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公開番号
2025025068
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023129518
出願日
2023-08-08
発明の名称
ダイヤモンド基板及びダイヤモンド基板の製造方法
出願人
信越半導体株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/04 20060101AFI20250214BHJP(結晶成長)
要約
【課題】
安価かつ大直径なダイヤモンド基板を提供することを目的とする。
【解決手段】
基板1と、基板1上に成長した3C-SiC層3と、3C-SiC層3上に成長した単結晶ダイヤモンド層4を備え、基板1と3C-SiC層3の界面における基板側に0.001超~10個/μm
2
の密度で空孔が形成されたものであることを特徴とするダイヤモンド基板100。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基板と、前記基板上に成長した3C-SiC層と、前記3C-SiC層上に成長した単結晶ダイヤモンド層を備え、
前記基板と前記3C-SiC層の界面における前記基板側に0.001超~10個/μm
2
の密度で空孔が形成されたものであることを特徴とするダイヤモンド基板。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記基板は、表面の面方位が(111)の単結晶シリコン基板であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド基板。
【請求項3】
基板上に3C-SiC層を成長させる3C-SiC成長工程と、前記基板と前記3C-SiC層の界面における前記基板側に0.001超~10個/μm
2
の密度で空孔を形成する空孔形成工程と、
前記3C-SiC層上に単結晶ダイヤモンド層を成長させるダイヤモンド層成長工程と、
を含むことを特徴とするダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項4】
前記基板として、表面の面方位が(111)の単結晶シリコン基板を用いることを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項5】
前記3C-SiC成長工程において、前記単結晶シリコン基板中のSiをSiCの原料として3C-SiC層に拡散させ、Siが拡散した跡を空孔とすることで前記3C-SiC成長工程と前記空孔形成工程を同時に行うことを特徴とする請求項4に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド基板及びダイヤモンド基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは高硬度や良好な熱伝導性、高いキャリア移動度、ワイドバンドギャップであることなどの優れた物性値から、各種半導体素子・電子デバイスへの応用が期待されている。この半導体素子・電子デバイス用途としては、人工的に合成されたダイヤモンドが使われている。ダイヤモンド合成には、超高圧を用いて成長させる方法と、気相成長の2つの方法があり、半導体への応用では、気相成長(CVD成長)が、大直径の基板を得られることから、注目されている(例えば特許文献1~3)。
【0003】
大直径の基板を得る方法の一例として、非特許文献1にあるように、ダイヤモンド基板を組み合わせながら、側壁成長させながら大きくするダイレクトウェーハ化や、数ミリ角の小型単結晶ダイヤモンド基板を敷き詰めたうえにCVDで成長させるモザイク法などがある。これらは単結晶ダイヤモンドからホモエピタキシャル成長にて大直径の基板を得ようとするものである。数ミリ角のダイヤモンドから始めるために大直径化には時間を要している。
【0004】
また、特許文献4には、ダイヤモンド基板にマイクロニードルを成長させておき、この上にダイヤモンドを成長させる方法が開示されている。このマイクロニードルにより、ウェーハの破損を防止している。
【0005】
一方、ダイヤモンド以外の基板上にヘテロエピタキシャル成長させる方法も精力的に研究がなされている。一例として、特許文献5にあるように、サファイア等のオフ角のついた基板にヘテロエピタキシャル成長としてステップフロー成長する方法が開示されている。この方法は、ダイヤモンドが成長すると基板から剥離する利点がある。
【0006】
また、別の手法としては特許文献6に、直径が100mm以上かつ300mm以下の単結晶ダイヤモンド基板の製造方法で、ダイヤモンド以外の立方晶系又は六方晶系の半導体単結晶を準備し半導体種基板を複数の子基板に分割し、分割した子基板のそれぞれにダイヤモンドの核形成を行い、子基板同士の間の隙間が20μm以下となるように、子基板を、分割する前と同じ配置に並べて下地基板とし、下地基板に単結晶ダイヤモンド層を成膜し、下地基板から単結晶ダイヤモンド層の少なくとも一部を分離する工程とを含む単結晶ダイヤモンド基板の製造方法が記載されている。
【0007】
さらに、特許文献7には、面方位が(100)または(111)の単結晶シリコン基板を準備し、炭素含有雰囲気マイクロ波プラズマCVD法により3C-SiC単結晶膜からダイヤモンド核に変換しマイクロ波プラズマCVD法により単結晶シリコン基板上に単結晶ダイヤモンド膜を成長させる単結晶ダイヤモンド膜の形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2001-354491号公報
特開2004-176132号公報
特開2006-143561号公報
特開2018-58743号公報
国際公開第2022/138788号明細書
特開2022-168623号公報
特開2023-082528号公報
【非特許文献】
【0009】
茶谷原他、「マイクロ波プラズマCVD法による大型化とウェハ化技術」Synthesiology, Vol3, No.4(2010), p272.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、ダイヤモンド基板の形成方法は多種多様な方法が提案されている。しかしながら、(1)ホモエピタキシャル成長では元の基板サイズが現行では小さく大直径化が難しい、(2)ヘテロエピタキシャル成長ではサファイア等の比較的高価な基板が必要である、(3)3C-SiCへの成長はシリコン基板を使用するために大直径化が可能であるが、シリコンとダイヤモンドの線膨張係数の違いから(Si<111>:2.6×10
-6
/℃、ダイヤモンド:0.8×10
-6
/℃)、冷却中に割れてしまう問題がある、(4)ヘテロエピタキシャル成長の場合、ダイヤモンド単結晶の種結晶をどのように形成するか、といった多くの問題が、安価かつ大直径化を阻む問題であった。
(【0011】以降は省略されています)
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