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公開番号2025030657
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136149
出願日2023-08-24
発明の名称スピン装置および磁化反転測定方法
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H10D 48/40 20250101AFI20250228BHJP()
要約【課題】スピン軌道材料の磁化反転が、より容易に判定できるようにする。
【解決手段】このスピン装置は、まず、Fe単結晶層101およびFe単結晶層101の上に形成されたスピン軌道層102から構成された積層構造103を備える。Fe単結晶層101は、主表面が(100)面とされている。Fe単結晶層101は、例えば、MgAl2O4の単結晶からなる基板111の上に形成することができる。また、このスピン装置は、積層構造103に高周波電流を印加する高周波発生器104と、積層構造103に磁場(外部磁場)を印加する磁場印加機構105と、積層構造103に生じるDC電圧の変化を測定する電圧計106とを備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
主表面を(100)面としたFe単結晶層、および前記Fe単結晶層の上に形成されたスピン軌道材料からなるスピン軌道層から構成された積層構造と、
前記積層構造に高周波電流を印加する高周波発生器と、
前記積層構造に磁場を印加する磁場印加機構と、
前記積層構造に生じるDC電圧の変化を測定する電圧計と
を備えるスピン装置。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
請求項1記載のスピン装置において、
前記電圧計が測定したDC電圧の変化により前記積層構造の磁化反転を判定する判定回路をさらに備えるスピン装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のスピン装置において、
前記磁場印加機構は、前記Fe単結晶層の主表面に平行な面内で、磁化容易軸の方向に磁場を印加するスピン装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のスピン装置において、
前記電圧計は、前記Fe単結晶層の主表面に平行な面内で、磁場の印加方向に直交する方向に流れる前記DC電圧の変化を測定するスピン装置。
【請求項5】
主表面を(100)面としたFe単結晶層、および前記Fe単結晶層の上に形成されたスピン軌道材料からなるスピン軌道層を備える積層構造に高周波電流を印加する電流印加ステップと、
前記積層構造に磁場を印加する磁場印加ステップと、
高周波電流が印加されている前記積層構造に生じるDC電圧の変化を測定する測定ステップと
を備える磁化反転測定方法。
【請求項6】
請求項5記載の磁化反転測定方法において、
測定されたDC電圧の変化により前記積層構造の磁化反転を判定する判定ステップをさらに備える磁化反転測定方法。
【請求項7】
請求項5または6記載の磁化反転測定方法において、
前記磁場印加ステップでは、前記Fe単結晶層の主表面に平行な面内で、磁化容易軸の方向に磁場を印加する磁化反転測定方法。
【請求項8】
請求項5または6記載の磁化反転測定方法において、
前記測定ステップでは、前記Fe単結晶層の主表面に平行な面内で、磁場の印加方向に直交する方向に流れる前記DC電圧の変化を測定する磁化反転測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スピン装置および磁化反転測定方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、不揮発メモリとして注目を集めている磁気抵抗メモリ(Magnetoresistive Random Access Memory;MRAM)の開発が活発化し半導体メーカーが量産体制に入っている。このため、MRAMの市場価値は2030年までに数千億円にのぼるという試算も報告されている(非特許文献1)。このような背景から電子産業のキラーデバイスであるMRAMを高効率動作させ得るスピン流に関する研究が盛んに行われており、実際にMRAMの動作原理に相当する磁化反転を誘起できることも実証されている(非特許文献2):L. Liu et al, Science 336, 555 (2012)]。
【0003】
このスピン流誘起磁化反転を実証する上で、一般的にスピン流を生成するスピン軌道材料と垂直磁化を有した磁性体の2層構造が用いられるが、垂直磁化を形成するためには磁性層を挟む上下層との相性に依存するため、スピン軌道材料が限定される。このため、新規スピン軌道材料で生成されるスピン流が磁化反転にとって有用であるかどうか検証するためには、スピン軌道材料との相性によらない磁気異方性を有した磁性体を用いた電気的検出方法の開発が喫緊の課題である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
"Magneto Resistive RAM (MRAM) Market (By Product: Toggle Magneto Resistive RAM and Second-Generation Magneto Resistive RAM; By Application; By Geography) Global Scenario, Market Size, Outlook, Trend and Forecast, 2015-2024 ", Kenneth Research,[令和5年7月19日検索]、(https://www.kennethresearch.com/report-details/magneto-resistive-ram-mram-market/10325521)。
L. Liu et al., "Spin-Torque Switching with the Giant Spin Hall Effect of Tantalum", SCIENCE, vol. 336, pp. 555-555, 2012.
Y. Takahashi et al., "Spin-orbit torque-induced switching of in-plane magnetized elliptic nanodot arrays with various easy-axis directions measured by differential planar Hall resistance", Applied Physics Letters, vol. 114, 012410, 2019.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、非特許文献2の技術によるスピン流誘起磁化反転では、垂直磁気異方性を有した面直磁化膜が用いられている。面直磁化を形成するためには、磁性体に隣接するバッファー層およびキャッピング層の組み合わせが限定的であり、限られた系でしか本磁化反転を実証することはできなかった。
【0006】
このような背景から、面内磁化を用いた磁化反転を試みた例もあるが、面内磁化を電気的に検出することは容易ではない。まず、面内磁化の場合は通常膜面内で磁気異方性を持たせることができないので、磁化反転に特徴的な2値状態を定義できない。よって磁気異方性を持たせるために、電子線露光技術により、磁性体を微細な楕円形などに加工し、形状磁気異方性を持たせる必要がある(非特許文献3)。この技術では、素子作製段階における汎用性が失われる。
【0007】
また、楕円形状の磁性体素子を作製したとしても、面内磁化をDCで電気的に検出することは困難である。面直磁化の場合、磁性体の異常ホール効果を観測することで容易に磁化反転を検出できるが、面内磁化の場合は、プレーナーホール効果を用いても反転に伴い出力される信号は同じになってしまうので反転の判定を行うことは困難である。
【0008】
この困難を克服するために、磁化反転後、磁化方向を検出するために外部磁場を印加し、差分のプレーナーホール電圧を測定することで磁化方向を検出する方法が提案された(非特許文献3)。しかしながら、この方法は、測定プロセスを煩雑化してしまう難点がある。
【0009】
上述したように、従来技術では、スピン軌道材料との相性の問題や、磁化反転の測定のための素子形成が容易ではないこと、また、測定プロセスが煩雑であるなど、スピン軌道材料の磁化反転が容易に判定できないという問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、スピン軌道材料の磁化反転が、より容易に判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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