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公開番号2024130277
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039914
出願日2023-03-14
発明の名称転写方法
出願人東レエンジニアリング株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類G09F 9/00 20060101AFI20240920BHJP(教育;暗号方法;表示;広告;シール)
要約【課題】発光素子の使用歩留まりを向上させ、色むらが生じない転写方法を提供する。
【解決手段】発光素子を備えたドナーと、パネルと、発光素子をパネルに転写させる転写手段と、発光素子の位置情報と発光波長を記憶する記憶手段と、発光素子を転写するためにドナーとパネルと転写手段の相対位置の順番を算出する算出手段とを用いる転写方法であって、転写手段は発光素子を転写可能な転写可能位置を複数有する転写領域を有し、パネル対角線の長さとパネルと観察者の距離により1度視野範囲を算出し、パネルに発光素子を転写するシミュレーションを各相対位置において行うシミュレーションステップと、シミュレーションに従い転写領域とパネルとドナーとを配置させる配置ステップと、発光素子をパネルに転写させる転写ステップとを備え、シミュレーションステップでは、所定の1度視野範囲の全発光素子及びそれに隣接する1度視野範囲の全発光素子の発光波長の平均値の差が波長弁別閾値以下となる配置を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
所定の色を呈する複数の発光素子が平面的に配列されているドナーと、前記発光素子が前記ドナーから転写されて搭載されるパネルと、前記ドナーから前記パネルに前記発光素子を転写させる転写手段と、前記ドナーと前記パネルと前記転写手段とのそれぞれの相対位置を制御する位置制御手段と、前記ドナーにおける前記発光素子の位置情報及び前記パネルにおける転写された前記発光素子の位置情報および各前記発光素子の発光波長を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記パネルに所定の数の前記発光素子を転写するために前記相対位置の順番を算出する算出手段と、を用いて前記発光素子を前記パネルに転写する転写方法であって、
前記転写手段は転写領域を有しているとともに、当該転写領域において前記発光素子の転写を行うことが可能な転写可能位置を複数有しており、
前記パネルの対角線の長さが10.16cm以上30.48cm未満であるときに前記パネルから30cm離れた位置で前記パネルを観察し、前記パネルの対角線の長さが30.48cm以上68.58cm未満であるときに前記パネルから50cm離れた位置で前記パネルを観察し、前記パネルの対角線の長さが68.58cm以上165.10cm未満であるときに前記パネルから130cm離れた位置で前記パネルを観察し、それぞれの観察によって視野角を算出し、
前記パネルに前記所定の数まで前記発光素子が転写されるシミュレーションを、算出された前記相対位置の順番に従って、各前記相対位置において前記発光素子の転写が行われる前記転写可能位置を用いて行うシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップにより選択された前記相対位置および前記転写可能位置の組み合わせと、その順番に従って、前記位置制御手段により前記転写領域に対して前記パネルおよび前記ドナーのそれぞれの所定の位置が相対するように前記パネルと前記ドナーとを配置させる配置ステップと、
前記転写手段により前記発光素子を前記パネルに転写させる転写ステップと
を備え、
前記シミュレーションステップでは、所定の1度視野範囲に転写されるすべての前記発光素子の発光波長の平均値と、前記所定の1度視野範囲に隣接する隣接1度視野範囲に転写されるすべての前記発光素子の発光波長の平均値との差が波長弁別閾値以下となる配置を行う、転写方法。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記シミュレーションステップでは少なくとも1つの前記所定の1度視野範囲において、互いに発光波長に差異がある前記ドナー内の複数の前記発光素子を前記所定の1度視野範囲に配置する、請求項1に記載の転写方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転写方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、従来の液晶ディスプレイに代わるものとしてLEDを使用したディスプレイの開発が進められており、製品化が進みつつある。このようなLEDを使用したディスプレイ(LEDディスプレイ)は、FHD(Full High Definition)パネルであって、赤色LED、緑色LED、青色LEDが1920×1080個、4Kパネルでは3840×2160個、それぞれ格子状の配列にて配線基板に高密度に実装されている。
【0003】
