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公開番号2024132107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042767
出願日2023-03-17
発明の名称車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 61/02 20060101AFI20240920BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ベルト式無段変速機を搭載した車両が極低車速で走行し、変速比の算出が困難な場合であっても、変速制御を適切に実行する。
【解決手段】プライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧をそれぞれ油圧制御し、ベルト式無段変速機3のベルト狭圧力制御および変速制御を行う車両の制御装置において、実変速比を目標変速比に追従させるプライマリシーブ圧を算出するフィードバック制御、または、目標変速比に基づき、セカンダリシーブ圧と均衡するプライマリシーブ圧を算出するフィードフォワード制御で変速制御を実行するとともに、車両Veが、実変速比を算出することが困難になる極低車速で走行し、かつ、オイルポンプの吐出性能が低下する高油温の場合には、フィードフォワード制御で、セカンダリシーブ圧に替えてオイルの吐出量からプライマリシーブ圧を算出して、変速制御を実行する(ステップS10)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンと、伝動ベルトが巻き掛けられたプライマリプーリおよびセカンダリプーリを有し、前記エンジンが出力するトルクを駆動輪に伝達するベルト式無段変速機と、前記エンジンによって駆動されるオイルポンプと、を備え、前記オイルポンプが発生する油圧を用いて、前記プライマリプーリに供給するプライマリシーブ圧および前記セカンダリプーリに供給するセカンダリシーブ圧をそれぞれ油圧制御し、前記ベルト式無段変速機のベルト狭圧力制御および変速制御を行う車両の制御装置であって、
前記ベルト式無段変速機を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記ベルト式無段変速機の目標変速比および実変速比をそれぞれ算出し、
前記実変速比を前記目標変速比に追従させる前記プライマリシーブ圧を算出するフィードバック制御、または、前記目標変速比に基づき、前記セカンダリシーブ圧と均衡する前記プライマリシーブ圧を算出するフィードフォワード制御の少なくともいずれかで前記変速制御を実行するとともに、
前記車両が、前記実変速比を算出することが困難になる所定の車速閾値以下で走行する場合であり、かつ、前記オイルポンプで吐出するオイルの温度が、前記オイルポンプの吐出性能が低下する所定の油温閾値よりも高い場合には、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧に替えて前記オイルの吐出量から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行する
ことを特徴とする車両の制御装置。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置であって、
前記コントローラは、
車速が前記車速閾値以下であり、かつ、前記オイルの温度が前記油温閾値よりも高い場合であって、なおかつ、前記エンジンの回転数が、前記吐出量が減少する所定の回転数閾値よりも低い場合に、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧に替えて前記吐出量から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行する
ことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両の制御装置であって、
前記コントローラは、
前記車両のアクセル開度が、所定のアクセル開度閾値以上である場合は、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧の指示圧から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行する
ことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車両の制御装置であって、
前記コントローラは、
前記車両が、所定の勾配閾値以上の坂路を走行する場合は、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧の指示圧から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行する
ことを特徴とする車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、無段変速機を搭載した車両の制御装置に関し、特に、ベルト式無段変速機の動作(ベルト狭圧力制御、および、変速制御)を油圧制御する車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ベルト滑りの発生を抑制しつつ、最大変速比に維持することを目的としたベルト式無段変速機の制御装置が記載されている。この特許文献1に記載されたベルト式無段変速機は、伝動ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリ、オイルポンプ、ならびに、油圧制御装置を備えている。オイルポンプは、エンジンの出力トルクによって駆動されて作動油を吐出する。油圧制御装置は、オイルポンプから吐出された作動油を、プライマリプーリのプライマリ可動シーブおよびセカンダリプーリのセカンダリ可動シーブに作用させる。ベルト式無段変速機の制御装置は、プライマリ可動シーブを移動させるためのプライマリ推力、および、セカンダリ可動シーブを移動させるためセカンダリ推力をそれぞれ制御する。そして、この特許文献1に記載されたベルト式無段変速機の制御装置は、最大変速比の要求時に、セカンダリ目標圧がオイルポンプの吐出能力よりも小さい場合には、セカンダリ目標圧がオイルポンプの吐出能力よりも大きい場合と比較して、プライマリ目標圧を小さくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-60259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載されているように、ベルト式無段変速機は、伝動ベルトが巻き掛けられる二つのプーリ、すなわち、プライマリプーリおよびセカンダリプーリを有している。それらプライマリプーリおよびセカンダリプーリの可動シーブを回転軸線方向に移動させるための推力(または、シーブ圧)をそれぞれ制御することにより、ベルト式無段変速機のベルト狭圧力制御および変速制御が行われる。例えば、セカンダリプーリのシーブ圧を油圧制御することにより、ベルト滑りを防止するためのベルト狭圧力制御が実行される。それに対して、プライマリプーリのシーブ圧を油圧制御することにより、伝動ベルトの巻き掛かり径を変化させて変速比を変更する変速制御が実行される。
