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公開番号2025079139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191622
出願日2023-11-09
発明の名称ルーメンバイパス組成物およびこれを用いた乳房炎の予防方法
出願人油化産業株式会社,国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類A23K 50/10 20160101AFI20250514BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】反芻動物に対して、ワクチン接種よりも簡単な給餌等の作業により行うことができ、作業効率が良く、予防効果の高い乳房炎の予防法を提供する。
【解決手段】少なくともグルタミン酸塩を含有し、ルーメンバイパス性グルタミン酸含有率が15重量%以上であるルーメンバイパス組成物を反芻動物に給与する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともグルタミン酸塩を含有し、ルーメンバイパス性グルタミン酸含有率が15重量%以上であるルーメンバイパス組成物。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
グルタミン酸塩を15~75重量%、炭素数8~24の脂肪酸金属石鹸を20~80重量%、融点が60~80℃の脂肪酸または脂肪酸エステルを1~20重量%含有する溶融混練物からなる成形体である、請求項1に記載のルーメンバイパス組成物。
【請求項3】
前記グルタミン酸塩はグルタミン酸ナトリウムであり、前記脂肪酸金属石鹸は示差走査熱量分析による吸熱ピークが60~130℃の範囲にあり、前記脂肪酸または脂肪酸エステルが飽和脂肪酸または飽和脂肪酸トリグリセライドである、請求項2に記載のルーメンバイパス組成物。
【請求項4】
形が塊状である請求項1~3のいずれかに記載のルーメンバイパス組成物。
【請求項5】
前記ルーメンバイパス性グルタミン酸含有率が20~40重量%である請求項1~3のいずれかに記載のルーメンバイパス組成物。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかに記載のルーメンバイパス組成物を反芻動物に給与することを特徴とする乳房炎の予防方法。
【請求項7】
反芻動物1頭、1日当たりのルーメンバイパス性グルタミン酸の給与量が20~100gである、請求項6に記載の乳房炎の予防方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーメンバイパス組成物およびこれを用いた乳房炎の予防方法に関し、詳しくは反芻動物に給与することにより乳房炎を予防することができるルーメンバイパス組成物およびこれを用いた乳房炎の予防方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
乳房炎は、細菌感染によって乳牛を含む哺乳類動物の乳腺に生じる炎症である。細菌は動物の乳頭管から侵入し、急性、臨床的または潜在性の乳房炎を引き起こす。乳牛の乳房炎の原因病原体として、黄色ブドウ球菌、無乳性連鎖球菌、大腸菌、緑膿菌などが知られている。乳牛の抵抗力が低下しているときや搾乳時、畜舎の衛生管理が不十分なとき、乳房炎は発症し易い。乳房炎により乳内の体細胞数は増加し、乳汁産生は減少する。乳牛の乳房炎は酪農業にとって経済的に最も費用のかかる病気であり、乳質の低下、治療中の生乳廃棄、治療費、治療中の餌代、乳量の低下などによる損失は酪農家にとって甚大なものとなる。更に多くの場合、治療には感染した牛を群れから隔離することが必要であり、酪農家の労働時間増加や精神的苦痛によるモチベーションの低下を引き起こす。
【0003】
乳牛の乳房炎対策として酪農家は、乳頭消毒や搾乳機の洗浄、牛床の清掃により清潔に保ち、搾乳手順の適切化、栄養状態の改善を行い、乳房炎の早期発見に努めている(例えば、非特許文献1)。また、筋肉内接種型(非特許文献2)や粘膜接種型(非特許文献3)のワクチンによる乳房炎の予防も検討されている。更に、病原菌に対する抵抗力を上げる目的で、有効成分を含んだ飼料の給与による炎症の予防も検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
「兵庫県乳質改善マニュアル-正しい搾乳手順-」,兵庫県酪農振興協議会編改訂版(2016年3月)
▲高▼橋俊彦ら,“牛注射型乳房炎ワクチン全頭一斉投与による乳房炎防除効果”,J. Rakuno Gakuen Univ., 47 (2):59~64 (2023)
長澤裕哉, 畜産技術,vol. 2020 (5) p.28-32, 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これら様々な対策をしても、国内の乳牛における乳房炎発生率は年々増加傾向にある。また、乳房炎の予防や早期発見に関わる作業は機械化も困難で手間がかかり、乳房炎のワクチン接種を行っても、病原菌によっては乳房炎を発症することがあるなど、従来の方法においては、困難を伴うにも拘らず、目的を達成することができていない。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、反芻動物に対して、ワクチン接種よりも簡単な給餌等の作業により行うことができ、作業効率が良く、予防効果の高い乳房炎の予防法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、まず、乳房炎発症牛の血中のグルタミン酸濃度が健常牛よりも低いことを新たに知得し、血中のグルタミン酸濃度を一定に保つことで乳房炎の予防やその重症化を緩和できる可能性があるとの仮説を立てた。
しかしながら、グルタミン酸塩をそのまま反芻動物に給与しても、主に第1胃のルーメンに生息する微生物(以下「ルーメン微生物」ともいう。)によりグルタミン酸塩が分解される。なお、ルーメン微生物は細菌、プロトゾア(原虫)、嫌気性真菌などからなる微生物叢である。
また、グルタミン酸は可欠アミノ酸であるため、栄養源として一般的に給与されず、その給与による効果はあまり注目されていないのが現状である。
そこで、グルタミン酸がほぼ中性領域の第1胃内で放出されてルーメン微生物に分解されないようにコーティングしつつ、酸性領域の第4胃では速やかに放出されるグルタミン酸製剤を給与することにより、血中グルタミン酸濃度が高く維持され、乳房炎発症率が低下することを本発明者らは確認した。
更に本発明者らは、ルーメンバイパス性グルタミン酸含有率が所定範囲となるグルタミン酸塩含有組成物を開発するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
本発明の態様(1)は、少なくともグルタミン酸塩を含有し、ルーメンバイパス性グルタミン酸含有率が15重量%以上であるルーメンバイパス組成物である。
【0009】
本発明の態様(2)は、態様(1)のルーメンバイパス組成物が、グルタミン酸塩を15~75重量%、炭素数8~24の脂肪酸金属石鹸を20~80重量%、融点が60~80℃の脂肪酸または脂肪酸エステルを1~20重量%含有する溶融混練物からなる成形体である。
【0010】
本発明の態様(3)は、態様(2)のルーメンバイパス組成物において、前記グルタミン酸塩はグルタミン酸ナトリウムであり、前記脂肪酸金属石鹸は示差走査熱量分析による吸熱ピークが60~130℃の範囲にあり、前記脂肪酸または脂肪酸エステルが飽和脂肪酸または飽和脂肪酸トリグリセライドである。
(【0011】以降は省略されています)

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