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公開番号2025061859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-11
出願番号2025011677,2020195309
出願日2025-01-27,2020-11-25
発明の名称マイクロニードルアレイ、パッチ
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人
主分類A61M 37/00 20060101AFI20250403BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、高効率な電気浸透流を発生させることが可能であり、比較的大きなサイズの分子や粒子を輸送することが可能なマイクロニードル、パッチを提供することを目的とする。
【解決手段】流路が高分子で修飾され且つ固定電荷を有することを特徴とする、マイクロニードルアレイ、該マイクロニードルアレイと、マイクロニードルアレイに接触して設けられた複数の電極とを含むことを特徴とする、パッチ。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
流路が高分子で修飾され且つ固定電荷を有することを特徴とする、マイクロニードルアレイ。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
ポーラス体を含み、前記ポーラス体の空隙部分が前記流路を形成している、請求項1に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項3】
前記ポーラス体における前記固定電荷の前記ポーラス体単位表面積当たりの量が平均で1×10
-6
C/cm

~1×10
-1
C/cm

である、請求項2に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項4】
前記高分子が前記固定電荷を有する、請求項2又は3に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項5】
前記高分子がシランカップリング剤を介して前記ポーラス体の表面に修飾されている、請求項4に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項6】
前記高分子が前記固定電荷を有する官能基を含む単量体単位を含む、請求項4又は5に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項7】
前記官能基が、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、アミノ基からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項6に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項8】
前記高分子の重合度が5~50000である、請求項4~7のいずれか一項に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項9】
前記高分子の重量平均分子量(Mw)が2000~5000000である、請求項4~7のいずれか一項に記載のマイクロニードルアレイ。
【請求項10】
前記ポーラス体における前記官能基の前記ポーラス体単位表面積当たりの量が平均で1×10
-12
モル/cm

以上である、請求項6~9のいずれか一項に記載のマイクロニードルアレイ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロニードルアレイ、パッチに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚や臓器の上皮層を通した流れ制御は医療や健康美容分野において広く重要である。かかる流れ制御のツールとして、マイクロニードルが注目されている。
【0003】
ハイドロゲルからなるマイクロニードルは、乾燥したハイドロゲルを皮膚などの生体組織表面に刺入し、ハイドロゲルの膨潤及び溶解と共に、ハイドロゲル内に含有する物質を刺入部へ送達することが可能である。
また、ポーラス材料からなるマイクロニードルでは、刺入部への液体輸送が可能であり送達可能な液量が多いためハイドロゲルからなるマイクロニードルよりも優位であるという側面がある。
【0004】
薬剤水溶液等の注入や細胞間質液の採取は、注射器等の力学的なポンプによって行われるのが一般的であるが、制御性の向上と小型化・自動化とのためには電気的な送液技術が有利である。
【0005】
例えば、特許文献1では、ポーラス材料からなるマイクロニードルと電荷を帯びた材料(ハイドロゲルなど)を充填若しくは表面修飾処理することで、電気浸透流を発生させる場を作り電気による水や物質の輸送を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/179850号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の電荷を持つマイクロニードルでは、水や物質輸送速度に改善の余地を残している。
そこで、本発明は、高効率な電気浸透流を発生させることが可能であり、比較的大きなサイズの分子や粒子を輸送することが可能なマイクロニードル、パッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明のマイクロニードルアレイは、流路が高分子で修飾され且つ固定電荷を有することを特徴とする。
本発明のマイクロニードルアレイでは、ポーラス体を含み、前記ポーラス体の空隙部分が前記流路を形成していることが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイでは、前記ポーラス体における前記固定電荷の前記ポーラス体単位表面積当たりの量が平均で1×10
-6
C/cm

~1×10
-1
C/cm

であることが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイでは、前記高分子が前記固定電荷を有することが好ましい。
ここで、本発明のマイクロニードルアレイでは、前記高分子がシランカップリング剤を介して前記ポーラス体の表面に修飾されていることが好ましい。
また、本発明のマイクロニードルアレイでは、前記高分子が前記固定電荷を有する官能基を含む単量体単位を含むことが好ましい。
そして、本発明のマイクロニードルアレイでは、前記官能基が、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、アミノ基からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイでは、前記高分子の重合度が5~50000であることが好ましい。
また、本発明のマイクロニードルアレイでは、前記高分子の重量平均分子量(Mw)が2000~5000000であることが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイでは、前記ポーラス体における前記官能基の前記ポーラス体単位表面積当たりの量が平均で1×10
-12
モル/cm

