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公開番号
2025035886
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2023143208
出願日
2023-09-04
発明の名称
サブミクロン軟磁性微粒子及びその製造方法、並びに、サブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体材料及び軟磁性体
出願人
国立大学法人東北大学
代理人
弁理士法人クオリオ
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B22F
9/24 20060101AFI20250307BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】Fe、Fe以外の金属M及びBを構成元素とするサブミクロンサイズの平均粒子径を有し、磁気特性に優れた軟磁性微粒子、この軟磁性微粒子を用いた軟磁性材料及び軟磁性体、並びに、上記軟磁性微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】Fe、Fe以外の金属M及びBを含むサブミクロン軟磁性微粒子、このサブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体材料及び軟磁性体、並びに、Fe塩、Fe塩以外の金属塩及び錯化剤を含有し、pHが13以上の金属塩水溶液にB系還元剤を含有する還元剤水溶液を混合することを含む上記サブミクロン軟磁性微粒子の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
Fe、Fe以外の金属M及びBを含むサブミクロン軟磁性微粒子。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記金属Mが、Ni、Co、Zn、Al、Mn及びCrから選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のサブミクロン軟磁性微粒子。
【請求項3】
前記Feの含有率C
Fe
(atm%)と前記金属Mの含有率C
M
(atm%)との含有比[C
Fe
:C
M
]が3:7~8:2である、請求項1に記載のサブミクロン軟磁性微粒子。
【請求項4】
Fe、Fe以外の金属M及びBを含むサブミクロン軟磁性微粒子の製造方法であって、
Fe塩、Fe塩以外の金属塩及び錯化剤を含有し、pHが13以上の金属塩水溶液に、B系還元剤を含有する還元剤水溶液を混合することを含む、製造方法。
【請求項5】
前記混合を非加熱条件で行う、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記錯化剤がグリシンを含む、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
前記混合により得られた微粒子を熱処理することを含む、請求項4に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載のサブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体材料。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載のサブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブミクロン軟磁性微粒子及びその製造方法、並びに、サブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体材料及び軟磁性体に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
磁性微粒子は、そのサイズによって磁気特性が変化するため、発現する磁気特性に応じた用途に用いられる。例えば、サブミクロンサイズの磁性微粒子は、磁性バインダや1MHz以上の超高周波帯用インダクタ等のパワーエレクトロニクス機器、また電磁波吸収体(ノイズ抑制体)、アンテナ等の電磁波で動作する電子機器の材料として、用いられる。特に、サブミクロンサイズの磁性微粒子は、渦電流損失の抑制、共鳴周波数の高周波シフト化等も可能となることから、数十MHz~数GHzで動作する高周波機器の材料としての活用が期待されている。
磁性微粒子として、例えば、特許文献1には、「粒径0.01μm以上1.0μm以下である2個以上の微細粒子の集合体から形成される粒子と、1個の粒子のみから形成される単粒子からなる非晶質軟磁性合金粉末であって、製造された粉末全体の平均粒径が0.1μm以上5.0μm以下であり、5重量%≦B≦10重量%、0.06重量%≦P≦5重量%で残部はFeからなることを特徴とする非晶質軟磁性合金粉末」が記載されている。また、軟磁性微粒子の製造方法として、特許文献1には、鉄塩、錯化剤、pH調整剤、分散剤及びP系還元剤を含み、pHを9~10の範囲で調整した原料液を撹拌しながらB系還元剤を含む還元液を滴下する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5382923号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
微粒子の製造法として、アトマイズ法、カルボニル分解法、噴霧熱分解法等が知られているが、これらの製造方法は、通常、ミクロンサイズ以上の微粒子を製造できるものの、サブミクロンサイズの微粒子を製造できない。一方、金属イオン等を水中に遊離させた状態で還元して金属微粒子を析出させる水溶液還元反応法は、サブミクロンサイズの微粒子を製造できるものの、製造過程において微粒子が凝集しやすく、表面が粗く、粒子径が大きな凝集体(二次粒子)も形成されてしまう。例えば、特許文献1にも記載されているように、水溶液還元反応法で製造した特許文献1の「非晶質軟磁性合金粉末」にも「2個以上の微細粒子の集合体から形成される粒子」が含まれてしまう。そのため、従来の水溶液還元反応法においても、製造中(反応中)の凝集を抑制できず、サブミクロンサイズの微粒子の集合体を製造できないことが多い。
