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公開番号2025079637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023192439
出願日2023-11-10
発明の名称自然免疫調節作用を有するステロール誘導体
出願人国立大学法人お茶の水女子大学,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07J 41/00 20060101AFI20250515BHJP(有機化学)
要約【課題】STING経路の活性の調節に関わる新たな化合物を提供する。または、特定のステロール誘導体の新たな用途を提供する。
【解決手段】いくつかの態様において、下記の一般式(I)もしくは(II)で示される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグを提供する。いくつかの態様において、下記の一般式(I)もしくは(II)で示される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグを含む、STING経路調節剤、またはSTING関連疾患処置剤を提供する。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の一般式(I)もしくは(II)で示される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
JPEG
2025079637000118.jpg
40
170
(式中、
R
1
は、-OR
4
、および-NHR
5
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000119.jpg
16
170
は、
JPEG
2025079637000120.jpg
19
170
からなる群から選択され;
R
2
’は、CH
2
およびNHからなる群から選択され;
R
2
”は、CHから選択され;
R
3
は、
JPEG
2025079637000121.jpg
17
170
からなる群から選択され;
R
4
は、-H、および-C(=O)R
6
からなる群から選択され;
R
5
は、-H、-C(=O)R
7
、および-S(=O)
2
R
7
からなる群から選択され;
R
6
は、
JPEG
2025079637000122.jpg
22
170
であり;
W
1
、W
2
、およびW
3
は、それぞれ独立して、CHR
8
、およびNR
8
からなる群から選択され;
R
7
は、-C
1-6
アルキルであり;
R
8
は、-H、および-C
1-6
アルキルからなる群から選択され;
Xは、
JPEG
2025079637000123.jpg
45
170
からなる群から選択され;
R
9
、R
12
、およびR
14
は、それぞれ独立して、-C
1-6
アルキルであるか、または存在せず;
R
10
続きを表示(約 4,900 文字)【請求項2】
R
3
が、
JPEG
2025079637000127.jpg
15
170
から選択される、請求項1に記載の化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグであって:
W
1
、およびW
2
が、CH
2
から選択され;
W
3
が、NR
8
から選択され;
R
7
、R
8
、R
9
、およびR
12
が、それぞれ独立して、-C
1-3
アルキルから選択され;
Xが、
JPEG
2025079637000128.jpg
24
170
からなる群から選択され;
R
10
、R
11
、R
13
、およびR
15
が、それぞれ独立して、-H、-C
1-3
アルキル、-R
16
CCH、
JPEG
2025079637000129.jpg
53
170
からなる群から選択され(但し、R
1
が-OHであり、
JPEG
2025079637000130.jpg
18
170
が、
JPEG
2025079637000131.jpg
17
170
であり、かつR
2
’がCH
2
である場合において、R
10
およびR
11
のいずれもが、-CH
3
であることはない);
R
14
が、-C
1-5
アルキルから選択され;
Y
1
、Y
2
、およびY
3
が、CHR
22
から選択され;
R
16
が、-C
1-3
アルキルから選択されるか、または存在せず;
R
17
、およびR
18
が、それぞれ独立して、-NH
2
、-NHC(=O)CH
3
、-NHCOOC(CH
3
【請求項4】
請求項3に記載の化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグであって:
R
8
が、-CH
3
から選択され;
JPEG
2025079637000132.jpg
23
170
が、
JPEG
2025079637000133.jpg
66
170
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000134.jpg
22
170
が、
JPEG
2025079637000135.jpg
24
170
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000136.jpg
28
170
が、
JPEG
2025079637000137.jpg
29
170
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000138.jpg
23
170
が、
JPEG
2025079637000139.jpg
22
170
から選択され;
R
22
が、-Hから選択される、化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項5】
請求項3に記載の化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグであって:
Xが、
JPEG
2025079637000140.jpg
185
170
JPEG
