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公開番号
2025080446
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-26
出願番号
2023193599
出願日
2023-11-14
発明の名称
銅合金、銅合金塑性加工材、電子・電気機器用部品、フレキシブルデバイス用部品、放熱用部品、金属シール材
出願人
三菱マテリアル株式会社
,
国立大学法人東北大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
9/04 20060101AFI20250519BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】導電性に優れるとともに、ヤング率が低くて弾性変形量が十分に大きく、大きな変形を受けた場合であっても塑性変形が起きにくい銅合金を提供する。
【解決手段】15質量%以上57質量%以下のZnを含有し、12質量%以下のAlを含有し、Znの含有量をA質量%とし、Alの含有量をB質量%として、A+5×B≧30、かつ、A+3.5×B≦57を満たし、残部がCu及び不可避不純物とした組成とされており、β相の体積分率が50%以上であり、EBSD法により1mm
2
以上の測定面積を測定間隔1μmステップで測定して、データ解析ソフトOIMにより解析されたCI値が0.1以下である測定点を除いて測定された前記β相のKAM(Kernel Average Misorientation)値の平均値が2.0°以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
15質量%以上57質量%以下のZnを含有し、12質量%以下のAlを含有し、Znの含有量をA質量%とし、Alの含有量をB質量%として、A+5×B≧30、かつ、A+3.5×B≦57を満たし、残部がCu及び不可避不純物とした組成とされており、
β相の体積分率が50%以上であり、
EBSD法により1mm
2
以上の測定面積を測定間隔1μmステップで測定して、データ解析ソフトOIMにより解析されたCI値が0.1以下である測定点を除いて測定された前記β相のKAM(Kernel Average Misorientation)値の平均値が2.0°以下であることを特徴とする銅合金。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
0.005質量%以上10質量%以下のNiをさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の銅合金。
【請求項3】
Co,Fe,Mn,Si,Sn,Mg,Be,Sb,Cd,As,Agから選択される一種または二種以上のC群元素を合計で0.0005質量%以上2.5質量%以下の範囲でさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
【請求項4】
Ti,V,Cr,Nb,Mo,W,P,Zr,B,C,ミッシュメタルから選択される一種または二種以上のD群元素を合計で0.0005質量%以上2.5質量%以下の範囲でさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
【請求項5】
前記β相のKAM値の標準偏差が0.75°以下であることを特徴とする請求項1に記載の銅合金。
【請求項6】
α相を有する場合、前記α相のKAM値の平均値が2.0°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
【請求項7】
前記β相のGOS(Grain Orientation Spread)値の平均値が2.0°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
【請求項8】
ヤング率が100GPa以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
【請求項9】
最大弾性ひずみが0.4%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
【請求項10】
導電率が10%IACS以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、家電、リードフレーム等の半導体部品、プリント配線板、放熱板、開閉器部品、バスバー、コネクタ等の電気・電子機器用部品などに好適な銅合金、この銅合金からなる銅合金塑性加工材、電子・電気機器用部品、フレキシブルデバイス用部品、放熱用部品、金属シール材に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、端子、バスバー、リードフレーム、放熱部材等の電子・電気機器用部品には、導電性および伝熱性に優れた銅又は銅合金が用いられている。
上述の各種用途の銅合金として、例えば、特許文献1-3に示すように、Cu-Zn系合金(いわゆる黄銅)が用いられている。これら特許文献1-3においては、強度と加工性とを確保するために、Cu,Zn以外の各種元素を添加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-164328号公報
特開2002-088428号公報
特開2009-062610号公報
特開2000-169920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、電子、電気機器の使いやすさの向上のために、電子・電気機器用部品のフレキシブル化が図られている。そこで、電子・電気機器用部品を構成する材料においては、弾性変形が容易に行えるように低ヤング率でありながら、大きな変形を受けた場合であっても塑性変形が起きずに、元の形状に戻るように、弾性変形量が大きいものが求められている。
ここで、特許文献1-3に記載されたような従来の銅合金においては、ヤング率が低くならず、また、弾性変形量を十分に大きくすることができず、大きな変形を受けた場合に容易に塑性変形してしまうおそれがあった。
【0005】
特許文献4では優れた加工性を維持しながら、形状記憶特性及び、超弾性特性により大きな擬弾性変形を示す銅系合金が報告されている。しかし、ヤング率が十分に低くなく、変形が容易ではない。
また、導電率が開示されておらず導電性が低い場合には、通電した際に発熱が大きく、エネルギーロスが大きいという問題があった。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、導電性に優れるとともに、ヤング率が低くて弾性変形量が十分に大きく、大きな変形を受けた場合であっても塑性変形が起きにくい銅合金、この銅合金からなる銅合金塑性加工材、電子・電気機器用部品、フレキシブルデバイス用部品、放熱用部品、金属シール材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。低いヤング率の銅材料を得るためには、「多くのβ相を得る」かつ、「材料内部のひずみを小さくする」ことが重要であることが明らかとなった。
銅合金で現れるβ相は、通常の銅合金で利用されるα相よりもヤング率が低いため、多くのβ相を得ることでヤング率を低下させることができる。さらに、β相の内部のひずみを小さくすることにより、β相内部の変形の阻害がなく、さらに低いヤング率を得ることが可能となる。
また、材料内のひずみ分布を均一にすることで、局所的に変形しにくい部分がなくなり、材料全体が均一に変形することで、より低いヤング率が得られる。
以上から、ひずみが小さくかつ均一に分散したβ相を多く得ることが、銅合金のヤング率を低下させるためには重要であることが明らかとなった。
【0008】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の態様1の銅合金は、15質量%以上57質量%以下のZnを含有し、12質量%以下のAlを含有し、Znの含有量をA質量%とし、Alの含有量をB質量%として、A+5×B≧30、かつ、A+3.5×B≦57を満たし、残部がCu及び不可避不純物とした組成とされており、β相の体積分率が50%以上であり、EBSD法により1mm
2
以上の測定面積を測定間隔1μmステップで測定して、データ解析ソフトOIMにより解析されたCI値が0.1以下である測定点を除いて測定された前記β相のKAM(Kernel Average Misorientation)値の平均値が2.0°以下であることを特徴としている。
【0009】
本発明の態様1の銅合金によれば、15質量%以上57質量%以下のZnを含有し、12質量%以下のAlを含有し、Znの含有量をA質量%とし、Alの含有量をB質量%として、A+5×B≧30、かつ、A+3.5×B≦57を満たし、残部がCu及び不可避不純物とした組成とされているので、強度、導電率に優れるとともに、良好な熱伝導性を有することができる。また、β相を十分に形成することができる。
そして、β相の体積分率が50%以上であり、前記β相のKAM値の平均値が2.0°以下とされているので、β相の占める割合が大きく、かつ、ひずみが十分に少ないため、ヤング率が十分に低く弾性変形が容易になる。これにより、弾性変形量が十分に大きくなり、大きな変形を受けた場合であっても容易に塑性変形しにくくなりフレキシブル化が求められる用途に好適に使用することができる。
【0010】
本発明の態様2の銅合金は、本発明の態様1の銅合金において、さらに、0.005質量%以上10質量%以下のNiを含有することを特徴としている。
本発明の態様2の銅合金によれば、0.005質量%以上10質量%以下のNiを含有しているので、Niによる固溶強化と、NiおよびAlを含む析出物が生じることでさらに強度を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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