ところで、近年、パワーエレクトロニクス機器や電子機器等の高性能化が急速に進展しており、それに応じて更に優れた磁気特性を示すサブミクロン微粒子が望まれている。しかし、磁気特性の改善を期待して微粒子のベースとなる金属元素を複数併用して微粒子を合金化すると、水溶液還元反応法における水溶液中の金属イオンの挙動を制御できず、サブミクロンサイズの微粒子の製造を更に困難なものにする。
上述のように、磁性微粒子について、凝集体の生成を抑制して粒子径をサブミクロンサイズに調整すると共に、磁気特性の更なる改善が求められている。しかし、特許文献1では、凝集体の生成抑制、更に磁気特性の更なる改善については何ら検討されていない。
【0005】
本発明は、Fe、Fe以外の金属M及びBを構成元素とするサブミクロンサイズの平均粒子径を有し、磁気特性に優れた軟磁性微粒子と、その製造方法とを提供することを課題とする。また、本発明は、優れた磁気特性を示す軟磁性微粒子を用いた軟磁性材料及び軟磁性体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、水溶液還元反応法において、Fe塩、Fe塩以外の金属塩及び錯化剤を含有する金属塩水溶液のpHを13以上に設定したうえでB系還元剤を含有する還元剤水溶液を混合すると、製造中に生成する微粒子の凝集を抑制して、Fe、Fe以外の金属M及びBを構成元素とするサブミクロンサイズの粒子径を持つ金属微粒子を製造できることを見出した。更に、本発明者らは、製造された金属微粒子が、Fe及びFe以外の金属Mを構成元素とし、かつサブミクロンサイズの平均粒子径を有していることから、優れた軟磁気特性を示し、パワーエレクトロニクス機器や上記電子機器等の軟磁性材料として好適に活用できることも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねて完成させるに至ったものである。
【0007】
本発明の課題は以下の手段によって解決された。
<1>Fe、Fe以外の金属M及びBを含むサブミクロン軟磁性微粒子。
<2>前記金属Mが、Ni、Co、Zn、Al、Mn及びCrから選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のサブミクロン軟磁性微粒子。
<3>前記Feの含有率C
Fe
(atm%)と前記金属Mの含有率C
M
(atm%)との含有比[C
Fe
:C
M
]が3:7~8:2である、<1>又は<2>に記載のサブミクロン軟磁性微粒子。
<4>Fe、Fe以外の金属M及びBを含むサブミクロン軟磁性微粒子の製造方法であって、
Fe塩、Fe塩以外の金属塩及び錯化剤を含有し、pHが13以上の金属塩水溶液に、B系還元剤を含有する還元剤水溶液を混合することを含む、製造方法。
<5>前記混合を非加熱条件で行う、<4>に記載の製造方法。
<6>前記錯化剤がグリシンを含む、<4>又は<5>に記載の製造方法。
<7>前記混合により得られた微粒子を熱処理することを含む、<4>~<6>のいずれか1項に記載の製造方法。
<8>上記<1>~<3>のいずれか1項に記載のサブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体材料。
<9>上記<1>~<3>のいずれか1項に記載のサブミクロン軟磁性微粒子を含む軟磁性体。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、Fe、Fe以外の金属M及びBを構成元素とするサブミクロンサイズの平均粒子径を有し、磁気特性に優れた軟磁性微粒子と、その製造方法とを提供できる。また、本発明は、優れた磁気特性を示す軟磁性微粒子を用いた軟磁性材料及び軟磁性体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例1で製造したサブミクロン軟磁性微粒子を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
図2は、実施例1で製造したサブミクロン軟磁性微粒子の粒度分布を示す図である。
図3は、実施例1で製造したサブミクロン軟磁性微粒子の電子線解析によって得られたハローパターンを示す画像である。
図4は、実施例1で製造したサブミクロン軟磁性微粒子の複素透磁率を測定した結果を示すグラフである。
図5は、実施例2で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子の静的磁気特性の結果を示すグラフである。
図6は、実施例2で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子の動的磁気特性の結果を示すグラフである。
図7は、実施例2で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子について、走査型電子顕微鏡で撮影した画像と、FeとNiとの含有比[Fe:Ni]及び平均粒子径の結果とを示す図である。
図8は、実施例4で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
図9は、実施例3及び実施例4で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子の飽和磁化を測定した結果を示すグラフである。
図10は、実施例3及び実施例4で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子の保磁力を測定した結果を示すグラフである。
図11は、実施例4で製造した各サブミクロン軟磁性微粒子の動的磁気特性の結果を示すグラフである。
図12は、実施例5で製造したサブミクロン軟磁性微粒子の粒度分布を示す図である。
図13は、比較例1で製造したサブミクロン軟磁性微粒子を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明及び本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。なお、本明細書において、成分の含有量、物性等について数値範囲を段階的に複数設定して説明する場合、数値範囲を形成する上限値及び下限値は、適宜に組み合わせることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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