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公開番号2025035294
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142242
出願日2023-09-01
発明の名称超電導線材
出願人Faraday Factory Japan合同会社,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人平田国際特許事務所
主分類H01B 12/06 20060101AFI20250306BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】従来と異なる方法により超電導体層の臨界電流の異方性が低減された超電導線材を提供することにある。
【解決手段】他の層を介さずに任意の順序で積層された第1の超電導体層121と第2の超電導体層122を含む超電導体層12を備え、第1の超電導体層121が、柱状ピンニングセンターを有し、第2の超電導体層122が、点状ピンニングセンターを有する、超電導線材1を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
他の層を介さずに任意の順序で積層された第１の超電導体層と第２の超電導体層を含む超電導体層を備え、
前記第１の超電導体層が、柱状ピンニングセンターを有し、
前記第２の超電導体層が、点状ピンニングセンターを有する、
超電導線材。
続きを表示（約 960 文字）【請求項２】
前記第１の超電導体層が、ＲＥＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）（ＲＥは希土類元素）を母材とし、ＢａＭＯ
３
（ＭはＨｆ、Ｚｒ、又はＳｎ）を不純物として含み、
前記第２の超電導体層が、ＲＥＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）（ＲＥは希土類元素）を母材とし、ＲＥ
２
Ｏ
３
（ＲＥは希土類元素）を不純物として含む、
請求項１に記載の超電導線材。
【請求項３】
前記第１の超電導体層が、ＥｕＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）を母材とし、ＢａＨｆＯ
３
を不純物として含み、
前記第２の超電導体層が、ＹＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）を母材とし、Ｙ
２
Ｏ
３
を不純物として含む、又はＮｄＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）を母材とし、Ｎｄ
２
Ｏ
３
を不純物として含む、
請求項１に記載の超電導線材。
【請求項４】
前記超電導体層が、前記第１の超電導体層と前記第２の超電導体層が交互に積層された交互積層体を含む、
請求項１～３のいずれか１項に記載の超電導線材。
【請求項５】
６５Ｋの温度下で前記第１の超電導体層及び前記第２の超電導体層に磁束密度が８Ｔ以下の磁場を印加したときに、前記磁場が前記第１の超電導体層の表面に垂直なときの前記第１の超電導体層の臨界電流が、前記磁場が前記第１の超電導体層の表面に平行なときの前記第１の超電導体層の臨界電流よりも大きく、前記磁場が前記第２の超電導体層の表面に平行なときの前記第２の超電導体層の臨界電流が、前記磁場が前記第２の超電導体層の表面に垂直なときの前記第２の超電導体層の臨界電流よりも大きい、
請求項１～３のいずれか１項に記載の超電導線材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、超電導線材に関する。
続きを表示（約 3,000 文字）【背景技術】
【０００２】
超電導電流を流すことができる超伝導線材を磁場が存在する環境下で用いる場合、超伝導線材を貫く磁場の角度によって臨界電流の大きさが変化する。超伝導線材を様々な技術用途に広く使用するためには、臨界電流の磁場角度への依存性、すなわち臨界電流の異方性を低減することが求められる。
【０００３】
近年、Ｙ
２
Ｏ
3
、Ｙ
２
ＢａＣｕＯ
５
（Ｙ２１１）やＢａＨｆＯ
３
、ＢａＳｎＯ
３
を同じＹＢＣＯマトリクスに含有させることにより、ＲＥＢＣＯ超電導薄膜の臨界電流の異方性を制御する試みが行われている（非特許文献１、２を参照）。ここで、ＲＥＢＣＯはＲＥＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
ｙ
（ＲＥは希土類元素）の組成式で表される銅酸化物超電導体である。
【０００４】
また、近年、照射エネルギーや入射方向などの条件を調整して重イオン照射を実施することにより、ＲＥＢＣＯ超電導薄膜の臨界電流の異方性を制御する試みが行われている（非特許文献３、４を参照）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００５】
A.K.Jha et al., “Controlling the Critical Current Anisotropy of YBCO Superconducting Films by Incorporating Hybrid Artificial Pinning Centers”, IEEE Trans. Appl. Supercond., 26, 8000404 (2016)
