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公開番号2025074068
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2024188682
出願日2024-10-26
発明の名称積層膜、磁気抵抗効果素子、半導体メモリ及びロジックLSI
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類H10B 61/00 20230101AFI20250502BHJP()
要約【課題】上下の二つの磁性層の層間交換結合強度が強い積層膜、磁気抵抗効果素子、半導体メモリ及びロジックLSIを提供する。
【解決手段】積層膜10は、第1の磁性層11と、第1の磁性層と隣接する反強磁性結合層12と、反強磁性結合層と隣接し、第1の磁性層と反強磁性結合する第2の磁性層13と、を備えており、反強磁性結合層12はIr-Re合金を含む層を含み、Ir-Re合金におけるReの原子割合が0%より大きく、12.5%以下である。磁気抵抗効果素子、半導体メモリ及びロジックLSIはこの積層膜を一又は複数有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1の磁性層と、
前記第1の磁性層と隣接する反強磁性結合層と、
前記反強磁性結合層と隣接し、前記第1の磁性層と反強磁性結合する第2の磁性層と、
を備えており、
前記反強磁性結合層はIr-Re合金を含む層を含み、前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が0%より大きく、12.5%以下である、積層膜。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が10%以下である、請求項1に記載の積層膜。
【請求項3】
前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が4.5%以下である、請求項1に記載の積層膜。
【請求項4】
前記反強磁性結合層におけるIrとReとを含む層は、0.2nmよりも大きく、かつ、1.0nmよりも小さい厚みを有する、請求項1に記載の積層膜。
【請求項5】
前記第1の磁性層、前記第2の磁性層の少なくとも何れかは、Co層とPt層との積層を含んでなる、請求項1に記載の積層膜。
【請求項6】
前記反強磁性結合層は、前記Ir-Re合金を含む層と、Pt又はPtの合金を含む層とを備える、請求項1に記載の積層膜。
【請求項7】
前記反強磁性結合層は、前記Ir-Re合金を含む層と、Irを含む層とを備える、請求項1に記載の積層膜。
【請求項8】
記録層と障壁層と参照層とを備え、
前記記録層と前記参照層とが前記障壁層を挟んでおり、
前記参照層が、請求項1乃至7の何れか1項に記載の積層膜を備える、磁気抵抗効果素子。
【請求項9】
導電層と記録層と障壁層と参照層とを備え、
前記導電層が請求項1乃至7の何れか1項に記載の積層膜を備え、
前記導電層に流れる電流の書込み電流により、前記記録層における磁化の方向が反転する、磁気抵抗効果素子。
【請求項10】
請求項8に記載の磁気抵抗効果素子を有する、半導体メモリ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層膜、磁気抵抗効果素子、半導体メモリ及びロジックLSIに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)素子において、磁化の方向が固定されたPin層(ピン層)として層間反強磁性(Synthetic Anti-ferromagnetic)結合層が使用されている。MTJ素子においては、スピン注入磁化反転(Spin Transfer Torque:STT)を用いて記録層のデータを書き換えるSTT-MRAM(Magnetic Random Access Memory)と、スピン軌道トルク(Spin Orbit Torque:SOT)誘起磁化反転を用いて記録層のデータを書き換えるSOT-MRAMが知られている。また、SOT-MRAM素子において、導電層として層間反強磁性結合層を用いることも提案されている。
【0003】
磁性体に垂直磁化材料を用いると、面内磁化した磁性体を用いるよりも素子の大きさをより小さく、高密度に配置でき、記憶容量を向上させることができる。しかしながら、垂直磁気異方性が小さいと熱安定性が悪くなることが知られている。また、非特許文献1及び非特許文献2には、STT-MRAMにおいて強磁性層間の結合強度が小さいとバックホッピングによる書込みエラーが増大するという問題が開示されている。
【0004】
特許文献1には、層間反強磁性結合層としてIr層、Ru層が用いられていることが開示されている。素子サイズを微細化していくとPin層の安定性が悪くなるためバックホッピングによる書込みエラーが増大してしまうことから、Ir層、Ru層よりも交換結合強度が強い層間反強磁性結合層が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-33026号公報
【非特許文献】
【0006】
W. Kim et al., IEEE Trans. Magn. 52, 3401004 (2016)
T. Devolder et al., Phys. Rev. B 102, 184406 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、垂直磁気異方性を有する上下の二つの磁性層の結合強度の強い積層膜が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、上下の二つの磁性層の層間交換結合強度の強い積層膜並びにそれを含む磁気抵抗効果素子、半導体メモリ及びロジックLSIを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下のコンセプトを有する。
[1] 第1の磁性層と、
前記第1の磁性層と隣接する反強磁性結合層と、
前記反強磁性結合層と隣接し、前記第1の磁性層と反強磁性結合する第2の磁性層と、
を備えており、
前記反強磁性結合層はIr-Re合金を含む層を含み、前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が0%より大きく、12.5%以下である、積層膜。
[2] 前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が10%以下である、前記[1]に記載の積層膜。
[3] 前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が4.5%以下である、前記[1]に記載の積層膜。
[4] 前記反強磁性結合層におけるIrとReとを含む層は、0.2nmよりも大きく、かつ、1.0nmよりも小さい厚みを有する、前記[1]に記載の積層膜。
[5] 前記第1の磁性層、前記第2の磁性層の少なくとも何れかは、Co層とPt層との積層を含んでなる、前記[1]に記載の積層膜。
[6] 前記反強磁性結合層は、前記Ir-Re合金を含む層と、Pt又はPtの合金を含む層とを備える、前記[1]に記載の積層膜。
[7] 前記反強磁性結合層は、前記Ir-Re合金を含む層と、Irを含む層とを備える、前記[1]に記載の積層膜。
[8] 記録層と障壁層と参照層とを備え、
前記記録層と前記参照層とが前記障壁層を挟んでおり、
前記参照層が、前記[1]乃至[7]の何れか1項に記載の積層膜を備える、磁気抵抗効果素子。
[9] 導電層と記録層と障壁層と参照層とを備え、
前記導電層が前記[1]乃至[7]の何れか1項に記載の積層膜を備え、
前記導電層に流れる電流の書込み電流により、前記記録層における磁化の方向が反転する、磁気抵抗効果素子。
[10] 前記[8]に記載の磁気抵抗効果素子を有する、半導体メモリ。
[11] 前記[8]に記載の磁気抵抗効果素子を有する、ロジックLSI。
[12] 前記[9]に記載の磁気抵抗効果素子を有する、半導体メモリ。
[13] 前記[9]に記載の磁気抵抗効果素子を有する、ロジックLSI。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、積層膜が、第1の磁性層と、第1の磁性層と隣接する反強磁性結合層と、反強磁性結合層と隣接し、前記第1の磁性層と反強磁性結合する第2の磁性層と、を備えており、反強磁性結合層はIr-Re合金を含む層を含み、前記Ir-Re合金におけるReの原子割合が0%より大きく、12.5%以下であるため、第1の磁性層と第2の磁性層との層間交換結合強度が強い。このような積層膜を磁気抵抗効果素子に使用したり、STT-MRAM、SOT-MRAMさらにはMRAMを含む半導体メモリに使用したり、SOT-MRAM用導電層に使用したり、ロジックLSIに使用したりすることにより、熱安定性のよい、作製の際のアニール工程を経ても垂直磁気異方性を維持した強いピン止めが可能な耐熱性のよい、スピンデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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