2025079637000141.jpg
48
170
からなる群から選択される、化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項6】
下記のいずれかの化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
JPEG
2025079637000142.jpg
152
170
JPEG
2025079637000143.jpg
224
170
JPEG
2025079637000144.jpg
161
170
【請求項7】
下記の一般式(I)もしくは(II)で示される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグを含む、STING経路調節剤、またはSTING関連疾患処置剤。
JPEG
2025079637000145.jpg
40
170
(式中、
R
1
は、-OR
4
、および-NHR
5
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000146.jpg
16
170
は、
JPEG
2025079637000147.jpg
17
170
からなる群から選択され;
R
2
’は、CH
2
およびNHからなる群から選択され;
R
2
”は、CHであり;
R
3
は、
JPEG
2025079637000148.jpg
18
170
からなる群から選択され;
R
4
は、-H、および-C(=O)R
6
からなる群から選択され;
R
5
は、-H、-C(=O)R
7
、および-S(=O)
2
R
7
からなる群から選択され;
R
6
は、
JPEG
2025079637000149.jpg
23
170
であり;
W
1
、W
2
、およびW
3
は、それぞれ独立して、CHR
8
、およびNR
8
からなる群から選択され;
R
7
は、-C
1-6
アルキルであり;
R
8
は、-H、および-C
1-6
アルキルからなる群から選択され;
Xは、
JPEG
2025079637000150.jpg
46
170
からなる群から選択され;
R
9
、R
12
、およびR
14
は、それぞれ独立して、-C
1-6
アルキルであるか、または存在せず;
R
10
【請求項8】
R
3
が、
JPEG
2025079637000152.jpg
17
170
から選択される、請求項7に記載の剤。
【請求項9】
請求項7または8に記載の剤であって:
W
1
、およびW
2
が、CH
2
から選択され;
W
3
が、NR
8
から選択され;
R
7
、R
8
、R
9
、およびR
12
が、それぞれ独立して、-C
1-3
アルキルから選択され;
Xが、
JPEG
2025079637000153.jpg
25
170
からなる群から選択され;
R
10
、R
11
、R
13
、およびR
15
が、それぞれ独立して、-H、-C
1-3
アルキル、-R
16
CCH、
JPEG
2025079637000154.jpg
52
170
からなる群から選択され;
R
14
が、-C
1-5
アルキルから選択され;
R
16
が、-C
1-3
アルキルから選択されるか、または存在せず;
R
17
、およびR
18
が、それぞれ独立して、-NH
2
、-NHC(=O)CH
3
、-NHCOOC(CH
3
)
3
、-CH
3
、-CH
2
CH
3
、-CCH、-CCSi(CH
3
)
3
、-NHC(=O)CH
2
CH
2
CCH、-NHC(=O)CH
2
CH
2
CH
2
CH
3
、-N
3
、-CN、および-CF
3
【請求項10】
請求項9に記載の剤であって:
R
8
が、-CH
3
から選択され;
R
22
が、-Hから選択され;
JPEG
2025079637000155.jpg
22
170
が、
JPEG
2025079637000156.jpg
65
170
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000157.jpg
23
170
が、
JPEG
2025079637000158.jpg
22
170
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000159.jpg
31
170
が、
JPEG
2025079637000160.jpg
32
170
からなる群から選択され;
JPEG
2025079637000161.jpg
25
170
が、
JPEG
2025079637000162.jpg
23
170
から選択される、剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自然免疫調節作用を有するステロール誘導体に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
ウィルスや病原体に対する防御機構には、一度侵入した病原体を記憶して備える適応免疫系と、病原体等に特徴的な分子を認識して病原体の排除応答を起こす自然免疫系が存在する。その自然免疫系の一つとしてSTING(Stimulator of interferon genes)経路が存在し、細胞質のウィルス等に由来するDNAを感知し、インターフェロンの産生・分泌を介して防御応答を起こすことが知られる。STING経路では、細胞質のDNAがcGAS(サイクリックGMP-AMP合成酵素)に結合するとcGASの酵素活性が活性化し、セカンドメッセンジャーである環状ジヌクレオチドcGAMPが合成される。cGAMPは小胞体の膜タンパク質であるSTINGに結合してコンフォメーション変化を起こし、ゴルジ体への輸送、STINGのパルミトイル化修飾、オリゴマー化が起こる。STINGオリゴマー上でキナーゼTBK1がTBK1自身、STING、および転写因子IRF3をリン酸化する。リン酸化されたIRF3は活性型となり、抗ウィルス性サイトカインであるインターフェロン等の転写を活性化し、抗ウィルス応答・炎症応答を起こす。
【0003】