A.K.Jha et al., “Isotropic enhancement in the critical current density of YBCO thin films incorporating nanoscale Y2BaCuO5inclusions”, J. Appl. Phys., 122, 093905 (2017)
B.Gautam et al., “Microscopic adaptation of BaHfO3and Y2O3 artificial pinning centers for strong and isotropic pinning landscape in YBa2Cu3O7-xthin films”, Supercond. Sci. Technol. 31, 025008 (2018)
N.M. Strickland et al., “Near-isotropic enhancement of the 20 K critical current of REBa2Cu3O7 coated conductors from columnar defects” Supercond. Sci. Technol. 36, 055001 (2023)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、従来と異なる方法により超電導体層の臨界電流の異方性が低減された超電導線材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の一態様として、上記目的を達成するために、下記の超電導線材を提供する。
【０００８】
［１］他の層を介さずに任意の順序で積層された第１の超電導体層と第２の超電導体層を含む超電導体層を備え、前記第１の超電導体層が、柱状ピンニングセンターを有し、前記第２の超電導体層が、点状ピンニングセンターを有する、超電導線材。
［２］前記第１の超電導体層が、ＲＥＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）（ＲＥは希土類元素）を母材とし、ＢａＭＯ
３
（ＭはＨｆ、Ｚｒ、又はＳｎ）を不純物として含み、前記第２の超電導体層が、ＲＥＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）（ＲＥは希土類元素）を母材とし、ＲＥ
２
Ｏ
３
（ＲＥは希土類元素）を不純物として含む、上記［１］に記載の超電導線材。
［３］前記第１の超電導体層が、ＥｕＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）を母材とし、ＢａＨｆＯ
３
を不純物として含み、前記第２の超電導体層が、ＹＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）を母材とし、Ｙ
２
Ｏ
３
を不純物として含む、又はＮｄＢａ
２
Ｃｕ
３
Ｏ
６＋ｙ
（０≦ｙ≦１）を母材とし、Ｎｄ
２
Ｏ
３
を不純物として含む、上記［１］に記載の超電導線材。
［４］前記超電導体層が、前記第１の超電導体層と前記第２の超電導体層が交互に積層された交互積層体を含む、上記［１］～［３］のいずれか１項に記載の超電導線材。
［５］６５Ｋの温度下で前記第１の超電導体層及び前記第２の超電導体層に磁束密度が８Ｔ以下の磁場を印加したときに、前記磁場が前記第１の超電導体層の表面に垂直なときの前記第１の超電導体層の臨界電流が、前記磁場が前記第１の超電導体層の表面に平行なときの前記第１の超電導体層の臨界電流よりも大きく、前記磁場が前記第２の超電導体層の表面に平行なときの前記第２の超電導体層の臨界電流が、前記磁場が前記第２の超電導体層の表面に垂直なときの前記第２の超電導体層の臨界電流よりも大きい、上記［１］～［３］のいずれか１項に記載の超電導線材。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、従来と異なる方法により超電導体層の臨界電流の異方性が低減された超電導線材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
図１は、本発明の実施の形態に係る超電導線材の構成を模式的に表す垂直断面図である。
図２は、磁場１．６Ｔ、温度６５Ｋの環境下における、ＥＢＨＯ／ＹＢＣＯ試料と、２つの比較例の臨界電流Ｉ
ｃ
の磁場角度Θへの依存性を示すグラフである。
図３は、磁場１Ｔ、温度７７．３Ｋの環境下における、ＥＢＨＯ／ＮｄＢＣＯ試料と、２つの比較例の臨界電流Ｉ
ｃ
の磁場角度Θへの依存性を示すグラフである。
図４は、６５Ｋの温度下で、ＥＢＨＯ試料に印加する磁場の強さと角度Θを変えて測定した臨界電流Ｉ
ｃ
を示すグラフである。
図５は、６５Ｋの温度下における、ＥＢＨＯ試料の臨界電流の異方性Ａの磁場の強さへの依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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