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公開番号2025077646
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189994
出願日2023-11-07
発明の名称機能的MRI撮像用の嗅覚刺激装置及び嗅覚分析方法
出願人公益財団法人実中研,国立大学法人東北大学,国立大学法人旭川医科大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類A61B 5/055 20060101AFI20250512BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】実験動物の嗅覚を刺激したときの機能的MRIを測定し得る装置を提供すること。
【解決手段】嗅覚刺激物質供給部、及び、嗅覚刺激物質吸引部を有する機能的MRI撮像用の嗅覚刺激装置を有する機能的MRI用の嗅覚刺激装置及び嗅覚分析方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
嗅覚刺激物質供給部、及び、嗅覚刺激物質吸引部を有する機能的MRI撮像用の嗅覚刺激装置であって、
嗅覚刺激物質供給部は、供給チューブ、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブ、バルブ、バルブ開閉部、嗅覚刺激物質貯留槽、及び空気圧縮機を有し、
供給チューブは嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブに連結されており、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブにはバルブが連結されており、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブは嗅覚刺激物質貯留槽に連結されており、嗅覚刺激物質貯留槽は内部に嗅覚刺激物質を含み、嗅覚刺激物質貯留槽は空気圧縮機に連結されており、
嗅覚刺激物質吸引部は、吸引チューブ、及び吸引ポンプを有し、
吸引チューブは吸引ポンプに連結されており、
バルブは、バルブ開閉部に連結されており、
空気圧縮機は空気を嗅覚刺激物質貯留槽に送り込むことができ、嗅覚刺激物質貯留槽は、嗅覚刺激物質を含んだ空気を、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブに送り込むことができ、
バルブが開いているときは嗅覚刺激物質を含んだ空気を供給チューブへと送ることができ、実験動物を嗅覚刺激物質に暴露することができ、バルブが閉じているときは嗅覚刺激物質を含んだ空気は嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブ内に保持され、
吸引ポンプは、嗅覚刺激物質を含む又は含まない空気を、吸引チューブから吸引し、装置の外部へと排気することができる、
機能的MRI撮像用の嗅覚刺激装置。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
吸引チューブと吸引ポンプとの間に排気物貯留槽が配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
嗅覚刺激物質貯留槽と空気圧縮機との間にフィルターが配置されている、及び/又は吸引チューブと吸引ポンプとの間にフィルターが配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
マーモセット用、マウス用、ラット用、マカク用、モルモット用、又はヒト用である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
供給チューブ、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブ、バルブ、及び吸引チューブが非磁性材料により構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置を使用する、実験動物を嗅覚刺激物質に暴露したときの機能的MRIを撮像する方法。
【請求項7】
バルブを閉じて、嗅覚刺激物質を、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブ内に保持し、次いで、バルブ開閉部によりバルブを開いて、嗅覚刺激物質を供給チューブに送り、実験動物を嗅覚刺激物質に暴露し、機能的MRIを撮像する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
吸引ポンプにより、嗅覚刺激物質を含む又は含まない空気を、吸引チューブから吸引し、装置の外部へと排気しながら機能的MRIを撮像する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
実験動物を嗅覚刺激物質に一定時間、暴露した後に、バルブ開閉部によりバルブを閉じて嗅覚刺激物質を、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブ内に保持し、実験動物の梨状皮質と前嗅覚皮質の反応性低下を抑制し、所定期間後、実験動物を嗅覚刺激物質に一定時間、暴露し機能的MRIを撮像する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