STING経路の活性化は、がん細胞に対する免疫応答に重要な役割を担う。単独あるいは既存の癌免疫療法との併用により、がんの治療薬としての可能性が期待され、STING経路を活性化する化合物の探索が行われてきた。cGAMP類似の核酸をベースに安定性等を改善した誘導体や、核酸構造を持たない低分子STINGアゴニストが知られており、現在臨床試験中となっている化合物が多く存在する。
【0004】
一方で、STING経路の過剰な活性化は、遺伝性疾患である乳児発症STING関連血管炎(SAVI)の直接的な原因であるだけでなく、全身性エリテマトーデス等のI型インターフェロノパチーに分類される炎症性・自己免疫疾患においてはSTING経路の活性化がこれらの疾患の憎悪を起こすことが知られている。よって、STING経路の活性化を抑制する化合物には上記を含めた炎症性・自己免疫疾患の治療薬としての可能性がある。
【0005】
STING経路を阻害する化合物の探索は、活性化剤の探索に比べて遅れており、臨床試験が行われているものはない(非特許文献1)。非特許文献2には、STINGのcGAMP結合部位に競合的に結合する化合物が記載されているが、タンパク質レベルでの活性はnMオーダーと高いものの、細胞レベルでの活性が低い。非特許文献3には、同じくcGAMP結合部位に作用するとされている化合物も報告されている。また、STINGの活性化に必要なパルミトイル化部位であるシステインに共有結合する化合物として、内在性化合物としてニトロ化不飽和脂肪酸が報告されており(非特許文献4)、その他の合成化合物の報告もある(非特許文献5)。
【0006】
この他、cGAMP結合部位に競合的に作用すると考えられる化合物として、STINGアゴニストと同系統の骨格を持つ化合物が報告されている(特許文献1)。また、パルミトイル化部位に共有結合的に結合する化合物も報告されている(非特許文献6)。
【0007】
また、非特許文献7には、STING経路の活性化の抑制作用を有する化合物として25-hydroxycholesterol(25HC)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開WO2019/269270号
【非特許文献】
【0009】
Decout A, Katz JD, Venkatraman S & Ablasser A (2021) The cGAS-STING pathway as a therapeutic target in inflammatory diseases. Nat Rev Immunol 21: 548-569
Tony Siu, Michael D Altman, Gretchen A Baltus, Matthew Childers, J Michael Ellis, Hakan Gunaydin, Harold Hatch, Thu Ho, James Jewell, Brian M Lacey, Charles A Lesburg, Bo-Sheng Pan, Berengere Sauvagnat, Gottfried K Schroeder, Serena Xu (2018) Discovery of a Novel cGAMP Competitive Ligand of the Inactive Form of STING. ACS Med Chem Lett 10(1):92-97
Hong Z, Mei J, Li C, Bai G, Maimaiti M, Hu H, Yu W, Sun L, Zhang L, Cheng D, Liao Y, Li S, You Y, Sun H, Huang J, Liu X, Lieberman J & Wang C (2021) STING inhibitors target the cyclic dinucleotide binding pocket. Proc Natl Acad Sci USA 118: e2105465118
Hansen AL, Buchan GJ, Ruhl M, Mukai K, Salvatore SR, Ogawa E, Andersen SD, Iversen MB, Thielke AL, Gunderstofte C, Motwani M, Moller CT, Jakobsen AS, Fitzgerald KA, Roos J, Lin R, Maier TJ, Goldbach-Mansky R, Miner CA, Qian W, et al (2018) Nitro-fatty acids are formed in response to virus infection and are potent inhibitors of STING palmitoylation and signaling. Proc Natl Acad Sci USA 115: E7768-E7775
Haag SM, Gulen MF, Reymond L, Gibelin A, Abrami L, Decout A, Heymann M, van der Goot FG, Turcatti G, Behrendt R & Ablasser A (2018) Targeting STING with covalent small-molecule inhibitors. Nature 559: 269-273
Hong Z, Mei J, Guo H, Zhu J & Wang C (2022) Intervention of cGAS-STING signaling in sterile inflammatory diseases. J Mol Cell Biol 14: in press
向井康治朗 (2020) STING経路を介する自己炎症性疾患治療標的の探索(公益財団法人薬理学研究会2019年度助成研究報告2020年12月1日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、STING経路の活性の調節に関わる新たな化合物を提供することを目的とする。または、本発明は、特定のステロール誘導体の新たな用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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