以上であることが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイでは、前記ポーラス体がハイドロゲル材料以外の材料を含むことが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイでは、複数のマイクロニードルが基材上に立設されていることが好ましい。
ここで、本発明のマイクロニードルアレイでは、前記マイクロニードルが小マイクロニードルを備えた柱状体を含むことが好ましい。
また、本発明のマイクロニードルアレイでは、前記小マイクロニードルを一本又は複数本備え、前記柱状体を複数本含むことが好ましい。
本発明のマイクロニードルアレイは、分子量1kDa~100kDaの大分子、粒子径2nm~200nmの粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つの輸送に用いられることが好ましい。
本発明のパッチでは、本発明のマイクロニードルアレイと、前記マイクロニードルアレイに接触して設けられた複数の電極とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高効率な電気浸透流を発生させることが可能であり、比較的大きなサイズの分子や粒子を輸送することが可能なマイクロニードル、パッチを提供するすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本実施形態のマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルの一例を示す図である。(A)は、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(PAMPS)で表面修飾されたポリグリシジルメタクリレート(PGMA)製のポーラス体で構成される円錐形状のマイクロニードル(MN)をMNの円錐の軸に沿う面により切断した時の断面図である。(B)は、(A)に示す破線四角枠の部分を拡大して示す図である。
図2は、本実施形態のマイクロニードルアレイの一例を示す写真である。
図3は、本実施形態において、ポリグリシジルメタクリレート(PGMA)製のポーラス体で構成される円錐形状のマイクロニードル(MN)の表面にポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(PAMPS)を導入する方法の概要について説明する図である。(A)は、未修飾のポリグリシジルメタクリレート(PGMA)製のポーラス体を模式的に示す図であり、(B)は、(A)に示すポーラス体を3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリラートで表面処理を施した後の状態を模式的に示す図であり、(C)は、(B)に示す表面処理により導入されたアクリル構造を重合開始点として2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を重合させた後の状態を模式的に示す図である。
図4は、本実施形態において、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(PAMPS)で表面修飾されたポリグリシジルメタクリレート(PGMA)製のポーラス体で構成される平板状部材(厚さ:1mm、直径18mm)を用いて、フランツセルの一方のセルに蛍光色素タグを付けた大分子ないし粒子を滴下せず又は滴下して、通電したときの蛍光色素の動態を観察することによって、平板状部材における通電による電気浸透流の発生や大分子ないし粒子の移動を確認する試験の概要を示す図である。
図5は、図4に示す試験により、密閉したフランツセルの一方から他方への水の移動を観察することによって、平板状部材における通電による電気浸透流の発生を確認したときの結果を示す図である。
図6は、図4に示す試験により、密閉したフランツセルの一方から他方へのデキストラン-FITC(10kDa)の蛍光色素の動態を観察することによって、平板状部材におけるデキストラン-FITCの移動を確認したときの結果を示す図である。図6中、黒色丸印は、実施例1の結果を表し、白色三角印は、比較例1の結果を表し、黒色三角印は、比較例2の結果を表す。図6中、バーは標準偏差を表す(N=3)。
図7は、図4に示す試験により、密閉したフランツセルの一方から他方へのアルブミン-FITC(66kDa)の蛍光色素の動態を観察することによって、平板状部材におけるアルブミン-FITCの移動を確認したときの結果を示す図である。図7中、黒色丸印は、実施例1の結果を表す。図7中、バーは標準偏差を表す(N=3)。
図8は、図4に示す試験により、密閉したフランツセルの一方から他方への金ナノ粒子(15nm)の吸光度の動態を観察することによって、平板状部材における金ナノ粒子(15nm)の移動を確認したときの結果を示す図である。図8中、黒色丸印は、実施例1の結果を表す。
図9は、図4に示す試験により、密閉したフランツセルの一方から他方への金ナノ粒子(50nm)の吸光度の動態を観察することによって、平板状部材における金ナノ粒子(50nm)の移動を確認したときの結果を示す図である。図9中、黒色丸印は、実施例1の結果を表す。
図10は、図4に示す試験により、密閉したフランツセルの一方から他方への蛍光シリカナノ粒子(100nm)の蛍光色素の動態を観察することによって、平板状部材における蛍光シリカナノ粒子(100nm)の移動を確認したときの結果を示す図である。図10中、黒色丸印は、実施例1の結果を表す。図10中、バーは標準偏差を表す(N=3)。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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