実験動物を第1の嗅覚刺激物質に一定時間、暴露した後に、バルブ開閉部によりバルブを閉じて、第1の嗅覚刺激物質を吸引ポンプにより吸引し、バルブが閉じた状態で第2の嗅覚刺激物質を、嗅覚刺激物質を一時的に保持するためのチューブ内に保持し、所定期間後、実験動物を第2の嗅覚刺激物質に一定時間、暴露し機能的MRIを撮像する、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、機能的MRI、例えば実験動物を対象とする機能的MRIの嗅覚刺激装置及び嗅覚分析方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
脳の活動を測定するための手段として核磁気共鳴画像法(Magnetic resonance imaging、MRI)が広く利用されている。従来のマーモセット、マウス、ラットのような小動物を対象にした覚醒下機能的MRIは、ボア径30cm未満の小径MRI装置を使用した外科手術なしでの実施例があまりない。
【0003】
このような中で、特許文献1は、機能的MRI用ベッド及びこれを備えた機能的MRI用ベッドシステムを記載している。
【0004】
一部の哺乳類を除き、嗅覚には、主経路と副経路が存在する。主経路は主に物質のニオイを感知する経路であり、嗅覚神経がニオイ物質に反応する時間は比較的短く、長時間、同じニオイ物質に暴露されると次第にその信号は減衰する(嗅覚順応)。副経路は、フェロモンを感知する経路であり、即時的な反応だけでなく、嗅覚順応がおきづらいことが知られている。
【0005】
近年、疾患と嗅覚との関係が注目を集めている。例えば、パーキンソン病は黒質のドーパミン神経細胞の変性を伴う神経変性疾患であり、ドーパミン産生細胞へのアルファシヌクレインの蓄積がその要因と考えられている。この異常タンパクの蓄積は嗅球から始まるため、最近の研究ではパーキンソン病に関連する認知障害や運動症状が出現する前から、嗅覚障害が発生し得る報告例がある。また、アルツハイマー病も認知障害が発生する前から嗅覚障害が起きていることが最近わかってきた。そのため、嗅覚障害を評価することができれば、パーキンソン病やアルツハイマー病の早期診断の手助けとなり得る。同様にレビー小体型認知症やcovid-19でも早期の嗅覚障害などの感覚神経障害が生じる事が知られている。
【0006】
従来の嗅覚計としては、コンピュータ制御された嗅覚計の報告例がある(非特許文献1)。これはヒトの鼻腔にニオイ物質を送達するためのノーズピースを備えた装置である。ノーズピースには、ニオイ物質が漏れるのを防ぐための逆止弁が採用されている。しかしながら、この装置はMRI装置を想定して作られておらず、機器と鼻の間に2.5 mの距離がある場合を想定しており、機器を鼻の直前(MRI装置内)に入れることを考えられていないため、非磁性体の装置は存在しない。また、この装置は小口径のMRI装置の場合のように半閉鎖空間となった場合吸引がないためにニオイの滞留が発生する。
【0007】
非特許文献2は、マーモセットをホルダー内に固定し、ニオイ物質に暴露し、機能的MRIを測定したことを報告している。ホルダーはラット用のものを改良したため、動物の準備段階で麻酔が必要であった。また、マーモセットは、性フェロモンに7分間暴露している時のデータの収集が行われた。性フェロモンは主に嗅覚の副経路を刺激するため、この実験では、短期間のニオイ物質に対する反応性は求められていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2023/277177号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
Lundstromら、Int J Psychophysiol. 2010 November ; 78(2): 179-189
Ferrisら、NEUROREPORT, Vol 12 No 10 20 July 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、機能的MRI用ベッドを用いて、実験動物をニオイ物質に暴露するときの機能的MRI撮像に取り組んだ。しかし、経静脈的なニオイ物質の投与では、MRI空間内にニオイ物質の残留や、不均一な刺激強度での暴露が起こってしまい、鮮明な結果が得られなかった。特に、マーモセットをホルダーで固定し、30秒間ニオイ物質に暴露し、その後5分間のインターバルを設けるサイクルを繰り返す機能的MRI測定では、1回目のサイクルの後、5分間のインターバルでは十分にニオイ物質がマーモセットの鼻腔周辺から消失しておらず、2サイクル目でニオイ物質に暴露したときの結果がやや不明瞭であった。また、刺激強度が不均一なため、時間分解能が高く脳活動が立ち上がる様子が観察できなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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