【0005】
通常、ベルト式無段変速機の変速制御は、フィードバック制御により、あるいは、フィードバック制御とフィードフォワード制御を併用して行われる。例えば、ベルト式無段変速機の目標変速比に対して実際の変速比(実変速比)を追従させるために、フィードバック制御によってアップシフト量またはダウンシフト量が算出される。そして、算出されたアップシフト量またはダウンシフト量に基づいてプライマリプーリのシーブ圧を油圧制御することにより、変速制御が実行される。但し、車両が極低車速で走行するような状況では、ベルト式無段変速機の入力軸および出力軸の回転数を適切に検出できず、正確な変速比を算出できないため、フィードバック制御を用いずに、フィードフォワード制御だけで変速制御が実行される。
【0006】
上記のようなフィードフォワード制御による変速制御では、ベルト滑りを防止するためのセカンダリプーリのシーブ圧(セカンダリシーブ圧)、および、目標変速比に追従する変速比を実現するためのプライマリプーリのシーブ圧(プライマリシーブ圧)が、互いにバランスを保つように指示される。すなわち、フィードフォワード制御によって、プライマリシーブ圧の指示圧(目標値)、および、セカンダリシーブ圧の指示圧(目標値)が、それぞれ算出される。プライマリシーブ圧の指示圧を算出する場合に、セカンダリシーブ圧の実圧(油圧センサの検出値)を用いると、油圧振動(油圧の脈動)により、変速制御においてハンチングが生じてしまう可能性がある。そのため、プライマリシーブ圧の指示圧は、フィードフォワード制御により、セカンダリシーブ圧の指示圧を用いて算出される。ところが、例えば、ベルト式無段変速機の油温が高く、各シーブ圧を発生するオイルポンプの吐出性能が低下してしまうような状況では、プライマリシーブ圧とセカンダリシーブ圧(実圧)とのバランスがアップシフト側に崩れてしまう。この場合、フィードバック制御で実変速比を目標変速比に追従させることができないので、実変速比が目標変速比に対して乖離した状態を即座に修正することができない。そのため、上記のようにアップシフト側にバランスが崩れた状態が継続されてしまい、ベルト式無段変速機は、徐々にアップシフトし続けてしまう。その結果、車両の駆動力が不足してしまうおそれがある。
【0007】
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、ベルト式無段変速機を搭載した車両が極低車速で走行する際に、変速比の算出が困難になる場合であっても、ベルト式無段変速機の変速制御を適切に実行することが可能な車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明は、エンジンと、伝動ベルトが巻き掛けられたプライマリプーリおよびセカンダリプーリを有し、前記エンジンが出力するトルクを駆動輪に伝達するベルト式無段変速機と、前記エンジンによって駆動されるオイルポンプと、を備え、前記オイルポンプが発生する油圧を用いて、前記プライマリプーリに供給するプライマリシーブ圧および前記セカンダリプーリに供給するセカンダリシーブ圧をそれぞれ油圧制御し、前記ベルト式無段変速機のベルト狭圧力制御および変速制御を行う車両の制御装置であって、前記ベルト式無段変速機を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記ベルト式無段変速機の目標変速比および実変速比をそれぞれ算出し、前記実変速比を前記目標変速比に追従させる前記プライマリシーブ圧を算出するフィードバック制御、または、前記目標変速比に基づき、前記セカンダリシーブ圧と均衡する前記プライマリシーブ圧を算出するフィードフォワード制御の少なくともいずれかで前記変速制御を実行するとともに、前記車両が、前記実変速比を算出することが困難になる所定の車速閾値以下で走行する場合であり、かつ、前記オイルポンプで吐出するオイルの温度が、前記オイルポンプの吐出性能が低下する所定の油温閾値よりも高い場合には、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧に替えて前記オイルの吐出量から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行することを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明における前記コントローラは、車速が前記車速閾値以下であり、かつ、前記オイルの温度が前記油温閾値よりも高い場合であって、なおかつ、前記エンジンの回転数が、前記吐出量が減少する所定の回転数閾値よりも低い場合に、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧に替えて前記吐出量から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行するように構成されてもよい。
【0010】
また、この発明における前記コントローラは、前記車両のアクセル開度が、所定のアクセル開度閾値以上であり、大きな駆動力が要求される場合は、前記フィードフォワード制御で、前記セカンダリシーブ圧の指示圧から前記プライマリシーブ圧を算出して、前記変速制御を実行するように構成されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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