このように配線基板へ高密度に実装される各色LEDとしては、たとえば約50μm×50μmといった微小寸法を有する、いわゆるマイクロLEDが用いられる。このようなマイクロLEDは特許文献1に示すようにサファイアなどの成長基板上に窒化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させる工程などを経て得られ、基板上で上記寸法のチップ状にダイシングされる。このように形成されたLEDチップは、1回もしくは複数回の転写工程を経て成長基板からディスプレイである配線基板へ転写される。その後、熱圧着などの実装工程を経て、配線基板にLEDチップが固定される。
【0004】
LEDチップをディスプレイパネルである配線基板に転写する方法はいくつかあるが、例えば特許文献2,3に開示されているレーザーアブレーション技術を用いた方法が知られている。
【0005】
特許文献2にはレーザーアブレーション技術を用いた素子(LEDチップ)の転写方法が開示されている。また、1つの成長基板上に形成された複数のLEDチップの発光波長には個体差があるが、特許文献3には、LEDディスプレイを製造した際に発光波長の個体差によって色むらが見る人によって感じられないようにする転写方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-170993号公報
特開2006-41500号公報
特開2022-135521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に開示された発明は、特許文献2に開示された発明を利用しつつLEDディスプレイに色むらが生じないようにするという新たな課題を解決すべく創作されたものである。しかしながら、特許文献3に開示された発明では、各LEDチップの発光波長の最頻値から大きく外れた発光波長を有するLEDチップは使用しないという方法を採用しているのでLEDチップの歩留まりが下がってしまう。また、発光波長の最頻値から所定の波長範囲外れた発光波長を有するLEDチップを色むらが目立たないディスプレイパネルの外周部に配置するだけであり、すべてのLEDチップを使用して外周部であっても色むらが生じないディスプレイパネルを製造する技術ではなかった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウェハに作成された発光素子の使用歩留まりを向上させ且つディスプレイ全面において色むらが生じない転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の転写方法は、所定の色を呈する複数の発光素子が平面的に配列されているドナーと、前記発光素子が前記ドナーから転写されて搭載されるパネルと、前記ドナーから前記パネルに前記発光素子を転写させる転写手段と、前記ドナーと前記パネルと前記転写手段とのそれぞれの相対位置を制御する位置制御手段と、前記ドナーにおける前記発光素子の位置情報及び前記パネルにおける転写された前記発光素子の位置情報および各前記発光素子の発光波長を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記パネルに所定の数の前記発光素子を転写するために前記相対位置の順番を算出する算出手段と、を用いて前記発光素子を前記パネルに転写する転写方法であって、前記転写手段は転写領域を有しているとともに、当該転写領域において前記発光素子の転写を行うことが可能な転写可能位置を複数有しており、前記パネルの対角線の長さが10.16cm以上30.48cm未満であるときに前記パネルから30cm離れた位置で前記パネルを観察し、前記パネルの対角線の長さが30.48cm以上68.58cm未満であるときに前記パネルから50cm離れた位置で前記パネルを観察し、前記パネルの対角線の長さが68.58cm以上165.10cm未満であるときに前記パネルから130cm離れた位置で前記パネルを観察し、それぞれの観察によって視野角を算出し、前記パネルに前記所定の数まで前記発光素子が転写されるシミュレーションを、算出された前記相対位置の順番に従って、各前記相対位置において前記発光素子の転写が行われる前記転写可能位置を用いて行うシミュレーションステップと、前記シミュレーションステップにより選択された前記相対位置および前記転写可能位置の組み合わせと、その順番に従って、前記位置制御手段により前記転写領域に対して前記パネルおよび前記ドナーのそれぞれの所定の位置が相対するように前記パネルと前記ドナーとを配置させる配置ステップと、前記転写手段により前記発光素子を前記パネルに転写させる転写ステップとを備え、前記シミュレーションステップでは、所定の1度視野範囲に転写されるすべての前記発光素子の発光波長の平均値と、前記所定の1度視野範囲に隣接する隣接1度視野範囲に転写されるすべての前記発光素子の発光波長の平均値との差が波長弁別閾値以下となる配置を行うことを特徴とする。
【0010】
前記シミュレーションステップでは少なくとも1つの前記所定の1度視野範囲において、互いに発光波長に差異がある前記ドナー内の複数の前記発光素子を前記所定の1度視野範囲に配置していてもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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