料溶解から結晶引き上げ工程の序盤にかけてドーパントが多量に蒸発し、シリコン融液中のドーパント濃度を高めることができない。そのため、結晶引き上げ途中でドーパントを追加供給し、これによりシリコン融液中のドーパント濃度の低下を抑制する。
【0005】
また、蒸発速度が比較的遅いドーパントを用いる場合でも、供給したドーパントが単結晶の引き上げ方向に沿って偏析する現象が発生して、引き上げ方向に均一な抵抗率を得ることが難しくなる。このような問題を解消するには、多結晶シリコン原料の初期チャージ時のみならず、結晶引き上げの途中でドーパントを供給する方法が有効である。例えば、初期チャージしたドーパントと同じ導電型のドーパントを追加供給することで、抵抗率が大きく異なる2種類のシリコン単結晶を引き上げることができる。また、初期チャージしたドーパントと逆の導電型のドーパントを追加供給することで、引き上げ方向に均一な抵抗率を有する単結晶の結晶長をできるだけ長くすることができる。
【0006】
単結晶の引き上げ直前又は引き上げ途中にドーパントを供給する方法に関し、例えば特許文献1には、チャンバーの上部を貫通してチャンバー内のルツボの上方に達するドープ供給管と、このドープ供給管がチャンバーを貫通する部分を密閉するシール用キャップと、チャンバーの外部でドープ供給管にドープ供給コックを介して取り付けられたドープ用ホッパーと、このドープ用ホッパーとチャンバーの内部とを連通する連通管とを具備するドープ剤添加装置が記載されている。ドーパントの供給時にチャンバー内は減圧下のアルゴンガス雰囲気であるが、このドープ剤添加装置によれば、ドープ剤添加装置内をチャンバー内と同じ雰囲気に調整することが可能である。
【0007】
また特許文献2には、ルツボの上方に熱遮蔽部材が配置されている場合でもルツボ内の原料融液にドーパントを問題なく供給できるようにするため、熱遮蔽部材の上方において熱遮蔽部材の内側に配設されたドープ供給管が途中から熱遮蔽部材の外側に導出され、ドープ供給管の少なくとも下端部を熱遮蔽部材の外側に臨ませた構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平9-227275号公報
特開平11-343196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のドーパント供給装置は、単一のドーパント供給管がチャンバーや熱遮蔽部材に固定された構造を有するため、部品の折損や脱落がしばしば発生していた。また、従来のドーパント供給装置は、熱遮蔽部材が上下方向に移動可能な構造に対応できないか、ないしは熱遮蔽部材の移動を制限するものとなっていた。
【0010】
したがって、本発明の目的は、部品の折損や脱落がなく、熱遮蔽部材の上下方向の移動にも対応可能なドーパント供給装置を備えた単結晶製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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