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公開番号2024132434
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043186
出願日2023-03-17
発明の名称感光性樹脂組成物
出願人日産化学株式会社,富山県
代理人弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類G03F 7/008 20060101AFI20240920BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】
ライフサイエンスの分野、特に細胞培を取り扱う分野において所望の応答温度を有する温度応答性パターンをフォトリソグラフィ法により製造することが可能な温度応答性ポリマーを用いた感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
炭素-炭素三重結合を有さない温度応答性ポリマー(A)、及び溶剤(B)を含み、アジド基を有する低分子化合物(C)を含んでもよい感光性樹脂組成物であって、
該低分子化合物(C)が含まれないとき、該温度応答性ポリマー(A)はアジド基を有し、該低分子化合物(C)が含まれるとき、該温度応答性ポリマー(A)はアジド基を有してもよい、感光性樹脂組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素-炭素三重結合を有さない温度応答性ポリマー(A)、及び溶剤(B)を含み、アジド基を有する低分子化合物(C)を含んでもよい感光性樹脂組成物であって、
該低分子化合物(C)が含まれないとき、該温度応答性ポリマー(A)はアジド基を有し、該低分子化合物(C)が含まれるとき、該温度応答性ポリマー(A)はアジド基を有してもよい、感光性樹脂組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記温度応答性ポリマー(A)が、下記式(1)で表される構造単位を有するポリマーである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
TIFF
2024132434000024.tif
59
170
(式(1)中、R

は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、


は、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基を表す。)
【請求項3】
前記温度応答性ポリマー(A)は下記式(2)で表される構造単位を有するポリマーである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
TIFF
2024132434000025.tif
53
170
(式(2)中、R

は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、


は、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基を表し、


は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、


は、アジド基を含む基を表し、
x及びyはそれぞれx+y≦1、0<x<1、0<y<1を満たす任意の数である。)
【請求項4】
前記式(2)中のR

は、アジド基に加え、カルボニル基、ヒドロキシ基、エーテル基、アリーレン基、炭素原子数1~10のアルキレン基、炭素原子数3~10の炭化水素環基、3~10員の複素環基及び3~10員の複素縮合環基からなる群より選択される一種又は二種以上を含んでもよい、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記式(2)において、0.01≦y/x≦0.2を満たす、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記溶剤(B)は、置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルコール又は該アルコールとカルボン酸との反応物であるエステルから選択される、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記低分子化合物(C)が、アジド基を2つ以上含み、分子量が1000以下である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物又は部分硬化物からなる膜。
【請求項9】
基材と、請求項8に記載の膜とを有する積層体。
【請求項10】
前記膜が、パターニングされた膜である、請求項8に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、温度応答性ポリマーを用いた感光性樹脂組成物に関し、さらに該組成物により形成された硬化物又は部分硬化物からなる膜、該膜を有する積層体及び積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
温度応答性ポリマーとしては、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)が知られている。PNIPAAmは、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)とラジカル開始剤により容易に重合することで得られる。PNIPAAmの水溶液は、温度変化によって相分離を起こし、31℃以下では水に溶解され、それ以上の温度では不溶化し析出する。また、NIPAAmは他の機能性モノマーと共重合することも知られており、共重合により温度変化の刺激に応答するポリマーが得られる。
このような温度応答性ポリマーを含有する感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法により形成したドットパターンを有するチップを製造する技術が知られている。基板等で用いられたフォトリソグラフィ法の技術は、微細なパターン構造を製造することができる。このような微細なパターン構造は、微小な細胞等を取り扱う際に有用となる。
【0003】
前記温度応答性ポリマーの文献及び温度応答性ポリマーを細胞培養等に利用した文献を示す。特許文献1では、実施例で単量体N-イソプロピルアクリルアミド及びN-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドを重合した2元共重合体、さらにC=C-CO-NRR’構造をもつ単量体を加えて重合した3元共重合体が製造され、異なる種々の温度応答性のパターン付き基板(特に、細胞培養支持体)が、温度応答性ポリマーを含有する感光性樹脂組成物からフォトリソグラフィ法によるパターニングで製造されていることが記載されている。また、特許文献1では、80℃のオーブン中で、20時間、露光後ベーク(peb)し、その実施例では実施例ではガラス基板上に細胞培養支持体が製造されていることが示されている。
特許文献2では、細胞非接着性を示す構造単位と細胞接着性を示す構造単位を含むポリマーで被覆されたリガンド付き基体及びポリマーや基材自体への細胞の非特異的な接着により細胞選択性が損なわれることがない優れた細胞選択的培養能と分離能を発揮するコーティング材料について記載されている。特許文献2の実施例では、双性イオン及びクリック反応部位を有するポリマーの合成例が示されている。また、特許文献2では、ガラス基板表面へのポリマー被覆を100℃に加熱したホットプレート上で1分間加熱されていることが記載されている。
非特許文献1では、フォトリソグラフィを用いて、温度応答性のあるハイドロゲルが合成されたことが記載され、具体的には、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-アクリル酸)(PIA)及びアジドフェニル誘導体化PIA(AzPh-PIA)が合成され、この合成物の水溶液はガラス板上に溶出され、フォトマスクを用いていくつかのパターン構造の温度応答性マイクロゲルが製造されていることが記載されている。ただし、非特許文献1の合成物は、水溶液であるため、ガラス板上のパターン製造際、水を蒸発させるために多くの熱を必要とする。さらに本文献における水溶液の塗布は均一な塗布ができない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/068271号
国際公開第2019/013148号
【非特許文献】
【0005】
macromolecules 1998,31,4397-4381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、ポリスチレンなどのプラスチックは、安価、軽量、耐衝撃性に優れることから、細胞培養に用いられていた。一方、プラスチックは、耐熱性が低い、耐薬性が低い等の問題もある。
温度応答性ポリマーを細胞培養に適用する場合、露光後のベークを高温で行わなければならないことからプラスチックの基材ではなく、ガラスの基材が使用されている。ところが、細胞培養にガラスの基材を使用する場合、基材上の硬化物層は薄膜となるため、ガラス基材のアルカリ溶出による影響が大きく、再現性が取りにくいとの問題があった。
【0007】
そこで、細胞培養には、ガラス製ではなくプラスチック製の基材を使用することが望まれていた。そして、プラスチックを使用する場合、高温で使用できないものもあり、室温又は高くても50℃以下での使用が望まれること、さらに溶媒はプラスチックを溶解しない有機溶媒の使用が望まれていた。
本発明は上述のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、細胞培養を取り扱う分野において、所望の応答温度を有する温度応答性パターンをフォトリソグラフィ法により製造することが可能な温度応答性ポリマーを用いた感光性樹脂組成物を提供することにある。さらに本発明の目的は、プラスチックの基材を使用可能とするため、露光後の高温ベークが必要とされず、室温又は50℃以下で処理が可能となり、プラスチックを溶解しない溶媒が使用され、処理等に酸が使用されない温度応答性ポリマーを用いた感光性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、炭素-炭素三重結合を有さない温度応答性ポリマーと低分子化合物等を含む感光性樹脂組成物であって、アジド基を有する感光性樹脂組成物を用いれば、高温ベークを必要とせずに、露光することで硬化物の調製が可能であり、50℃以下で処理が可能であり、所望の応答温度を有する温度応答性のパターンを、フォトリソグラフィ法によるパターニングで製造し得ることを見出し、発明を完成させた。さらに、その際、プラスチックを溶解しない有機溶媒を感光性樹脂組成物の溶剤として使用することができることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は以下に関する。
第1観点として、炭素-炭素三重結合を有さない温度応答性ポリマー(A)、及び溶剤(B)を含み、アジド基を有する低分子化合物(C)を含んでもよい感光性樹脂組成物であって、
該低分子化合物(C)が含まれないとき、該温度応答性ポリマー(A)はアジド基を有し、該低分子化合物(C)が含まれるとき、該温度応答性ポリマー(A)はアジド基を有してもよい、感光性樹脂組成物に関する。
第2観点として、前記温度応答性ポリマー(A)が、下記式(1)で表される構造単位を有するポリマーである、第1観点に記載の感光性樹脂組成物に関する。
TIFF
2024132434000001.tif
51
170
(式(1)中、R

