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公開番号
2024133754
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2023043705
出願日
2023-03-20
発明の名称
トナーバインダーの製造方法
出願人
三洋化成工業株式会社
代理人
主分類
G03G
9/087 20060101AFI20240926BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】高画質化の要望に応えるため、トナーを小粒子径化した場合に、トナー中での分散性に優れた結晶性ポリエステル樹脂を提供する。
【解決手段】溶解度パラメータの異なる2種の結晶性ポリエステルをエステル交換反応して結晶性ポリエステル樹脂(A)を得る工程1を有するトナーバインダーの製造方法であって、前記結晶性ポリエステルの溶解度パラメータの差の絶対値が0.10~0.50(cal/cm
3
)
1/2
であるトナーバインダーの製造方法を用いる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
溶解度パラメータの異なる2種の結晶性ポリエステル(a)をエステル交換反応して結晶性ポリエステル樹脂(A)を得る工程1を有するトナーバインダーの製造方法であって、前記結晶性ポリエステル(a)の溶解度パラメータの小さい方の結晶性ポリエステル(a1)と溶解度パラメータの大きい方の結晶性ポリエステル(a2)の溶解度パラメータの差の絶対値が0.10~0.50(cal/cm
3
)
1/2
であるトナーバインダーの製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記結晶性ポリエステル(a)の水酸基価が1~100mgKOH/gである請求項1に記載のトナーバインダーの製造方法。
【請求項3】
前記結晶性ポリエステル(a)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)との重縮合体であり、アルコール成分(x)が炭素数2~24の直鎖脂肪族ジオールからなり、カルボン酸成分(y)が炭素数4~36の直鎖脂肪族ジカルボン酸からなる請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
【請求項4】
結晶性ポリエステル樹脂(A)の示差走査熱量分析計(DSC)により測定される吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が50℃~90℃、該吸熱ピークに基づく吸熱量が70~110J/gである請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
【請求項5】
溶解度パラメータの小さい方の結晶性ポリエステル(a1)と溶解度パラメータの大きい方の結晶性ポリエステル(a2)の重量比[(a1):(a2)]が、30:70~90:10である請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
【請求項6】
結晶性ポリエステル樹脂(A)の示差走査熱量分析計(DSC)により測定される吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が、関係式(1)を満たす請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
関係式(1):{(Tma1)×(aw1)/((aw1)+(aw2))+(Tma2)×(aw2)/((aw1)+(aw2))}×0.97≦(Tm)≦{(Tma1)×(aw1)/((aw1)+(aw2))+(Tma2)×(aw2)/((aw1)+(aw2))}×1.03
[関係式(1)において、Tma1は溶解度パラメータの小さい方の結晶性ポリエステル(a1)の吸熱ピークのピークトップ温度であり、Tma2は溶解度パラメータの大きい方の結晶性ポリエステル(a2)の吸熱ピークのピークトップ温度であり、aw1は(a1)と(a2)の合計重量を基準とする(a1)の重量割合であり、aw2は(a1)と(a2)の合計重量を基準とする(a2)の重量割合である。]
【請求項7】
工程1におけるエステル交換反応をチタン含有触媒の存在下で行う請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
【請求項8】
工程1におけるエステル交換反応中に反応系内を減圧する請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
【請求項9】
結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有する組成物を溶融混合する工程2を有する請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーバインダーの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。しかしながら、一般に低温定着性を向上させようとすると、耐熱保存性が低下し、耐熱保存性を向上させようとすると低温定着性が低下するため、低温定着性と耐熱保存性はトレードオフの関係にあり、低温定着性と耐熱保存性との両立が可能となるトナーバインダーの開発が求められている。
トナーバインダーは、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、保存性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
例えば、低温定着性を目的として、溶融特性の優れる結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを使用したトナーが提案されている(特許文献1参照)。また、低温定着性や帯電性を向上させる目的として、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルのハイブリッドポリエステルを含有するトナー組成物が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、さらなる高画質化の要望に応えるため、トナーを小粒子径化した場合、上記結晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーは、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の分散性が十分といえず、それらの改善が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-287426号公報
特許第6485155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、非晶性ポリエステル樹脂中での結晶性ポリエステル樹脂の分散性に優れたトナーバインダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は溶解度パラメータの異なる2種の結晶性ポリエステル(a)をエステル交換反応して結晶性ポリエステル樹脂(A)を得る工程1を有するトナーバインダーの製造方法であって、前記結晶性ポリエステル(a)の溶解度パラメータの小さい方の結晶性ポリエステル(a1)と溶解度パラメータの大きい方の結晶性ポリエステル(a2)の溶解度パラメータの差の絶対値が0.10~0.50(cal/cm
3
)
1/2
であるトナーバインダーの製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法により製造されたトナーバインダーは、非晶性ポリエステル樹脂中での結晶性ポリエステル樹脂の分散性に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳述する。
【0008】
本発明のトナーバインダーの製造方法は、溶解度パラメータの異なる2種の結晶性ポリエステル(a)をエステル交換反応して結晶性ポリエステル樹脂(A)を得る工程1を有する。そして、好ましくは結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有する組成物を溶融混合する工程2を有する。
以下に、本発明のトナーバインダーの製造方法を順次、説明する。
【0009】
[工程1]
工程1は溶解度パラメータの異なる2種の結晶性ポリエステル(a)をエステル交換反応して結晶性ポリエステル樹脂(A)を得る工程である。
【0010】
工程1において、溶解度パラメータの異なる2種の結晶性ポリエステル(a)をエステル交換反応して結晶性ポリエステル樹脂(A)を得るため、トナーバインダー中での析出性に優れる溶解度パラメータの低い結晶性ポリエステルセグメントと、非晶性ポリエステル樹脂との相溶性に優れる溶解度パラメータの高い結晶性ポリエステルセグメントとが化学的に結合したブロック構造を有する結晶性ポリエステル樹脂を得ることができ、非晶性ポリエステル樹脂中での結晶性ポリエステル樹脂の分散性に優れるトナーバインダーを得ることができる。
なお、本発明における「結晶性」とは示差走査熱量測定(DSC測定ともいう)において、DSC曲線が吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)を有することを意味する。
以下に吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)の測定方法を記載する。
示差走査熱量計(例えばTA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて測定する。試料を30℃から10℃/分の条件で180℃まで第1回目の昇温を行い、続いて180℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で180℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップ温度を吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)とする。
(【0011】以降は省略されています)
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