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公開番号2024130948
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040927
出願日2023-03-15
発明の名称導電性軸受
出願人株式会社不二越
代理人個人,個人
主分類F16C 41/00 20060101AFI20240920BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】絶縁性能を好適に確保することで電食を抑制し、且つ安定した導電性能を得ることによって電磁ノイズ対策を図ることが可能な導電性軸受を提供する。
【解決手段】本発明にかかる導電性軸受100の構成は、外輪110と、外輪の外周面を被覆する絶縁被膜140と、幅方向で外輪に隣接して配置される金属環150と、外輪および金属環に亘る幅の内輪120と、外輪と内輪の間を転動する転動体(玉130)と、金属環と内輪との間に配置され内輪に摺接する導電性のブラシ170と、外輪と金属環との間に配置された皿ばね160と、を備え、外輪110の内周面には内爪が形成されていて、金属環150には外爪が形成されていて、外輪110および金属環150は幅方向に移動可能かつ相対的に回転可能に組み合わされていて、金属環150の端部は、組付け前の状態では、幅方向で内輪よりも外側に位置することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
外輪と、
前記外輪の外周面を被覆する絶縁被膜と、
幅方向で前記外輪に隣接して配置される金属環と、
前記外輪および前記金属環に亘る幅の内輪と、
前記外輪と前記内輪の間を転動する転動体と、
前記金属環と前記内輪との間に配置され該内輪に摺接する導電性のブラシと、
前記外輪と前記金属環との間に配置された皿ばねと、
を備え、
前記外輪の内周面には内爪が形成されていて、前記金属環には外爪が形成されていて、該外輪および該金属環は幅方向に移動可能かつ相対的に回転可能に組み合わされていて、
前記金属環の端部は、組付け前の状態では、幅方向で前記内輪よりも外側に位置することを特徴とする導電性軸受。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
内輪と、
前記内輪の内周面を被覆する絶縁被膜と、
幅方向で前記内輪に隣接して配置される金属環と、
前記内輪および前記金属環に亘る幅の外輪と、
前記内輪と前記外輪の間を転動する転動体と、
前記金属環と前記外輪との間に配置され該外輪に摺接する導電性のブラシと、
前記内輪と前記金属環との間に配置された皿ばねと、
を備え、
前記内輪の外周面には内爪が形成されていて、前記金属環には外爪が形成されていて、該内輪および該金属環は幅方向に移動可能かつ相対的に回転可能に組み合わされていて、
前記金属環の端部は、組付け前の状態では、幅方向で前記外輪よりも外側に位置することを特徴とする導電性軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性のブラシを有する導電性軸受に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、EV車(electric car)やHV車(hybrid car)等の開発の進展により、一台の自動車に搭載される高電圧部品の数が増加しつつある。この高電圧部品の電流が軸受に通電すると、軸受の転動体の表面、外輪や内輪の軌道面に電食が生じてしまい、損傷の一因となる。そこで例えば特許文献1には、絶縁被膜を備えるシール付き軸受が開示されている。
【0003】
特許文献1のシール付き軸受は、「外輪と内輪との間を封止するシールと、外輪の外周面または内輪の内周面のいずれか一方を被覆する絶縁被膜を有し、前記絶縁被膜は外輪の内周面または内輪の外周面の縁まで被覆していて、前記縁を被覆する絶縁被膜の表面は円筒形であり、前記シールは前記縁を被覆する絶縁被膜に圧入されている」ことを特徴としている。特許文献1のシール付き軸受によれば、外輪の外周面または内輪の内周面が絶縁被膜によって被覆されていることにより、外輪または内輪からの絶縁被膜への導電を防ぎ、電力を効果的に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-139280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軸受では、上述した電食対策に加えて電磁ノイズ対策が求められている。電磁ノイズは電磁気的干渉に起因するものである。詳細には高電圧部品の数が増えると、部品同士の電磁気的干渉が大きくなる。電磁気的干渉は、車載ラジオなどの電子機器に伝搬すると、電磁ノイズとして機器の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
電磁ノイズ対策としては、軸受を導電可能(通電可能)にすることにより、設置対象由来の電磁ノイズを除去することが行われている。具体的には、軸受に導電性シールや導電性グリス、導電性ブラシを用いることにより導電性能を付与する方法が用いられている。
【0007】
しかしながらそれらの構成では、軸受の回転時に油膜が形成されると導電性能が損なわれてしまう。また従来では導電性ブラシは外輪と内輪との間に収容されている構成が一般的である。しかしそのような構成であると、軸受の回転時に外輪や内輪においてクリープが発生すると、外輪の外周面や内周面に酸化皮膜が形成され、ブラシによる導電性が損なわれてしまうという課題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、絶縁性能を好適に確保することで電食を抑制し、且つ安定した導電性能を得ることによって電磁ノイズ対策を図ることが可能な導電性軸受を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかる導電性軸受の代表的な構成は、外輪と、外輪の外周面を被覆する絶縁被膜と、幅方向で外輪に隣接して配置される金属環と、外輪および金属環に亘る幅の内輪と、外輪と内輪の間を転動する転動体と、金属環と内輪との間に配置され内輪に摺接する導電性のブラシと、外輪と金属環との間に配置された皿ばねと、を備え、外輪の内周面には内爪が形成されていて、金属環には外爪が形成されていて、外輪および金属環は幅方向に移動可能かつ相対的に回転可能に組み合わされていて、金属環の端部は、組付け前の状態では、幅方向で内輪よりも外側に位置することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかる導電性軸受の他の構成は、内輪と、内輪の内周面を被覆する絶縁被膜と、幅方向で内輪に隣接して配置される金属環と、内輪および金属環に亘る幅の外輪と、内輪と外輪の間を転動する転動体と、金属環と外輪との間に配置され外輪に摺接する導電性のブラシと、内輪と金属環との間に配置された皿ばねと、を備え、内輪の外周面には内爪が形成されていて、金属環には外爪が形成されていて、内輪および金属環は幅方向に移動可能かつ相対的に回転可能に組み合わされていて、金属環の端部は、組付け前の状態では、幅方向で外輪よりも外側に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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