は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、


は、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基を表す。)
第3観点として、
前記温度応答性ポリマー(A)は下記式(2)で表される構造単位を有するポリマーである、第1観点に記載の感光性樹脂組成物に関する。
TIFF
2024132434000002.tif
51
170
(式(2)中、R

は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、


は、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基を表し、


は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表し、


は、アジド基を含む基を表し、
x及びyはそれぞれx+y≦1、0<x<1、0<y<1を満たす任意の数である。)
第4観点として、前記式(2)中のR

は、アジド基に加え、カルボニル基、ヒドロキシ基、エーテル基、アリーレン基、炭素原子数1~10のアルキレン基、炭素原子数3~10の炭化水素環基、3~10員の複素環基及び3~10員の複素縮合環基からなる群より選択される一種又は二種以上を含んでもよい、第3観点に記載の感光性樹脂組成物に関する。
第5観点として、前記式(2)において、0.01≦y/x≦0.2を満たす、第3観点に記載の感光性樹脂組成物に関する。
第6観点として、前記溶剤(B)は、置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルコール又は該アルコールとカルボン酸との反応物であるエステルから選択される、第1観点に記載の感光性樹脂組成物に関する。
第7観点として、前記低分子化合物(C)が、アジド基を2つ以上含み、分子量が1000以下である、第1観点に記載の感光性樹脂組成物。
第8観点として、第1観点乃至第7観点のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物又は部分硬化物からなる膜に関する。
第9観点として、基材と、第8観点に記載の膜とを有する積層体に関する。
第10観点として、前記膜が、パターニングされた膜である、第8観点に記載の積層体に関する。
第11観点として、前記基材が、ガラス転移温度が105℃以下であるプラスチックで
ある、第9観点に記載の積層体に関する。
第12観点として、前記基材が、ガラス転移温度が105℃以下であるプラスチックである、第10観点に記載の積層体に関する。
第13観点として、基材の表面に、第1観点乃至第7観点のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物又は部分硬化物を形成する工程を含む、積層体の製造方法に関する。
第14観点として、第1観点乃至第7観点のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基材の表面に塗布し、塗布膜を形成する工程、該塗布膜に光を照射する工程、及び露光後の塗布膜を現像する工程を含む、積層体の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアジド基を有する感光性樹脂組成物を用いれば、露光後の高温ベークが必要なく、50℃以下で、硬化させる処理が可能であり、酸を発生させない処理が可能であり、部分的に硬化させる処理が可能である。
本発明の溶剤を用いれば、プラスチック等を溶解することなく使用することが可能である。
本発明のアジド基を有する感光性樹脂組成物を用いた製造方法によれば、露光後ベークが不要で簡便なフォトリソグラフィ法による製造方法を提供できる。
本発明のアジド基を有する感光性樹脂組成物を用いた製造方法によれば、ガラス転移温度が105℃以下のプラスチックの基材に温度応答性を有する硬化物又は部分硬化物からなる膜及びパターニングされた膜を提供でき、さらに該基材と該膜からなる積層体を供給できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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